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積層メッシュ作成時の注意点

通常は適切な積層メッシュを生成することで、流体解析/熱流体解析の収束性や精度が向上しますが、積層メッシュの状態によっては、収束性や精度が悪化する場合があります。

ここではその原因と回避方法について説明します。

1.積層中止箇所について

局所的に積層メッシュが生成できない場合があります。

ここではその原因と回避方法について説明します。

1.1 積層中止箇所

局所的に積層メッシュが生成できない場合があります。

積層中止箇所近傍では、質の悪いメッシュが生成されやすいため、収束性低下の原因になることがあります。

積層中止箇所に関するワーニングが表示されますが、計算は実施されます。

 

 

モデルウィンドウで積層中止箇所を確認することができます。

 

 

解析結果でメッシュの積層中止箇所を表示することでも積層中止箇所を確認することができます。

 

1.2 局所的に積層メッシュが生成できない状況の回避方法

局所的に積層メッシュが生成できない場合、二つの原因が考えられます。

原因については、出力ウィンドウで確認することができます。

 

①法線方向ベクトルが原因の積層中止箇所

特定の点で流体内部を向く法線方向が一つに決まらないことが原因になっています。

以下のように、板が二つの支柱で支えられているモデルの回りの流れを計算する場合を例に説明します。

 

支柱と板の接触する箇所の点が積層中止箇所となります。

積層中止箇所を含む面の法線の中で、下図の赤線で示した面(支柱の上面)の法線と、水色破線で示した面(板の裏面)の法線が逆方向を向いていることがわかります。

逆方向の法線を持つため、流体内部に向かう法線方向が見つけられず、積層メッシュを生成することができません。

 

 

回避する方法の一つとして、支柱部と板の接触部に流れに影響が出ない程度に小さいボディを追加することがあげられます。

以下に2つの例を示します。

 

例1:点を囲むようにボディを追加する

 

 

上向き法線、下向き法線を含む点の位置がずれるため、法線方向の重複を避けることができます。

 

例2:点に接するようにボディを追加する

 

下向き法線を含む点の位置がずれるため、法線方向の重複を避けることができます。

例1と比べてこちらの方がモデル修正は容易です。

②積層高さ調節が原因の積層中止箇所

積層高さ調節の結果、積層高さが極端に低くなった場合、積層を中止します。

こちらもワーニングが表示されます。

 

回避する方法としては、極端に狭い隙間などが原因となっている可能性が高いため、
モデルを確認して修正することが挙げられます。

2. 特殊な流入出面について

積層メッシュを生成する際の面の分類と積層メッシュ生成におけるそれぞれの面の扱いについて説明します。

特殊な流入出面の周辺では、メッシュの質が悪くなることで、収束性や精度が低下する場合があります。

2.1 面の分類

積層メッシュを生成する際、以下の3つに分類し、積層メッシュを生成します。

 

分類
分類条件
生成方法

壁面

・流体表面の壁境界

面から流体内部へ積層メッシュを生成

流入出面

・流体表面の流れ境界
・流体/流体境界
・壁境界で積層メッシュを生成しない設定を行った境界

上記のうち、流体領域に対して凸面に存在する場合

積層メッシュを生成しない

特殊な流入出面

・流体表面の流れ境界
・流体/流体境界
・積層メッシュを生成しない設定を行った境界

上記のうち、流体領域に対して凹面に存在する場合、フラットな面に存在する場合

面内を積層メッシュで細分化し、
その後、面から内部へ積層メッシュを生成

 

特殊な流入出面の例を示します。

 

番号
分類
分類条件

1,2,6

流入出面

・流体表面の流れ境界(流入境界)

・流体領域に対して凸面

3

特殊な流入出面

・流体/流体境界

・右側の流体領域に対してフラットな面

4

特殊な流入出面

・流体表面の流れ境界

・右側の流体領域に対してフラットな面

5

特殊な流入出面

・流体表面の流れ境界

・右側の流体領域に対して凹面

7

流入出面

・流体/流体境界

・両側の流体領域に対して凸面

8

流入出面

・流体表面の流れ境界(流出境界)

・流体領域に対して凸面

9

流入出面

・壁境界(スリップ壁)
・積層メッシュを生成しない設定を行った境界
・流体領域に対して凸面

 

2.2 特殊な流入出面の回避方法

特殊な流入出面周囲で、メッシュの質が悪くなることで、収束性や精度が低下する場合があります。

以下に回避方法の例を示します。

 

・上図の3のように、流体/流体境界がフラットな面になっている場合

ボディ同士を結合し、流体/流体境界をなくします。(図の1のような状態になります)

 

・上図の4のように、流体表面がフラットな面になっている場合

流入出面を流体の外側に押し出して、その表面に境界条件を設定します。(図の1のような状態になります)

 

・上図の5のように、流体表面が凹面になっている場合

内側に折り返すような形状(上図の6のような状態)に変更し、折り返した表面に境界条件を設定します。