[新機能紹介] MATLAB/Simulinkモータドライブ解析との連携

Femtet2020で実装された『Femtetモータ解析とMATLAB/Simulinkモータドライブ解析との連携』の機能紹介をおこないます。

Femtetではモータ基本特性をさまざまな条件で解析し、
MATLAB形式のスクリプトファイル(モータ特性ファイル)としてエクスポートします。
MATLAB/Simulinkではモーター特性ファイルをインポートし、
モータ制御を考慮した解析(モータードライブ解析)を実行します。

FEM解析によって得られたモータ特性ファイルを使用することにより、
単純化されたPMSM(永久磁石同期モータ)モデルでは捉えることができない、詳細なモータ特性を考慮したモータドライブ解析が可能となります。

【Femtet-MATLAB/Simulink連携概念図】


Femtetでは、解析条件の設定から、[MATLAB/Simulink]タブ、および、[回転機]タブの設定を行います。
指定の変数を設定し、パラメトリック解析をおこなうことで、
MATLAB形式のモータ特性ファイルの作成を実行します。

【モータ特性ファイル出力設定画面】


作成したモータ特性ファイルを使用し、Simulink解析を行います。
Simulink側の『Fem-Parameterlized_PMSM』モータモデルに

3次元鎖交磁束データ|熱端子なしでFemtetのモータ特性ファイルを読み込みます。

【Simulink回路図】

【モータ特性ファイルの指定】

解析を実行し、結果の確認を行います。
Simulink解析モデルのScope1ブロックをダブルクリックすると、解析結果が表示されます。
Scope1はモータからの出力電圧(誘起電圧)をモニタリングしています。
誘起電圧は単純な正弦波にはなっておらず、モータの非線形性が現れているのが分かります。

【解析結果確認/誘導電圧】

詳細な手順はFemtetヘルプをご参照ください。

ホーム / チュートリアル / MATLAB/Simulinkモータドライブ解析との連携 /

MATLAB® 、Simulink® に関する情報は Mathworks様のウェブサイト(https://www.mathworks.com) よりご確認ください。

 

MATLAB/Simulink連携をおこなうためには、

磁場拡張オプションが必要となります。

2か月無料の試用版でご評価ください。

https://www.muratasoftware.com/trial/starter/

ループコイルで粗密のあるコイルを扱う方法(磁場解析)

コイルの設計や、誘導加熱などの設計において、シミュレーションが使われることが非常に多くなっています。
Femtetに限らず、FEMでは、多巻き、粗密を有する複雑なコイル形状の場合、メッシュが切れなかったり、解析規模が大きくなり、多くのメモリ量や解析時間を必要とするケースがあります。
解決方法としてループコイルを使用することが多いのですが、
今回はFemtetでもループコイルを分割することにより、粗密を考慮したループコイルが扱えることを紹介します。

■ 解析モデル例

軸対称モデルで検証しました。粗密に合わせてループコイルを切断するのがポイントです。
Femtetでは、3次元モデルから簡単に2次元モデル/軸対称モデルを生成可能です。

切断したコイル(Coil_a, b, c)に巻き数を設定し解析を実行しました。
コイルを切断する前のインダクタンス(12巻き)は301nHでした。
均等に分割した(4-4-4)モデルとインダクタンスが一致しました。
巻き数の変更により、インダクタンスが変化する様子がわかります。

参考までに、巻き数に応じた磁束密度分布を示します。
分割なし(12巻き)と均等に分割した(4-4-4)モデルとは、磁束密度分布はほぼ同等。
巻き数の変更により磁束密度分布が変化しました。

「こんな解析をするにはどうしたらいいの?」といったご意見お待ちしています。

回転軸を固定した解析をおこなう方法(応力解析)

Femtetユーザ様からいただく質問が多いものを
簡単にご紹介したいと思います。
今回は、応力解析で回転軸を固定して解析をおこなう方法についてです。

解析モデルは以下になります。下面を固定し、回転方向に荷重を設定します。

回転軸に相当する線ボディを作成し、境界条件でX,Y,Z変位を固定します。

BodyTreeでは、この線ボディは(転写用ボディ)として表示されます。
注意点としては、この線ボディにボディ属性や材料定数などを設定してしまうと
解析エラーがでます(対応していない要素と表示されます。)。

