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PML
1.概要
PMLとはPerfect Matched Layerの略で、日本語では完全整合層と呼ばれています。解析領域の周囲
に電磁波を完全に吸収することのできる、PMLと呼ばれる領域を作成し、開放空間と同等の状態を実現
する方法です。対応しているのは、以下の解析です。
・Hertz3次元調和解析
・Rayleigh 3次元調和解析
・Rayleigh 2次元調和解析(2次元断面)。
2.PMLを用いた解析
①解析条件の開放境界タブで、PMLを選択します。
②解析領域の周囲に境界条件をつけ、開放境界条件を指定します(図1,赤線)。
ただし境界条件を指定する面は、x,y,z軸のいずれかに垂直な面でなければなりません。
③メッシュ生成のコマンドを実行すると、Femtetは開放境界条件を指定した面の周りに、自動的にPML
を作成します。また開放境界条件を指定した面が他の境界条件に接している場合は、その境界条件を
PML上にも適用します。結果フィールドの表示を行うと、PMLを実際に見る事ができます。
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| 図1 解析領域にPMLをつけた状態 |
3.電磁波解析におけるPML
x軸に垂直な面を持つPMLに対して説明します。斜めから進入する平面波に対して整合が取れ、しかも
PML内で電磁波が減衰するように、式(1)で示した材料定数を指定しPMLを実現しています。
この場合、PML内での伝搬定数は β=k0*d(1-j) となります。PMLの外側は磁気壁になるので、そこでは
完全反射されて、また解析領域に電磁波が戻ろうとしますが、dを適当に選べば、PMLに反射してくる電磁波
の量を制御する事ができる.FemtetではPMLの厚みを考慮し,解析領域に戻ってくる電界の振
幅が100分の1になるようにdを決めています。従ってPML内では電磁波の振幅が1/100に減衰し、
そこに約0.7波長が含まれる事になります。
(係数dは次のように求められる。 d = -ln(0.01)/(2L*k0) ただしLはPMLの厚み[m],
またPML内の波長は、2L*Re(β)/(2π))
[参考文献]
Quick Finite Elements for Electromagnetic Waves , Artech House
by Pelosi, G., Coccioli, R. and Selleri, S., 6 Scattering and Antennas
4.圧電解析におけるPML
PML領域において振幅は指数関数的に減衰します。
u(x) = u0 exp[-cβx]
u:変位振幅 u0:PMLと解析領域の境界における変位振幅
c:減衰係数 β:波数[rad/m]
x:解析領域からPML内に入った距離
圧電解析では3つのパラメータ(厚み、減衰係数(c)、波長(λ))の入力が求められます。波数と波長には
β = 2 π/λ
の関係がありますので、波長が短ければ減衰が大きい事が分かります。
3つのパラメータの決め方を説明します。まず、初期値(厚み=0.3,減衰係数=1.0、波長=0.0)で解析を
実施し、波長を見積もります。次に波長を入力して解析すれば、適切な厚みのPMLで解析が行えます。
波長に0を設定すると、波長の長い縦波の波長を元にPML厚みを決めます。つまり、余裕をもって集め
のPMLを作成します。もし、PMLの厚み方向に4メッシュ以上あれば、減衰量を維持したまま、PMLを薄
くできる可能性があります。減衰係数を増やせば急速な減衰が可能ですので、それに合わせてPMLの
厚みを調整してください。注意点としては、3メッシュ以上使って減衰させると、反射が少なくできます。
それ以上に急激な減衰は、反射の増加につながります。



