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例題45 導体球のレーダー反射断面積(RCS)

 


本例題について

  • Femtetにはレーダー反射断面積を直接計算する機能はありませんが、簡単な追加の計算で求める事が可能です。

  • この例題は、電子情報通信学会、エレクトロニクスシミュレーション研究会の規範問題です。
     

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

  • Femtetのバージョンや環境により結果が多少ことなります。

解析モデルダウンロード

  • プロジェクトファイルをダウンロード(右クリックし、名前を付けてリンク先を保存してください。)

解析条件

項目

条件

ソルバ

電磁波解析[Hertz]

解析空間

3次元

解析の種類

調和解析

単位

mm

解析オプション

平面波を入射する をチェック

 

調和解析および開放境界の設定を以下のように行っています。

タブ設定

設定項目

条件

調和解析

周波数

ひとつの周波数

 2.998[GHz]

スイープの設定

逐次スイープ

入力

1.0[W]

入射波(平面波)

伝搬方向

(0,0,1)

電界ベクトル

(1,0,0)[V/m]

開放境界

種類

吸収境界

吸収境界の次元

1次

 

モデル図

空気のボディと導体球のボディがあります。境界条件は外部境界条件を利用して開放境界条件を設定しています。

 

 

 

 

ボディ属性および材料定数の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ名

材料名

0/Solid

導体球

008銅_Cu※

1/Solid

空気球

000_空気※

※材料データベースを利用

 

境界条件

境界条件名/トポロジー

タブ

境界条件の種類

条件

外部境界条件

電気

開放境界

 

 

メッシュ/解析の設定

設定項目

条件

周波数依存メッシュの設定

参照周波数:2.998[GHz]

表皮厚みより厚い導体ボディを境界条件とするをチェック

本設定によってMetalの厚みが表皮厚みより厚いため、Metalの表面は銅材料の損失を有する境界条件が適用されます。

 

解析結果

レーダー反射断面積(RCS)を直接求める機能をFemtetは持っていませんが、簡単な追加計算で求める事が可能です。

RCS(σ)の計算式は、以下のようになります。

 R :観測点の位置。(原点からの距離)。

 ES:散乱波の電界。

 Ei:入射波の電界。

 

 

真空中の波長(λ)で規格化したRCS[dBsw](=σdBsw)は次式で求める事ができます。R無限大の部分については、観測点を十分遠くに取るという事で考慮します。

 ES、 Ei は実効値を表すとして、計算式を求めます。

 

logは常用対数です。

(2)式の右辺第一項はFemtetの周辺電磁界計算機能で求める事ができます。

(2)式の右辺第二項以降は、容易に計算できますので、その足し算でRCS[dBsw]を求める事が可能です。しかし、Femtetの機能でRCS[dBsw]を直接求める事ができないので、Excelを利用しました。

(2)式の右辺第四項、(-120) は、単位を dBuV/m とするのに現れた項です。単位についての記述が、このページの最後にあります。

 

  • 解析条件、入射波(平面波)タブの入力は、振幅です。(2)式の右辺第5項の Ei は実効値ですので、注意が必要です。

 

(2)式に以下の数値を当てはめると(3)式が得られます。

  Ei=1/1.414[V/m]    入射波の電界の実効値

 λ=0.1[m]               2.998[GHz]における真空中の波長。

  R=3.0[m]               観測点の位置。周辺電磁界計算ダイアログの位置(r)に対応します。3.0[m]は波長の30倍なので十分遠いと考えられます。

 

 

Femtet電磁波解析で得られた電界分布を以下に示します。

 

                             第1図  電界分布

 

まず、周辺電磁界の機能を使って、E[dBuV/m] を求めます。

ここではEθ成分を求めて評価します。

 

 

    第2図  指向性計算ダイアログ、周辺電磁界計算タブ         第3図  周辺電磁界計算で得られた Eθ[dBμV/m]

 

 

 

 

 

得られた周辺電磁界のグラフをcsvファイルに保存し、Excelで(3)式の計算を行った結果が次のグラフです。理論解とよく一致していることが確認できます。

 

 

    第4図  導体球のRCS[dBsw]。 これはExcelで作ったグラフです。

 

 

[参考資料]

[1] 電子情報通信学会エレクトロニクスシミュレーション研究会
     http://www.ieice.org/es/est/activities/canonical_problems/
[2] 「高周波回路設計におけるシミュレータ活用の勘所 Ⅰ, Ⅱ」Microwave Workshops & Exhibition (MWE) マイクロウェーブワークショップダイジェスト, WS08-10, pp.83-88, 2012年11月29日.

 

 

[付録]

単位の変換を考える。

 

以上