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例題30 分散曲線(圧電)


本例題について

  • 計算方法の概要:周期境界条件の位相をスイープしながら、アドミタンスの周波数特性を求めて、グラフにしています。(圧電分散曲線解析)

  • グラフの横軸が波数ですが、波数を直接入力できないために、波数を位相に変換して解析しています。そのために、本来ありえないようなスプリアスが現れる場合があります。(このページの最後に説明します)

  • Y軸に垂直な面でカットしたLN基板の分散曲線を求めます。

解析モデルダウンロード

  • プロジェクトファイルをダウンロード(右クリックし、名前を付けてリンク先を保存してください。)

  • モデル1 ”no_ElectrodeBody” : 電極のボディが無くて、電圧を与えるための境界条件がついています。

  • モデル2 ”Al_Electrode” : モデル1に、アルミニウム材料の電極ボディがついています。

解析空間

項目

条件

解析空間

2次元

単位

um

奥行方向の厚み

1.0x106[um]

  

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

圧電解析[Rayleigh]

解析の種類

調和解析

解析平面

2次元断面

拘束する変数

□電位    

□X方向変位

☑Y方向変位

□Z方向変位

出力設定

☑結果フィールドを出力する

 

結果グラフ

[アドミタンス]を選択

 

タブ設定

設定項目

条件

調和解析タブ

スイープタイプ

等間隔分割数

スイープ値

最小周波数:1GHz

最大周波数:5GHz

分割数:500

周波数スイープ

逐次スイープ

モデル図

LN基板のサイズは、x方向に0.5[um]、 z方向に1[um]です。

左は電極のボディはなく、境界条件のみのモデル。(モデル名:no_ElectrodeBody)

右は電極のボディを付けたモデルになります。(モデル名:Al_ElectrrodeBody)

 

 

ボディ属性および材料の設定

 

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/Solid

piezo

202_ニオブ酸リチウム※

1/Solid

metal

001_アルミニウムAl※

※材料データベースを利用

 

ボディ属性名

タブ

材料名

piezo

方向

指定方法:オイラー角

z=0 , x=-90 , z=90

metal

方向

指定方向:ベクトル

x=0 , y=0 , z=1.0

 

境界条件

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

PeriodLeft/Edge

対称/不連続

対称

周期的

PeriodRight/Edge

対称/不連続

対称

周期的

V0/Edge

電気

電気壁

電位指定:電位 0[V]

V1/Edge

電気

電気壁

電位指定:電位 1[V]

境界条件ペア設定

PeriodLeft と PeriodRightを境界条件ペアに設定します。操作方法はこちらのページをご覧ください。(周期境界条件

 

ペアの位置関係

 

平行

 

位相差

実部

kre*x*(180.0/pi)

kre,kimは波数に対応する変数です。xは、周期境界ペアの距離です。
(180.0/pi)は単位を[rad]から[deg]へ変換するための係数です。

虚部

-kim*x*(180.0/pi)

  • 変数 kre , kim, x が適切に定義されている必要があります。

 

変数の設定

変数名

 

x

0.5e-6

周期境界ペアの距離[m]を入力します

kre

0

分散曲線解析でkre,kimの値をスイープさせるので、ここで入力する値

は使われません。変数名はkre,kim に固定となっています。

kim

0

  • 変数名は必ず kre , kim としてください。

分散曲線解析と結果の描画

モデルタブ、解析実行、圧電分散曲線解析

波数(k)虚部の最小値

-3.0x106

[1/m]

波数(k)虚部の最大値

3.0x106

[1/m]

間隔

0.1x106

[1/m]

 

圧電分散曲線解析ダイアログの「解析実行」ボタンを押して解析がスタートします。

 

解析終了後、「Graph」ボタンを押すと、分散曲線が描画されます。

 

解析結果

二つのモデルで求めた分散曲線を結果図1に示しました。

グラフ上の 波数=0 に示した縦線は、Femtetの出力にはないが分かりやすいように描いた線です。その直線の右側は波数が実数の時の値に対応し、左側は、虚部に対応します。

グラフには、赤と青のラインがあり、赤が共振、青が反共振に対応しています。したがって、分散曲線に対応するのは、赤のラインになります。

 

 

 

 

         結果図1. 左図は電極ボディ無しモデル(モデル名:No_ElectrodeBody)の分散曲線。右図は、電極ボディ有りモデル(モデル名:Al_Electrode)の分散曲線。

 

  • 結果図1で、波数=0、に引いた縦の線は、Femtet の出力にはありません。
  • 結果図1は、最小値、最大値を手動で調整して作成しています。

 

二つのモデルの分散曲線は、よく見ると異なるのですが、このままでは分かりにくいので、分散曲線の元のデータである、アドミタンスの周波数特性グラフを確認してみます。

波数=0 におけるアドミタンスの周波数特性をグラフで比較してみます。

結果フォルダにできている、"no_ElectrodeBody.Parametric_31,0.0,0.0,.s1p"、”Al_Electrode.Parametric_31,0.0,0.0,.s1p”というファイルをDecartesで開いてみます。

 

 

    結果図2. グラフは 波数=0 を指定した時のアドミタンスの周波数特性で、二つのモデルの結果を重ねて書いています。右図は結果フィールドの変位です。大きな赤色の矢印は、分かりやすいように後から加えました。

 

 

注意点

この解析は、基本的にモデルの縦幅に依存していて、横幅には依存しないと考えられます。しかし実際には、横幅を広げると、指定した波数と異なる波数のモードが混じってきます。

 ・横幅が広いほど、不要なモードが混じります。

 ・モードを見て判断してください。

 ・横幅を変更して動くモードは、不要なモードです。

 

不要なモードが混じる原因を説明します。

所望の波数に対する解析をしたいとき、上記境界条件ペアで示したように(位相差θ[rad])=(波数)×(モデルの幅)で求めた値を、周期境界ペアの位相差[deg]として入力し、解析しています。

Femtetの中の計算では位相差θ[rad]を、exp(jθ)として扱っています。この場合、以下の関係が成り立ちます。

 

     exp(jθ)=exp(j (θ+2nπ))      n: 整数

 

そのため、θとθ+2nπの区別が付かない事になります。(波数)=(位相差θ[rad])/(モデルの幅) が指定したい波数とすると、  (波数) = (θ+2nπ)/(モデルの幅) の振動がスプリアスとして混じることになります。

以上です。

 

[作成 Femtet2025.1   2025/10/14]