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導体ボディの取り扱い
1. 概要
材料定数の導電率で、導体、多層電極または完全導体を指定したボディを、導体ボディと呼びます。ただし多層電極は電磁波解析でのみ利用可能です。
導体の性質を適切に解析に反映させるため、導体ボディは以下のように、解析に応じて取り扱いが異なります。
2. 電界解析(Coulomb)
(1)静解析(容量値)
2. 電界解析(Coulomb)
(1)静解析(容量値)
メッシュ分割時に、ボディの境界と内部には“RESERVED_volt_ボディ属性名_連番”の境界条件浮き電極が設定されます。ここでの”連番”はボディ毎に与えられた番号です。接する導体ボディの電位は一定で、離れた導体ボディの電位は通常異なります。離れた導体ボディを、同電位として扱うには、同一の名前の境界条件浮き電極を、同電位にしたい複数の導体ボディに設定してください。
(2) 静解析(抵抗値)
導体ボディ内部の電位を解析します。従ってボディ属性の電極で電圧を指定できません。
(3) 調和解析
完全導体の場合は静解析 (容量値)と同じですが、そうでない場合は境界条件は設定されず、ボディ内部も解析します。
3. 電磁波解析(Hertz)
電磁波は、周波数が低いと導体内部に侵入できますが、周波数が高くなるにつれて導体内部で、
急速に減衰するようになります。このように周波数が高く、電磁波が導体内に少ししか侵入できない場合、
Hertzでは導体の境界条件を使って精度良く解析することができます。逆に周波数が低い場合には、
導体内部も解析する必要があるので境界条件は使えません。そこでFemtetのメッシュ生成モジュールは、
周波数やモデルの情報から、必要に応じて導体の境界条件を生成します。解析条件やボディの種類によって
処理が異なるので、場合わけして以下に説明します。
多層電極の場合は、導体と異なり、常に境界条件を生成します。
完全導体の場合は単純で、その表面で電界の接線成分がゼロになり、内部では電界がゼロとなります。
以下は導電率を与えた導体の扱いについて述べます。
(1) 3次元解析で導体がソリッドボディの場合:
周波数が高くなり、導体ボディの厚み[注1]が表皮厚さの2倍以上になると、境界条件を自動的に設定します。
表皮厚みを算出する周波数は“参照周波数”で指定した周波数を用います。
メッシュ分割後に、導体ボディ内部に“RESERVED_zero”の境界条件を設定して、電磁界をゼロにします。
また、このボディと接するボディの境界に“RESERVED_impedance_材料名”の導体壁境界条件を設定します。
ボディが薄い場合は、境界条件は設定せず、内部も解析します。
“RESERVED_impedance_材料名”の導体壁境界条件が設定される場合、同時に"RESERVED_dual_ボディ属性名"の
シートボディが生成されます。これは電流分布を導体表面に描く目的で生成される要素になります。
多層電極の場合は無条件に境界条件を設定します。これは、導体が境界条件を設定するときの動作と同じ
です。ただし、設定する境界条件の名前は、"RESERVED_multilayer_材料名"となります。
完全導体の場合は、導体ボディの内部と境界に“RESERVED_zero”の境界条件を設定します。
このように境界条件を生成する機能は、「解析条件の設定ダイアログ」の周波数依存メッシュの設定で、
“表皮厚みより厚い導体ボディを境界条件とする”をチェックしている場合(デフォルト)に有効です。
(2) 3次元解析で導体がシートボディの場合:
解析条件の電磁波解析タブのオプション設定にある[面(辺)電極の厚みを考慮する]にチェックがない場合:
面に導体境界条件を付けた場合と、同等の解析をおこないます。
解析条件の電磁波解析タブのオプション設定にある[面(辺)電極の厚みを考慮する]にチェックがある場合:
導体内部の電磁界を厚みを考慮して解析します。
詳しい説明は、 「薄膜電極要素について」を参照ください。
(3) 2次元導波路解析で導体がシートボディの場合:
(1) で説明した3次元解析で導体がソリッドボディの場合と同様の扱いとなります。
(4) 2次元導波路解析で導体がワイヤボディの場合:
(2)で説明した3次元解析で導体がシートボディの場合と同様の扱いとなります。
(5) 2次元または軸対称共振解析解析で導体がシートボディの場合:
(1) で説明した3次元解析で導体がソリッドボディの場合と同様の扱いとなります。
(6) 2次元または軸対称共振解析解析で導体がワイヤボディの場合:
この解析は、ワイヤボディに未対応です。
[注1]ボディの厚みは、体積を表面積で割った値で近似しています。
4. 磁界解析(Gauss)
(1) 静解析
境界条件は設定せず、ボディ内部も解析します。
(2) 調和解析
周波数が高くなり、導体ボディの厚み[注2]が表皮厚さの2倍以上になると、
「メッシュの設定」の[導体表面処理タイプ]の設定により以下の処理を行います。
表皮メッシュを生成する
導体の表面に、薄いメッシュ(表皮厚み)が生成されます。
表皮厚みは参照周波数から計算します。
表面インピーダンス境界を適用する
導体の表面に表面インピーダンス境界を自動設定して解析します。
導体ボディ内部は解析しません。
表皮厚みは参照周波数から計算します。
具体的な処理
表面に“RESERVED_impedance_材料名”の表面インピーダンス境界条件を設定し、”RESERVED_dual_ボディ属性名”のシートボディを作成します。このシートボディは、導体上の損失計算に利用されます。
また、導体ボディ内部に“RESERVED_zero”の境界条件を設定して、磁界をゼロにします。
ボディが薄い場合は、境界条件は設定せず、内部も解析します。
完全導体の場合は、導体ボディの内部と境界に“RESERVED_zero”の境界条件を設定します。
(3) 過渡解析
周波数が高くなり、導体ボディの厚み[注2]が表皮厚さの2倍以上になると、
「メッシュの設定」の[導体表面処理タイプ]の設定により以下の処理を行います。
表皮メッシュを生成する
導体の表面に、薄いメッシュ(表皮厚み)が生成されます。
表皮厚みは参照周波数から計算します。
[注2]ボディの厚みは、体積を表面積で割った値で近似しています。


