複数の電極がある場合の電場解析

概要:

電場解析で複数の電極を用意しそれぞれの電極間での容量を求める場合についてご紹介します。電極が複数ある場合はそれぞれの電極の境界条件名を別々にするだけで、それぞれの電極間の容量を計算することができます。例え同じ電位を与えた場合でも境界条件名が違う場合は違う電極として認識されます。例えば下図の例ではElectrode1, Electrode2の電位が同じ値1[V]に設定されていたとしても、境界条件名が違っているため、別の電極と認識され、Electrode1とElectrode2の間の容量値も出力されます。

model

それぞれの電極間の容量はマトリクス形式(表形式)でテーブルに出力されます。

table

電場解析では解析条件を選択する際に静解析(容量値)、静解析(抵抗値)、調和解析の3種類から解析内容を選択できますが、それぞれの解析内容に応じて出力される結果は以下のようになります。

  • 静解析(容量値) ⇒ 容量マトリクス
  • 静解析(抵抗値) ⇒ 抵抗マトリクス
  • 調和解析     ⇒ 容量/抵抗マトリクス

circuit

複数の音源に位相差を指定したい

概要:

音波調和解析では周波数を指定して解析しますが、複数の音源がある場合位相をずらして音波を放射させたい場合があります。このような場合にどのように設定するかをご紹介します。

方法1:境界条件で位相を設定する

境界条件「変位」「速度」「加速度」「音響インピーダンス」「圧力」で「位相」を指定して解析する事ができます。

pressure_phase

以下の図は二つの音源が管を伝って放射される解析事例ですが位相を90°ずらして放射しています。

contour_plot

方法2:フィールド表示でポート毎に重み指定をする

音波調和解析の場合材料は線形のためフィールドの重ね合わせを行う事ができます。つまり音源1と音源2があった場合、音源それぞれを振動させた結果を重ね合わせることで両方の音源が振動した結果を合成する事ができるということです。

解析手順としては「フィールド表示でポート毎に重み指定を可能にする」にチェックをして解析し、結果の表示で音源毎の重みと位相を設定することで任意の重みをかけ、任意の位相をずらした結果を合成できます。解析終了後に位相をずらすことができますので位相をずらした結果を複数用意したい場合等に毎回境界条件を変更して解析する必要がなく便利な手法です。

folding_setting1

folding_setting2

folding_setting3

 

共振解析の結果が「未収束」になる場合の対処方法について

概要:

共振解析では振動モード(変形形状)を表すために振動の様子を適切に表せるように、想定される波長の4~6等分程度にはメッシュを細かく切っておく必要があります。例えば以下のモデルは片方が固定されている片持ち梁なので、基本モードは梁が左右に揺れるモード(1/4波長)、となる、2次のモードは3/4波長となります。このように高次の振動モードを表すためには波長(周波数)に応じてメッシュを細かくする必要がでてきます。

求めようとしている共振モードに対して想定されるメッシュサイズが大きすぎる場合(すなわち求めたい共振モードの周波数が高く、波長が短いような場合)、共振モードをうまく求めることができず、モードタイトルに「未収束」と表示される場合があります。「未収束」の共振モード、共振周波数は解析精度が悪いため目安として採用出来る場合もありますが、基本的には結果は使用してはいけません。

model

対処方法:

振動モードが「未収束」となる場合の対処方法としては以下のような対策が有効です。

  • 振動を表せるようにメッシュを細かくする
  • 計算する共振モードの数を減らす(計算する共振モード数を減らすことで高次モードの計算数が減る)

計算例:

以下のようにメッシュを細かくすることで「未収束」のモードを無くすことができました。

coarse_mesh

dense_mesh

指と電極の間の容量計算

概要:

指と電極の間の容量値の計算を行います。指は導体と考えられますので、指の表面に電位境界(1[V])を設定し、電極についても同様に電位境界(0[V])を与えて解析を行います。指の形状や電極の形状は実際に合わせより複雑なモデルをご用意いただければさらに詳細な解析が可能ですが、今回は指も電極も単純な形状で解析を行っています。

 

model

解析結果:

解析結果の電位図(コンター図)、容量値は以下の図のようになります。容量値は「計算結果テーブル」を表示する事で取得する事ができます。

result