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開放境界に起因する電磁界の誤差を補正する機能

電磁波解析において精度よく開放空間を解析するためにはアンテナの周りに少なくとも波長の1/4程度の空気領域が必要となります。しかし、低周波では波長が

長くなるため必要な解析空間が広くなり、それをFemtet®で解析するのは難しくなります。このような場合には開放境界に起因する電磁界の誤差を補正する機能

を使用することでアンテナ周りの空間が狭くとも精度よく電磁界を求めることができます(参考文献[1], [2])。

 

電磁波解析の指向性-周辺電磁界の機能では解析結果をもとに解析領域外の電磁界を求めます。一方、この開放境界に起因する電磁界の誤差を補正する

機能では、解析結果をもとに解析領域内の電磁界を補正することでより精度の高いフィールド結果を得ることができます。以下ではその効果をモノポールアンテナ

モデルを使って示します。

 

 

        図1.モノポールモデル            図2 広い空間中においたモノポールアンテナの作る電磁界             

 

 

 

解析モデルは、図1に示したようなモノポールアンテナです。板状の電気壁(GND)の上に線状のアンテナを置いています。アンテナとGNDの間に給電点(ポート)が

あります。図2は図1のモノポールアンテナを広い空間に置いて解析した結果で電界の等高面コンター図になります。

 

 

     図3 アンテナの近くに開放境界がある場合の             図4 図3で示した電磁界を本機能で補正した

         電磁界(青線は開放境界を示す)                      電磁界

            

 

 

図3はアンテナ周りの空気領域が狭く、開放境界条件が課された箇所とアンテナが接近したときの解析結果です。等高面コンター図における等高線がアンテナの

上側が図2では閉じていますが図3では開いており正しく電磁界を求められていないことがわかります。Femtet®の開放境界は平面波のインピーダンスを設定する

ことで実現していますが、この方法だと開放境界とアンテナが近い場合には開放境界が適切に設定できないため図3のような結果となります。図4は、図3の結果を

本機能で補正することで得られる電磁界のコンター図となります。図2に近い電磁界が得られており、開放境界とアンテナが近い場合において本機能により電磁界

が正しく補正されていることがわかります。

                

 

  • 利用方法:”例題37 電磁界補正” をご確認ください。
  • 注意:誘電体、磁性体の内部までは補正できません。
  • 注意:Sパラメータ、入力インピーダンスの補正は出来ません。

  • 補正の計算に時間がかかります。補正するボディは、最小限にしてください。

  • 開放境界近傍の補正は、精度が悪いです。ご了承ください。

 

[参考文献]

[1]等価定理による摂動近似 ~高周波3次元問題への適用~ 菅原賢悟 信学技報 EST2015-60

[2]Kengo Sugahara

Perturbation approach for open boundary problems based on the equivalence theorem Date of Conference: 8-11 Aug. 2016 Date Added to IEEE Xplore: 10 November 2016 https://ieeexplore.ieee.org/abstract/document/7735020/