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定常場高速解析タブ

磁場過渡解析(Luvens)における定常場高速解析の条件を設定するタブです。

過渡解析において周期的な定常場を解析する際に、計算時間を短縮するための補正の設定です。

この補正を利用すると、定常状態になるまでの時間ステップ数を大幅に減少させることができます。

  • 回転機の計算においては、電源が電圧源の場合、コイル電流は最初過渡状態となり、
    定常状態になるには時間がかかります。(大きな時間ステップ数が必要)
    これを短縮するために利用します。

  • 電源が電流源の場合は、コイル電流は最初から定常状態ですので、利用する必要はありません。

 

 

[解析条件の設定]ダイアログに表示されます。ダイアログの表示方法は「解析条件の設定」を参照してください。

 

定常場高速解析とは 

渦電流場や外部回路連成の過渡解析において、定常解に収束するのに多大な時間ステップ数を要する場合に用いる補正機能です。

電気角をθとして

 F(θ+π) = -F(θ)

の半周期性を満たす定常場が解析対象であり、静止器や回転機の過渡解析において、広く適用可能です。

ただし、すべりが小さい(3%以下)誘導電動機への適用は概ね困難です。

なお、ここで補正対象の未知変数は、解析対象方程式において時間微分項をもつ変数になります。

 

利用可能な補正方法は以下のとおりです。

  • 簡易TP-EEC法

  • 3相交流簡易TP-EEC法(インバータ駆動モータ解析には必須)

  • 3相交流ETF法

 

磁界解析方程式では、渦電流領域内の未知変数(磁気ベクトルポテンシャルに関連する量)、

また回路連成解析の場合は、コイル電流が補正対象未知変数となります。

補正が利用可能な条件

以下の条件を全て満たす場合にのみ、利用可能です。

  • 解析対象が半周期性をもつ
    電気角をθとして F(θ+π) = -F(θ)
    ※回転機でも稀に半周期性を持たないものがあるため、注意が必要です。

  • 電流源もしくは電圧源が交流(cos波)で、周波数が全て等しく設定されている

  • 回転機解析の場合は、回転数が0でない

  • 過渡解析の時間ステップ幅が大きすぎない(周波数*時間ステップ幅が1.0以下である)

  • 過渡解析の時間ステップ幅が一定である

TP-EEC法とは

定常場を高速に求める方法として、TP-EEC法(Time-Periodic Explicit Error Correction Method)があります。

正規のTP-EEC法は非対称行列方程式を解く必要がありますが、より簡便な演算処理で近似的に計算できる簡易TP-EEC法が利用可能です。

 

補正式は以下の通りです。

  • 簡易TP-EEC法
    Xnew(t) = (Xold(t) – Xold (t–T/2))/2  ( T:時間周期 )

  • 3相交流簡易TP-EEC法
    Unew(t) = α(⊿U+⊿V+⊿W) –⊿W (α任意、典型値:1/2)

                        (⊿U, ⊿V, ⊿W:1/6周期後のU,V,Wの時間変動量)

 

各方法の特徴は以下のとおりです。

  • 簡易TP-EEC法
    半周期毎にしか補正できませんが、継続補正が可能でロバスト性が高いです。

  • 3相交流簡易TP-EEC法
    3相交流系において、1/6周期毎に補正が可能で、継続補正も可能です。
    しかし、6n±1次の高調波については妥当な補正ですが、6n±3次の高調波については補正効果はありません。(n:整数)

  • 3相交流ETF法
    3相交流ETF法で1/6周期よりも短い時間間隔(ユーザ指定)で補正可能です。

 

計算式の詳細は「定常場高速解析」を参照してください。

設定項目

解説

補正方法

補正が利用可能な条件

ページ上部にある「補正が利用可能な条件」をご確認下さい。

補正方法の選択

三相交流系で、電気角60度毎にUVWがシフト回転する系では、三相交流簡易TP-EEC法を選択します。

それ以外の半周期性をもつものは、簡易TP-EEC法を選択します。

それぞれの補正方法の詳細

補正なし

補正しないで通常の解析を実行します。

 

簡易TP-EEC法

簡易TP-EEC法で半周期ごとに補正します。

 

3相交流簡易TP-EEC法

3相交流簡易TP-EEC法で1/6周期ごとに補正します。

インバータ駆動モータ解析には必須です。

 

3相交流ETF法

3相交流ETF法で1/6周期よりも短い時間間隔(ユーザ指定)で補正します。

「解析機タブ」の回転移動で[運動方程式連成]が選択されており、かつ「運動方程式連成の設定」

[コイル電流が定常状態に到達してから運動連成]がチェックされている場合に利用できます。

補正パラメータ

 

補正回数

補正回数を指定します。

継続補正の場合、任意の負の値を指定します。

通常、余裕をみて6程度です。

  • 外部回路連成解析において、外部回路にダイオードのような非線形回路素子が含まれる場合には、継続補正で安定化させることが必要です。

 

補正準備開始までのステップ数

補正準備開始までのステップ数を指定します。

「解析機タブ」の回転移動で[運動方程式連成]が選択されている場合は、通常0を指定します。

 

休止時間ステップ数

前回の補正直後から次の補正準備計算を開始するまでの休止時間ステップ数を指定します。

渦電流計算の場合、補正後に落ち着いてから補正準備計算を開始した方が良いです。

特に誘導機の解析では重要で、誘導機の場合、正の値を入力します。

 

「解析機タブ」の回転移動で[運動方程式連成]が選択されている場合は、通常0を指定します。

 

回転機解析におけるロータのすべり因子

回転機解析におけるロータのすべり因子を[%]で指定します。

同期機の場合は0.0を入力します。

 

誘導機の場合はすべり因子3%なら3を入力します。
基本励磁周波数をf、 回転周波数をfrotとすると、下式となります。

( f - frot )/f

ここで、回転周波数frotは回転数frとは異なり、2N極の回転機において

frot = N×fr  ( r/min = 60×fr ) です。

 

補正する変数

 

導体およびコイル電流

時間微分項をもつ全導体領域の変数およびコイル電流の変数を補正します。

 

ステータ導体およびコイル電流(回転機の場合、通常はこちらを選択します)

時間微分項をもつステータ導体領域の変数およびコイル電流の変数を補正します。

 

ステータ導体のみ

時間微分項をもつステータ導体領域の変数のみを補正します。

 

ロータ導体のみ

時間微分項をもつロータ導体領域の変数のみを補正します。

 

コイル電流のみ

コイル電流の変数のみを補正します。

  • 補正の影響を受けるのは、時間微分項を有する変数のみです。
    すなわち、渦電流領域、および外部回路と連結しているコイル領域の変数およびコイル電流のみです。

  • 磁石モータ解析の場合、ステータ側は半周期境界条件が成立しますが、
    ロータ側は一周期境界条件しか成立しないので、ステータ側にのみ補正をかけることが多いです。

 

外部回路上のコイル名

 

3相交流ユニットのUコイル、Vコイル、Wコイルのそれぞれのコイルに割り当てる外部回路上のFEM素子のコイル名を選択します。