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特性インピーダンス補正係数の決め方

対称性を利用した解析を行うときには、対称モデルであることを考慮して特性インピーダンスを計算するために、
特性インピーダンス補正係数に正しい値を設定する必要があります。
ここでは、特性インピーダンス補正係数の決め方を説明します。

全体モデル

ポート

全体モデルのポート

電圧[V]

V

特性インピーダンス[Ω]

Z0

入力電力[W]

P

特性インピーダンス補正係数

1(補正なし)

まず、全体モデルのときのポートを考えます。
ポートへの入力電力がP[W]、ポートの特性インピーダンスがZ0[Ω]のとき、
積分路に沿って電界を積分すると、電圧がV[V]であったとします。
PZ0Vの間には、

P = V2/(2Z0)   ・・・(1)

の関係が成り立ちます。

全体モデルのときは特性インピーダンスを補正する必要はなく、
特性インピーダンス補正係数は1です。

なお、Femtetでは、全体モデル・対称モデル関わらず常に P = 1 で、
解析条件で設定する入力電力は、特性インピーダンスを計算する段階では考慮されていません。

対称モデル

 

 

1/2モデルA

1/2モデルB

1/4モデル

対称モデル

ポート

1/2モデルのポート


1/2モデル

1/4モデル

電圧[V]

V'

V''

V'''

特性インピーダンス[Ω]

Z'0

Z''0

Z'''0

入力電力[W]

P

P

P

全体モデル

ポート

1/2モデルのポートを全体モデルに直したときのポート

全体モデル

全体モデル

電圧[V]

2V'

V''

2V'''

特性インピーダンス[Ω]

Z0

Z0

Z0

入力電力[W]

2P

2P

4P

特性インピーダンス補正係数

2

0.5

1(補正なし)

次に、1/2モデルを作成し、ポートが上の表の“1/2モデルA”のように縦に半分になった場合を考えます。
この1/2モデルのポートの特性インピーダンスをZ'0[Ω]、
積分路に沿って電界を積分した電圧をV'[V]とします。
解析では、この半分のポートに、全体モデルと同じくP[W]の電力が入力されるとして計算します。
このときのPZ'0V'の関係は、

P = V'2/(2Z'0)   ・・・(2)

です。

1/2モデルを全体モデルに直して考えると、特性インピーダンスはZ0[Ω]のはずであり、
このポートに2P[W]の電力が入力されることになります。
このとき、積分路に沿って電界を積分した電圧は2V'[V]で、

2P = (2V')2/(2Z0)   ・・・(3)

の関係が成り立ちます。

(2)式と(3)式から、

Z'0 = Z0/2   ・・・(4)

という関係が導けます。
このことから、1/2モデルを作ってポートが“1/2モデルA”のように切断された場合は、
計算される特性インピーダンスZ'0は本来の特性インピーダンスZ0の1/2倍になることがわかるので、
特性インピーダンス補正係数として2を設定し、本来の特性インピーダンスを求める必要があります。

 

次に、1/2モデルを作成し、ポートが上の表の“1/2モデルB”のように横に半分になったとします。
この1/2モデルのポートの特性インピーダンスをZ''0[Ω]、
積分路に沿って電界を積分した電圧をV''[V]とします。
解析では、この半分のポートに、全体モデルと同じくP[W]の電力が入力されるとして計算します。
このときのPZ''0V''の関係は、

P = V''2/(2Z''0)   ・・・(5)

です。

1/2モデルを全体モデルに直して考えると、特性インピーダンスはZ0[Ω]のはずであり、
このポートに2P[W]の電力が入力されることになります。
積分路に沿って電界を積分した電圧は変わらずV''[V]なので、

2P = V''2/(2Z0)   ・・・(6)

の関係が成り立ちます。

(5)式と(6)式から、

Z''0 = 2Z0   ・・・(7)

という関係が導けます。
このことから、1/2モデルを作ってポートが“1/2モデルB”のように切断された場合は、
計算される特性インピーダンスZ''0は本来の特性インピーダンスZ0の2倍になることがわかるので、
特性インピーダンス補正係数として0.5を設定し、本来の特性インピーダンスを求める必要があります。

 

最後に、1/4モデルを作成し、ポートが上の表の“1/4モデル”のように4分の1になったとします。
この1/4モデルのポートの特性インピーダンスをZ'''0[Ω]、
積分路に沿って電界を積分した電圧をV'''[V]とします。
解析では、この4分の1のポートに、全体モデルと同じくP[W]の電力が入力されるとして計算します。
このときのPZ'''0V'''の関係は、

P = V'''2/(2Z'''0)   ・・・(8)

です。

1/4モデルを全体モデルに直して考えると、特性インピーダンスはZ0[Ω]のはずであり、
このポートに4P[W]の電力が入力されることになります。
このとき、積分路に沿って電界を積分した電圧は2V'''[V]で、

4P = (2V''')2/(2Z0)   ・・・(9)

の関係が成り立ちます。

(8)式と(9)式から、

Z'''0 = Z0   ・・・(10)

という関係が導けます。
このことから、1/4モデルを作ってポートが“1/4モデル”のように切断された場合は、
計算される特性インピーダンスZ'''0は本来の特性インピーダンスZ0に等しいことがわかるので、
特性インピーダンス補正係数は1とし、補正する必要はありません。