座屈解析
座屈現象
応力解析の座屈解析について解説します。
座屈とはある荷重において構造物の変形モードが不安定となって別の安定な変形モード(座屈モード)
に急激に移行する現象です。長い柱に圧縮の力がかかった場合などに発生します。
下図は周囲から均等に圧力がかかったペットボトルの座屈モード形状を示しています。
周囲からの圧力は均等ですが、座屈モード形状は非対称な形状であることが分かります。

線形座屈解析の固有方程式
構造物の座屈時においては剛性行列が非正則行列(特異行列)となるため行列式がゼロとなります。

したがって座屈解析では線形剛性行列Kと非線形剛性行列(幾何剛性行列)KGを算出し、上の固有値問題を解いています。
この固有値問題を解くことで、固有値と固有ベクトルが求められます。
固有値から算出されるλは座屈荷重係数であり、モデルに設定された荷重にこの係数を乗算したものが座屈荷重となります。
また固有ベクトルは座屈モードの形状に対応しており、変位フィールド(相対値)から確認することができます。
また、デフォルトでは求められる座屈モードの数は1つとなっていますが、「高度な設定」→「固有値解析の設定」
において1より大きいの座屈モード数を設定することができます。
なお、Femtetの座屈解析は線形座屈解析であり、座屈荷重係数や座屈モードを求めることはできますが、
座屈の発生する前後の挙動の解析には対応しておりません。
線形座屈解析の注意点
非線形剛性行列KGを算出するために、大変形(大変位)の非線形解析を行います。
この過程で、座屈荷重に近い荷重の計算は不安定になり、計算が収束しない、あるいは、正しい結果が得られないことがあります。
この場合、境界条件としてモデルに設定した荷重を小さくすることで対応可能です。
荷重を小さくした場合、結果として出力される座屈荷重係数は大きくなります。
例えば、荷重を1/10にした場合、結果として出力される座屈荷重係数は10倍になります。
また、座屈荷重に近い荷重の計算は不安定になるため、座屈荷重係数が1前後となる結果が得られた場合、
その結果はあまり信頼できる値ではありません。
この場合も境界条件としてモデルに設定した値を小さくすることで、信頼できる値を計算することができます。
参考文献:
「計算力学ハンドブック(I 有限要素法 構造編)」日本機械学会
K.J.Bathe "Finite Element Procedures in Engineering Analysis,(1982),Prentice-Hall


