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磁場静解析で求解している微分方程式



H : 磁界
B : 磁束密度
J : 電流密度
μ: 透磁率
磁場静解析(Gauss静解析)においては、与えられた電流密度Jと境界条件を前提として、(1b)(2a)(3)式を満たす磁束密度B,磁界Hが求められます。
上記4式の内容は下記の通りです。
(1b)式 : アンペールの法則 (※)
(2a)式 : 磁束保存の法則
(3)式 : 透磁率μの構成材料の中で成立する磁束密度Bと磁界Hの関係式
※
アンペールの法則の厳密な表現は下記(1a)となりますが、静解析すなわち定常解析においてはdD/dt=0となるため、(1b)式が成立します。

B : 磁束密度
μ: 透磁率
D : 電束密度
J : 電流密度
求解する支配方程式
実際にはGaussソルバは(1b)(2a)(3)式を直接解いているわけではありません。
下記(2b)式で定義される磁気ベクトルポテンシャルAに関する微分方程式に書き換えて求解を行っています。

B : 磁束密度
A : 磁気ベクトルポテンシャル
磁気ベクトルポテンシャルAを用いて磁束密度Bを表現することにより、磁束保存の法則(2a)は自動的に満たされます。
したがって、(1b)(3)式を磁気ベクトルポテンシャルAを用いて書き換えることによって得られる下記(4)式が求解の対象となる支配方程式になります。

A : 磁気ベクトルポテンシャル
J : 電流密度
μ: 透磁率
Gaussソルバは(4)式を解くことで磁気ベクトルポテンシャルAの空間分布を求め、得られたAから、(2b)式を用いて磁束密度Bの空間分布を求め、さらに(3)式に得られた磁束密度Bを代入することで磁界Hを求めています。
支配方程式である(4)式を与えられた境界条件の下で解きますが、主な境界条件の取扱いは下記の通りです。
磁気壁 : 磁束密度Bは磁気壁に対して直交する。磁束密度Bと磁気壁法線ベクトルnは同方向もしくは逆方向。
電気壁 : 磁束密度Bは電気壁と平行になる。磁束密度Bと電気壁法線ベクトルnは直交(B・n=0)。
< 補足① >
電流密度分布Jはユーザーに付与いただきますが、Jの空間分布を全て明示いただくわけではありません。
付与いただいた条件から、静電場解析とほぼ同様のアルゴリズムを用いてJの空間分布を決定し、それを(4)式の右辺として与えています。
< 補足② >
(1b)式を考えると、∇・J=0が「解が存在する必要条件」になっています。
しかしながらGaussソルバはヌルベクトル処理という数理処理を用いることで、∇・J≠0というJが与えられた場合でも、近似解を導きます。
∇・J=0が成立する場合、すなわち解B,Hが存在する場合、Gaussソルバはその解を求めます。
< 補足③ >
構成材料の中に磁石が含まれる場合、磁石の中においては(3)式の代わりに下記(3')式が使用されます。
またその結果として、磁石の中の支配方程式としては(4)式の代わりに下記(4')式が使用されます。


μ0 : 真空の透磁率
M : 磁化


