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アダプティブメッシュ

1.概要

電界や応力などが集中したり、急激に変化するところは要素を細かく分割する必要がありますが、これを自動的に行うのをアダプティブメッシュです。

一般に、アダプティブ法には、次の3種類の方法がありますが、Femtetにはh法が実装されています。

p法: 内挿関数の次数を上げる

r法: 節点の位置を移動する

h法 : メッシュを細かく分割する

 

2.原理

まず、初期のメッシュを用意し、そのメッシュで有限要素法の計算をします。その結果から誤差を評価し、誤差の大きい要素を細分化します。

さらに、その細分化したメッシュで計算し、誤差を評価します。この操作を、必要な回数繰り返します。

さて、これを実行するためには、細分化の方法、誤差の計算および反復の停止基準の3つを決める必要がありますが、それについて説明します。

 

 

(1)細分化の手順

上段に示す電界計算で説明します。この例では、電極の端で強い電界が発生し、その点を含む要素で誤差が大きくなります。

中段の赤い色で示すようにその4つの要素をそれぞれ4分割して細分化します。また節点の連続性を保つために、青で示した要素は2分割します。

さらに、電界計算をして誤差を評価すると、やはりまだ端の誤差が大きいので、下段のようなメッシュ分割が得られます。

細分化する要素の割合が「要素増加率」であり、1回の反復で全体の要素の何%を細分化するかを指定します。

大きな値を設定すると一回の反復で増加する要素が多くなり、100%にすればすべての要素が細分化されます。

(2)誤差

要素AとBの境界Cにおいて、要素AからBに流れるエネルギーは連続であり、本来、その差はゼロですが、実際は誤差により連続とはなりません。

ここに注目し、境界におけるエネルギーの不連続性を誤差の評価に使用し、これが大きい境界を細分化していきます。

(3)停止基準

要素誤差エネルギーをすべての要素で加え合わせると、全体の誤差エネルギーが計算できますが、この誤差エネルギーを停止基準に使用し

ます。この値が、アダプティブメッシュの設定ダイアログで指定した「精度」以下になったときに反復を終了します。

ただし、それまでに、反復回数が「最大反復回数」に到達した場合は、その地点で反復を終了します。

なお、収束を判定する物理量は、誤差エネルギーの他にSパラ、容量、インダクタンスなど、解析内容に応じて選択することもできます。

3.計算例

応力解析の結果を数に示します。赤い部分が応力の強いところですが、その部分のメッシュが次第に細かくなっていく様子がうかがえます。

 

4.アダプティブメッシュを曲面上に作成しない場合

アダプティブメッシュを曲面上に作成しないオプションを使用した場合、アダプティブメッシュは初期メッシュで使用した多面体(平面)上に

メッシュが作成されます。形状誤差が小さくなりませんので推奨しませんが、アダプティブメッシュに失敗した場合や、過去との互換性を

を持たせる時に使用します(Ver2022.1以前は曲面上に作成できませんでした)

 

下図は曲面に作成しない場合の例で、中段が初期メッシュ、下段がアダプティブメッシュですが、穴は8角形のままで円に近づきません

 

 

 

参考文献

神谷紀生, "ソフトウェアの誤差評価とアダプティブ要素", コンピュートロール, コロナ社, 1993