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共振解析で算出される刺激係数と有効質量

共振解析の行列方程式

[K]は剛性行列であり、弾性定数はこの行列に反映されます。

[M]は質量行列であり、密度はこの行列に反映されます。

{u}は変位ベクトルであり、この方程式の未知数です。

ωは角周波数であり、これもこの方程式の未知数です。

この固有方程式を解くことで、固有値である周波数と、それに対応する固有ベクトルである

変位分布を知ることができます。

 

共振解析タブでモード数を複数に設定している場合、
その数に応じた共振周波数と固有ベクトルが計算されます。

 

固有ベクトルの正規化

共振解析により求まる各モードの固有ベクトル(変位分布)は、絶対値ではありません。

固有ベクトルを定数倍したベクトルも、上記行列方程式を満たす固有ベクトルになるため、

どちらも固有ベクトルとして正しい値です。

 

Femtetでは、以下の条件を満たすように、各モード毎に正規化した固有ベクトル(変位分布)を出力しています。

 

i はモード番号

Tはベクトル・行列の転置を表します。

刺激係数

算出された複数のモードそれぞれの加速度に対する応答性を評価する指標として、
刺激係数と有効質量があります。

 

上記の正規化が行われた固有ベクトルに対して、刺激係数は以下の式で求めることができます。

 

{1}は、すべての成分が1の、単位ベクトル

 

固有ベクトルには、x方向、y方向、z方向それぞれの方向の変位が含まれています。
単位ベクトル{1}の成分は、通常はすべての成分が1ですが、特定の方向の加速度に対する応答を評価する場合、
関係のない方向の成分はゼロにして刺激係数を計算します。

 

例えば、x方向の加速度に対する応答を評価する場合は、x方向の変位に相当する要素のみを1とし、
他の要素を0にした単位ベクトルを用いることにより、x方向の加速度に対する応答性を評価することができます。

Femtetでは、Ux方向、Uy方向、Uz方向の3つの方向に対する刺激係数を算出します。

 

Uは並進自由度を表す記号で、シェル要素で使われる回転自由度Rと区別するためについている記号です。

原理上は、シェル要素では、x、y、z軸を中心とした回転に対する応答性も見ることが出来ますが、

現在のFemtetでは、シェル要素を扱っている場合には、刺激係数と有効質量は求めることができません。

 

刺激係数の値が+の場合、加速を与えた方向と同方向に応答し、
値が-の場合、加速を与えた方向と逆方向に応答することを意味します。
また値が大きいほど加速に対して敏感に応答すると言えます。

 

有効質量・有効質量比

次に、刺激係数の大きさを示す量として有効質量があります。

正規化が行われた固有ベクトルに対して求めた刺激係数を用いて以下の式で表すことができます。

 

この有効質量の特徴として、考えられるすべての固有モードについて求められた有効質量をすべて足すと、
モデル全体の質量になるという特徴があります。

 

 

有効質量が大きい(モデル全体の質量近い)ほど、そのモードの振動が支配的になると言えます。

このため、有効質量をモデル全体の質量で割った有効質量比を見ることで、各モードの寄与率を確認することができます。

 

また、累積有効質量を以下のように定義します。
累積有効質量は、i番目のモードまでの有効質量を足した値になります。
これは、モデル全体の質量よりも小さい値になりますが、累積値がモデル全体の質量に近い場合は、
主要なモードが得られているかどうかの指標とすることができます。

累積有効質量も、モデル全体で割った累積有効質量比を見ることで、寄与率を確認することができます。

 

有効質量比・累積有効質量比を使用した評価例を例題14 カンチレバーの共振解析に示していますので、
参考にしてください。