[新機能紹介] 自然対流機能のご紹介(ヒートシンク解析)

Femtet2020で実装された『自然対流解析機能』の機能紹介をおこないます。

これまでのFemtetでは扱えなかった自然対流解析ができるようになりました。

今回は基板上のICに発熱量を与えた時の熱流体解析をおこないました。

発熱を逃がすために配置したヒートシンクの上方に温度の高い領域があり、

主に上方に熱が伝わっている様子が確認できます。

【ヒートシンク解析結果/温度分布】

また、解析タイプを熱伝導解析から流体解析に切り替え、流速ベクトル図を表示することで、ICにより暖められた空気が上方へ移動している様子も確認できます。

以下のFemtet例題をご参照ください。

ホーム / 例題集 / 連成解析 / 熱流体解析[Bernoulli/Watt] / 例題6 自然対流による基板上のICの放熱

熱流体解析をおこなうためには、熱流体オプションが必要となります。

2か月無料の試用版でご評価ください。

https://www.muratasoftware.com/trial/starter/

 

円柱らせんと多角柱らせん(磁場解析)

コイルやトランスの設計をおこなうときに、
FemtetではらせんコマンドをCAD機能として用意しております。
Femtetのユーザ様の多くは、実際の銅配線の断面形状が円となっている
「円柱らせん」を使用されることが多いです。
しかしながら、曲面を多用することでメッシュ生成に失敗することがあります。
今回はメッシュ生成の成功率が向上する「多角柱らせん」を
ご紹介いたします。

「円柱らせん」と「多角柱らせん」の違いはその名の通り、
断面形状が「円」か「多角形」であることです。
(今回は正六角形となるようにしています。)
曲面が減ることでメッシュ生成の成功率があがります。
さらに、多角柱らせんでは、「側面を平面化」というオプションがあり、
よりメッシュ生成の成功率の向上が見込めます。

実際に磁場解析例題11のモデルを2つのらせんモデルで描画しました。
見た目はたしかに「円柱らせん」のほうが、実際のモデルに近い感じがあります。

解析をおこなったメッシュを表示します。
Femtetは三角形や三角錐でメッシュを生成するため、
実際の解析では円柱らせんが多角柱らせんとして模擬されます。

電流密度分布とインダクタンス値をみると、ほぼ同等の結果が得られていることがわかります。
メッシュサイズをより細かくすることで両者はより漸近すると思います。

「こんな解析をするにはどうしたらいいの?」といったご意見お待ちしています。

差動線路の解析設定方法(電磁波解析)

伝送の高速化が進む中で、基板設計や高周波回路設計者にとって
課題となるのが「ノイズ」です。
ノイズに対する1つのアプローチとして、「差動伝送」技術があります。

Femtetの電磁波解析では差動線路解析に対応しております。
今回は差動線路の設定についてご紹介させていただきます。
解析条件の設定で、オプション設定-「・・・」をクリックし、
伝搬モード変換機能を使うにチェックを入れます。

ポートの設定画面で、差動ペアを組む設定をおこないます。
ここで、差動インピーダンスを設定します。

解析を実行し、結果表示画面で、フィールド表示-電流密度でモードごとに
電流の流れ方を確認していただくことができます。

ミックストモードのSパラをバランス変換不要で得ることができます。

差動線路の解析については、こちらからご覧いただくことができます。

「こんな解析をするにはどうしたらいいの?」といったご意見お待ちしています。

「第31回設計製造ソリューション展」への出展中止について

「第31回 設計・製造ソリューション展」への出展を予定しておりましたが、

新型コロナウィルス感染症の影響を考慮し、出展を見合わせることといたしました。

来場をご検討いただいた皆様には大変申し訳ございませんが、

ご理解賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

「ベルヌーイの定理」、「ナビエストークスの方程式」をざっくり体験してみました。

「流体解析」というと、
「ベルヌーイの定理」もしくは、「ナビエストークスの方程式」
がキーワードとなっています。
そして、Googleなどで、それらを検索すると、事例として、飛行機の羽根部分の流体解析があげられていると思います。
そこで今回は、飛行機モデルに対し、強制対流を与え、その空気の流れをシミュレーションし、Femtetの流体解析でちゃんとそういった結果が得られるかを確認しました。
もちろん、羽根部分のみの流体解析もおこない、流速分布も確認しています。

今回使用したモデル(メッシュ分割したもの)です。複雑な形状でしたが、なんとかメッシュを切ることはできました。

飛行機モデル外周に、空気領域を設け、手前から後方にかけて流速を設定し、解析しました。
流線表示をすると、こんな感じになります(画像はわかりやすさのため、ハメ込み画像で表示しています)。

次に、別途羽根部分のみの流体解析をおこなってみました。
2次元解析のほうが、当たり前ですが、収束性も高いし、解析時間も圧倒的に短くなります。

この結果、羽根部分の上側の流速のほうが、下側の流速に比べて速くなっていることがわかります。
また、羽根の後ろでちゃんと渦ができているのもわかりますね(ベクトル表示するとより鮮明にわかります)。

基本パックで流体解析も標準搭載されていますので、ぜひみなさんも流体解析やってみてください。
次バージョンのFemtet2019.1でよりメッシュ機能が向上しています。