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接触解析の設定
接触解析ではあらかじめ接触境界のペアが設定されたボディ同士が接触したかどうかを判定します。
具体的にはボディ同士のめり込みが発生したかどうか?を判定しますがこの判定のことを接触判定と呼びます。
接触判定された部位にはボディ同士のめり込みが発生しないように接触力が発生します。
Femtetには接触判定を自動的に行う機能が実装されていますが、想定外のケースにおいては
正常な接触判定(ボディ同士のめり込みの検出)に失敗するケースがあります。
この場合は以下の[接触解析の設定]の設定値を変更することで接触判定を成功させることができます。
具体的な設定値とそれらをどのような場合にどのように変更するとよいのかを以下に説明します。

[接触解析の設定]では以下の設定が可能です。必要に応じて設定を変更することが可能です。
はみ出し接触判定範囲
ほぼ同じサイズのボディの面同士が接触する場合や対称境界を利用した接触解析モデルで、
対称境界面上に接触表面のペアの境界が接している場合やなどにおいて、
接触面の節点が被接触面からはみ出すことによって、接触解析の収束が不安定となる場合があります。
これを避けるため多少のはみ出しや接触面同士のずれがあっても接触していると判定し、
接触状態を維持する許容範囲として「はみ出し接触判定範囲」を設定することができます。
はみ出し接触判定範囲は以下のようなケースで接触判定を安定化できます。
下図ではほぼ同じサイズのボディの面同士が接触します。仮に接触面の付与されたボディが被接触面の
付与されたボディよりも柔らかい材料であるとします。
2つのボディが接触すると接触面が設定されたボディがポアソン効果によって接触面の接線方向に
引っ張られる方向に変形することで縁端部の接触面の節点が被接触面からはみ出します。赤矢印で示した節点です。
本来の接触判定の処理ではこのはみ出した節点は「接触していない」と判定しますが、これによって
ボディ同士のめり込みや全体のつり合いの乱れによって接触解析が不安定となることがあります。
このような場合に、はみ出し接触判定範囲の数値を適切に設定することで、厳密にははみ出していますが、
接触状態を維持することができ、結果的に接触解析が安定します。

はみ出し接触判定範囲はどの程度まで被接触面から接触面の節点がはみ出した場合でも接触状態であると判定する
しきい値であり、は0から1の間で設定できます。
はみ出し接触判定範囲の値が1の場合、2次要素の場合で被接触面の要素の一辺の半分までのはみ出しを許容します。
初期値は0.01としていますが、はみ出し接触によって不安定となった場合はこの値を大きく(例 0.1など)設定してください。
貫通接触判定範囲
被接触面が設定された面に対して、接触面が設定された節点のめり込みの距離(=貫通距離)が検出された場合、その部位は
接触したと判定され、この判定のこと貫通接触判定と呼びます。
ただし、以下のような位置関係の場合、貫通接触しているかどうかの判定結果は前ステップでの位置関係によって変わります。
例:板の下にボールがある状態

2つボディの位置関係が以下の左図のような変化をたどっているのであれば貫通接触しているとは判定できませんが、
右図のような位置関係の変化をたどっている場合は貫通接触をしていると判定できます。

Femtetでは上記のような貫通接触の判定を自動的に行っており、基本的には設定を変更する必要はありません。
ただし、想定外のボディの移動などがあり貫通接触の誤判定によって接触解析が収束しない場合や
発散した結果の変位図が現実的でない場合は以下の要領で貫通接触判定範囲を手動設定してください。
貫通接触判定範囲は初期値としては負の値が設定されており、この場合は上記の自動判定が実施されます。
貫通接触判定範囲を手動設定する場合は正の値を設定します。この値が貫通接触判定にどう影響するのかを
以下に説明します。
接触解析ではペア設定されている接触面と被接触面の位置関係を調べ、被接触面の法線方向とは逆向きの方向に
接触面が存在する場合、その距離が貫通接触判定範囲より小さい場合「貫通接触している」と判定し、
逆に、その距離が貫通接触判定範囲よりも大きい場合は「貫通接触していない」と判定します。
したがって下図の位置関係の場合、貫通接触判定範囲を赤矢印の長さ以上に設定すると「貫通接触している」と判定され、
貫通接触判定範囲を青矢印の長さ以下(かつゼロ以上)に設定すると「貫通接触していない」と判定されます。

ただし、貫通接触判定範囲を極端に小さく設定すると接触状態であると判定するべきケースで誤判定が発生し、意図とは
異なる結果が得られる場合がありますので注意が必要です。特に未接触状態から接触状態に至るステップの反復計算の
初期段階においては、接触面が被接触面にめり込んだ状態から反復計算がスタートしますので、予想されるめり込み量に
対して貫通接触判定範囲は大きい値を設定しておく必要があります。
接触解析において、接触状態に至っていないと想定されるステップで接触点数が1以上となって、収束に至らない場合は
想定外の接触判定が発生している可能性がありますので、この貫通接触判定範囲を設定することで収束性を改善する
ことができる可能性があります。
基本的にはデフォルト値(負の値)から変更する必要はありません。
(Ver2019.0より貫通接触判定範囲がデフォルト値の場合に上記ケースについては貫通接触状態と判定しないように改善されています)
接触節点番号情報をログ出力
接触解析においては「接触状態である」と判定された接触面上の節点の数がログ出力されますが、このオプションをオンとすることで
接触状態になっている節点番号情報も出力されます。この情報を元に接触状態をより詳細に把握することができます。


