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多孔質体の設定

ここでは、流体解析の多孔質体の設定方法の考え方について説明します。

各設定項目の説明については「流体タブ」を参照してください。

1. 係数設定方法

多孔質体の設定には、1次式、2次式、べき乗、空隙率から計算の4つの設定方法があります。

この4つの方法のうち、「空隙率からの計算」は空隙率のみ入力することで解析を行うことができます。

この場合、多孔質体の係数は自動的に計算されます。

ただし、「空気領域に多数の粒子が入り込んでいる形状」を仮定した式(Ergunの式)を使用しているため、
それ以外の形状では適用することはできません。

 

ここでは、2次式の係数を求める方法を示します。1次式やべき乗についても同様の方法で求めることができます。

 

ここで使用しているプロジェクトファイルの取得(右クリックし、名前を付けてリンク先を保存してください。)

1.1 流速と圧力損失データ

係数を求めるには、流速[m/s]と圧力損失[Pa]、多孔質領域の板厚[m]のデータが必要となります。

以下の2通りの取得方法があります。

 

・実験による取得

・単位モデル解析による取得

 

ここでは、単位モデル解析による取得を紹介します。

1.2 単位モデル解析例

例として、穴あき多孔板モデルを多孔質体として使用する場合を考えます。

多孔板の形状は以下の通りとします。

 

穴半径:r = 2.5 [mm]

穴配置:正六角形

穴間隔:d = 2 [mm]

板厚:L = 2 [mm]

 

穴前後に生じる圧力損失を求めるための単位モデルを作成します。

ここで、厚みに対する流体領域の長さ:Rateとします。

流体領域(Rate)が小さいと圧力損失が変動するため、十分に大きい値を使用します。

ここではRate = 30 としてモデルを作成します。

外部境界条件を「スリップ壁」とすることで、単位形状の解析を行うことができます。

 

 

1.3 パラメトリック解析による流速-圧力損失データの取得

流速を変数「u」で定義することでパラメトリック解析を行うことができます。

 

以下のようにパラメトリック解析の設定を行います。

パラメトリック解析については、「パラメトリック解析」を参照してください。

 

スイープ設定:

 変数名:u

 タイプ:等間隔ステップ幅

 スタート値:1

 ストップ値:10

 ステップ:1

 

結果出力設定

 タイプ:計算値

 解析タイプ:流体解析

 モード:0:定常解析

 出力する値:圧力損失[Pa]

 境界条件:「Inlet」「Outlet」

 

パラメトリック解析により、以下の流速-圧力損失の結果が得られます。

 

1.4 Excelを用いた計算算出

1.3で取得した流速-圧力損失データが、徐々に傾きが大きくなっていく傾向にあるため、ここでは
圧力損失が流速の2次式で表されると仮定し、2次式の係数の取得を検討します。

ここではExcelを使用した方法を紹介します。

 

・2次式の係数は、流速と単位長さ当たりの圧力損失の関係であるため、圧力損失を板厚L = 2 x 10^-3 [m] で割ったdP/dLに換算します。

 

 

・流速と単位長さ当たりの圧力損失でグラフを作成し、近似曲線を表示します。

 

 

Excelの近似式の設定は以下のようにします。

 多項式近似:次数:2

 切片にチェック

 グラフに数式を表示するにチェック

 グラフにR-2乗値を表示するにチェック

 

・近似曲線に表示された数式から係数を読み取ります。

 

x^2の係数=1151.5が2次係数C2、xの係数=431.19が1次係数C1となります。

1.5 検証

単純な板形状に、算出したC1、C2をボディ属性「流体」で設定して解析を行います。

比較として、実際に板に穴が開いたフルモデルの解析を行います。

 

多孔板の場合、板厚方向のみ流速が発生し、それ以外の方向への流速は発生しないため、
板厚方向以外は、大きな値を入れます。ここでは100倍程度とします。

 

 

圧力損失結果の比較を行った結果を以下に示します。

多孔質体を使用した場合の圧力損失の結果がフルモデルに近い値になっていることが確認できます。