解析結果をみると、軸にあわせて回転している様子がおわかりいただけます。

「こんな解析をするにはどうしたらいいの?」といったご意見お待ちしています。

各音源の位相をずらした解析機能のご紹介

Femtetブログを開設して、初めてコメントをいただきました。

ありがとうございますm(_ _)m

ちょっとご紹介いたしますと、

” 音源を複数用意したときに球面上を音が伝わり、それぞれの音波が干渉して音が伝わっていくと思いますが、各音源の位相をずらした解析は可能なのでしょうか。”

とのことです。

せっかくコメントをいただいたので、今回は

『位相をずらした解析機能』についてご紹介いたします。

やりかたとしては、2つの方法があります。

① 境界条件で『位相』を指定する場合。

境界条件の位相(赤枠部)で指定できますので、ずらしたい量を設定します。

② ポスト処理で、『フィールドの重ね合わせの設定』を利用し、振幅/位相を指定する場合

結果画面で、「描画設定」-「フィールドの重ね合わせ設定」をクリックし、

振幅/位相を指定します。

これらの機能を使用することで、以下のように、位相をずらしたときの結果をみることができるようになります。

ちなみに、フィールドの重ね合わせ機能は、音波解析だけでなく、ほかのソルバのポスト処理にも対応しております(電磁波解析だとアレイアンテナの解析に使用されることがあります。)。

 

今回の機能についての詳細は、以下の例題をご参照ください。

ホーム / 例題集 / 音波解析[Mach] / 例題3 干渉縞の計算(2次元)

 

このようにより具体的な機能紹介が可能ですので

コメントお待ちしております。

使うと便利なマクロ機能

皆さん、突然ですがFemtetのマクロ機能を使ったことはありますか?
マクロ機能なんて知らないよという方や、知ってはいるけど何となく難しそうで使ったことが無いという方が多いのではないでしょうか。
今回はそのようなFemtetのマクロ機能を知らない方や、難しそうで敬遠されている方向けにFemtetのマクロ機能を紹介したいと思います。

Femtetで解析をしている時に複雑なモデルを作成するのに手間がかかったり、解析結果画面で多数の座標での結果を取り出してまとめる作業に苦労したといった経験がありますよね。
Femtetのマクロ機能を使うと、これらの手間のかかる操作を自動化して大幅に時間を省くことが出来るようになります。Femtetの画面上でできる操作はほとんどマクロ機能で実行することが出来るので、下図の例のようにExcelシートでモデルのパラメータを入力し複雑な形状のモデルを自動作成させたり、複数の座標での結果を自動で抽出してまとめるといった事が簡単にできます。
弊社のウェブサイトでは上記の例のようなマクロをサンプルとして複数公開しています(サンプルマクロのページはこちら)。マクロを動かすための簡単な準備をしていただければすぐに使用できるのでぜひ使ってみてください。

【例1】Excelでパラメータを入力しトロイダルコイルを作成する

【例2】計算結果ファイルから複数の座標の解析結果を取得する

ただ、マクロを作成するにはプログラミングの知識が必要になる為、敷居が高く感じてしまう方もいるかと思います。でもご安心ください。
Femtetには作業中のプロジェクトからマクロのコードを自動作成してくれる機能があります。自動作成されたマクロのコードをベースに、一部のパラメータを書き換えてモデルの形を変えてみるといった事が簡単にできるので、マクロのコードの書き方を学習していただく事が可能です。

【マクロファイルに出力メニュー】

また、Femtetのマクロ機能の使い方を学ぶことが出来るセミナーを年に2回開催しています。次回は11月の開催を予定していて、弊社のウェブサイトのセミナーお申込みページから申し込みが可能です。(マクロセミナーは有料セミナーになります。)
これからFemtetのマクロ機能を活用してみたい、プログラミングに不安があるので基本を学びたいという方はぜひ参加をご検討ください。