円柱らせんと多角柱らせん(磁場解析)

コイルやトランスの設計をおこなうときに、
FemtetではらせんコマンドをCAD機能として用意しております。
Femtetのユーザ様の多くは、実際の銅配線の断面形状が円となっている
「円柱らせん」を使用されることが多いです。
しかしながら、曲面を多用することでメッシュ生成に失敗することがあります。
今回はメッシュ生成の成功率が向上する「多角柱らせん」を
ご紹介いたします。

「円柱らせん」と「多角柱らせん」の違いはその名の通り、
断面形状が「円」か「多角形」であることです。
(今回は正六角形となるようにしています。)
曲面が減ることでメッシュ生成の成功率があがります。
さらに、多角柱らせんでは、「側面を平面化」というオプションがあり、
よりメッシュ生成の成功率の向上が見込めます。

実際に磁場解析例題11のモデルを2つのらせんモデルで描画しました。
見た目はたしかに「円柱らせん」のほうが、実際のモデルに近い感じがあります。

解析をおこなったメッシュを表示します。
Femtetは三角形や三角錐でメッシュを生成するため、
実際の解析では円柱らせんが多角柱らせんとして模擬されます。

電流密度分布とインダクタンス値をみると、ほぼ同等の結果が得られていることがわかります。
メッシュサイズをより細かくすることで両者はより漸近すると思います。

「こんな解析をするにはどうしたらいいの?」といったご意見お待ちしています。

差動線路の解析設定方法(電磁波解析)

伝送の高速化が進む中で、基板設計や高周波回路設計者にとって
課題となるのが「ノイズ」です。
ノイズに対する1つのアプローチとして、「差動伝送」技術があります。

Femtetの電磁波解析では差動線路解析に対応しております。
今回は差動線路の設定についてご紹介させていただきます。
解析条件の設定で、オプション設定-「・・・」をクリックし、
伝搬モード変換機能を使うにチェックを入れます。

ポートの設定画面で、差動ペアを組む設定をおこないます。
ここで、差動インピーダンスを設定します。

解析を実行し、結果表示画面で、フィールド表示-電流密度でモードごとに
電流の流れ方を確認していただくことができます。

ミックストモードのSパラをバランス変換不要で得ることができます。

差動線路の解析については、こちらからご覧いただくことができます。

「こんな解析をするにはどうしたらいいの?」といったご意見お待ちしています。