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伝搬モード変換機能

伝搬モード変換機能は電磁波解析の3次元調和解析で使う事ができる機能で、この機能を用いるとポート上に

積分路を複数本設定できるようになり、ポート上の複数の伝搬モードをそれぞれの電極に対するシングルポートの

モードとして取り出すことができます。また積分路設定で伝搬モードに対して差動ペアやグランド指定ができるように

なります。この機能は差動線路のようにポートにおいて電極が接近したモデルや、電気的に孤立したグランドが存在

するモデルを解析する時に有効です。

 

 

   

 

               第1図.差動線路

 

 

         第2図.差動線路(差動モード(左)とコモンモード(右))

 

 

 積分路が1本のみの場合に問題となる具体例を差動線路をもとに説明します。第1図のような差動線路のポート

をもつモデルを解析すると、第2図に示したような差動モードとコモンモードが求められます。それぞれのモードにおける

特性インピーダンス(Zpv)は積分路に沿った電圧をもとに計算されますが、差動モードとコモンモードではそれぞれ電界

が強い場所が異なるため、両方のモードの特性インピーダンスを1本の積分路で同時に精度良く求めることはできま

せん。そのため、積分路が1本の場合は差動モードとコモンモードを考慮したSパラメータ(ミックストモードSパラメータ)

を精度良く解析する事はできません。積分路1本だけで差動モードとコモンモードを解析するには積分路(伝搬モード)

ごとに解析プロジェクトを作成する必要があります。この方法については

 

 

に解析例が示されています。

 

 

           第3図.伝搬モード変換機能で得られるモード

 

  

 

  一方、伝搬モード変換機能を用いると複数のモードにそれぞれ適した積分路を設定することができ、ひとつの解析

プロジェクトで複数の伝搬モードに対して精度良い解析を同時に行うことができるようになります。

 伝搬モード変換機能で得られる解はそれぞれの電極に対するシングルポートの解となります。例えば、第1図で示

した差動線路に対する伝搬モード変換機能を用いたときに得られる解は、第3図のような各電極へ給電するシングル

ポートの解となります。第3図の左側では電極1だけに電圧を与え、右側では電極2だけに電圧を与えています。差動

モードやコモンモードで給電している状態を見るには、フィールド重ね合わせの設定でそれぞれのモードの大きさを、

1,-1、もしくは、1,1、と設定することで確認できます。得られるSパラメータをミックストモードSパラメータへと変換

する方法としては、SYZ行列のバランス変換機能を用いる方法と、積分路設定で差動ペアを指定する方法があります。

それぞれの方法については、

 

 

に解析例が示されています。

 

 

また、伝搬モード変換機能を用いるとそれぞれのモードに対してグランドモードの指定が可能となります。グランドモード

が指定されると、その電極はグランド(電気壁)とみなされるため電気的に孤立したグランド電極として扱うことができます。

グランドモードの指定については

 

 

に解析例が示されています。

 

 

以下では伝搬モード変換機能を使用する場合の一般的な注意点を挙げています。

 

注意点1: ポート設定に関する注意点 

 ポートの設定ダイアログから積分路を作成し、基準インピーダンスの設定を行ってください。基準インピーダンスの値は

すべてのポートで同じ値に設定してください。

 

注意点2: 積分路設定に関する注意点 

 電極毎に積分路が必要です。ポート設定画面から考慮したいモード(各電極に給電するモード)に対応する積分路

をそれぞれ作成してください。各積分路には名前をつけることで区別することが可能です。

 

注意点3: 伝搬しないモードに関する注意点

 ポートのアダプティブメッシュ中に伝搬しないモードを選択した場合、エラーE3094が表示されます。