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モータ特性図/電源位相探索タブ

磁場過渡解析において、3相交流モータで以下の特性を計算するための条件を設定するタブです。

これら以外の特性計算時には、本タブの設定は不要です。

 

  • トルク最大となる電源位相探索
    モータのトルクが最大となる電源の位相を探索します。

  • N-T特性
    回転数とトルクの関係を表したモータの特性図を算出します。

  • I-T特性
    電流とトルクの関係を表したモータの特性図を算出します。

[解析条件の設定]ダイアログに表示されます。ダイアログの表示方法は「解析条件の設定」を参照してください。

 


 

設定項目

解説

計算する特性

 

トルク最大となる電源位相探索

モータのトルクが最大となる電源の位相を探索します。

パラメトリック解析で電源位相をスイープするよりも高速に解析が可能です。

外部回路と3相交流電源を利用したモータのみが対象です。

なお、外部回路の電源素子における位相設定値は無視されます。

 

位相探索後、現条件設定で計算するをOFFにした場合、結果として電源位相のみが出力されます。

ONにした場合、電源位相の探索後、決定した位相を利用して現在の過渡解析タブで設定された時間ステップで計算し、

フィールドを含む全結果を出力します。

 

 

 

N-T特性

回転数とトルクの関係を表したモータの特性図を算出します。

算出は全て有限要素法で行います。

外部回路と3相交流電源を利用したモータのみが対象です。

N-T特性解析に必要な設定
  • モデル形状の定義

  • ボディ属性、材料の定義

  • 周期境界など境界条件の定義

  • 過渡解析タブ以外の解析条件の定義

  • 外部回路の以下の定義
    FEMコイルの配置、結線とパラメータ設定
    3相交流電源素子の配置と以下パラメータ設定
     波形タイプ(現状、任意波形には未対応)
     相順

 

  • 外部回路上のFEMコイル素子は3個(U,V,W各1個)である必要があります。

  • 3個より多いFEMコイル素子が必要な場合は、以下のようにモデル側の設定変更により対応して下さい。
    コイルが直列接続の場合:
    モデル側のボディ属性の[電流タブ]-[回路図上のコイル名]を同名にすることでコイルは直列接続されます。
    この時、FEMコイル素子の抵抗値は直列接続したコイルの合計値を設定して下さい。
    コイルが並列接続の場合:
    周期対称モデルを利用し、外部回路上でFEMコイル素子を並列接続しなくても良いよう対応して下さい。
    この方法で対応できないケースでは現状計算ができません。

N-T特性解析時に不要な設定(参照しないため任意の値で良い)
  • 回転機タブの回転数

  • 過渡解析タブの時間ステップ

  • 外部回路の3相交流電源素子の以下パラメータ
    電源のタイプ(電圧源/電流源)
    電圧/電流値
    周波数
    U相の位相
    電源の結線タイプ(結果には影響しませんが、Δ結線の方が計算時間が短くなる傾向があります)

算出方法

各回転数において、[モータ条件]で入力された最大電圧、最大電流内で最大のトルクを得る電源電圧/電流振幅、位相を算出します。

なお、鉄損は考慮されません。

 


I-T特性

電流とトルクの関係を表したモータの特性図を算出します。

算出は全て有限要素法で行います。

外部回路と3相交流電源を利用したモータのみが対象です。

I-T特性解析に必要な設定
  • モデル形状の定義

  • ボディ属性、材料の定義

  • 周期境界など境界条件の定義

  • 過渡解析タブ以外の解析条件の定義

  • 回転機タブの回転数

  • 外部回路の以下の定義
    FEMコイルの配置、結線とパラメータ設定
    3相交流電源素子の配置と以下パラメータ設定
     波形タイプ(現状、任意波形には未対応)
     相順

I-T特性解析時に不要な設定(参照しないため任意の値で良い)
  • 過渡解析タブの時間ステップ

  • 外部回路の3相交流電源素子の以下パラメータ
    電源のタイプ(電圧源/電流源)
    電圧/電流値
    周波数(回転機タブの回転数と極数から自動算出)
    U相の位相
    電源の結線タイプ(結果には影響しませんが、Δ結線の方が計算時間が短くなる傾向があります)

算出方法

各電流値において、最大のトルクを得る電源電圧/電流振幅、位相を算出します。

なお、最大電圧の設定値は考慮されません。

鉄損は考慮されません。

 

モータ条件

 

モータタイプ

モータのタイプを選択します。

現状、PMSM(永久磁石式同期モータ)のみが選択できます。

IM(誘導電動機)は対象外です。

 

極数

モータの磁極の数を入力します。

フルモデル(実物)での値を入力します。(周期対称など部分モデルの場合も、全体分を入力)

トルクリップル周期(トルク平均化時間幅の基準)の算出に使用します。

 

スロット数

モータのスロットの数を入力します。

フルモデル(実物)での値を入力します。(周期対称など部分モデルの場合も、全体分を入力)

トルクリップル周期(トルク平均化時間幅の基準)の算出に使用します。

 

最大線間電圧(振幅)

電源の線間電圧の最大値を入力します。(インバータのバス電圧に相当)

N-T特性の算出時に使用します。

 

具体的には、下記の電圧以下になるようモータを制御します。

  • 電源がY結線の場合
    最大相電圧 = 1/√3*最大線間電圧

  • 電源がΔ結線の場合
    最大相電圧 = 最大線間電圧

 

I-T特性の算出時には使用しません。

 

最大線電流(振幅)

電源(インバータ)からモータに通電される線電流の最大値を入力します。

N-T特性、I-T特性算出時に使用します。

 

N-T特性算出時は、下記の電流以下になるようモータを制御します。

  • 電源がY結線の場合
    最大相電流 = 最大線電流

  • 電源がΔ結線の場合
    最大相電流 = 1/√3*最大線電流

 

I-T特性算出時は、計算ポイントの上限電流値として使用します。

 

解像度

 

各種計算における解像度を設定します。

解像度(分解能)を細かくすると、計算精度が向上しますが、計算時間が長くなります。

 

最大回転数

N-T特性算出時の回転数計算ポイントの上限を入力します。

 

回転数分割数

N-T特性算出時の回転数計算ポイントの分割数を入力します。

 

電流分割数

I-T特性算出時の電流計算ポイントの分割数を入力します。

(上限値には最大線電流(振幅)を使用します。)

 

電源位相分解能

全ての計算における、電源位相探索時の位相分解能を入力します。

 

時間ステップ数

 

各種計算における時間ステップ数を設定します。

時間ステップ数を多くすると、計算精度が向上しますが、計算時間が長くなります。

 

  • 各種計算時、過渡解析タブの時間ステップは無視され、ここで設定した内容が反映されます。

時間ステップ数に関する基本的な考え

T1:定常状態とみなす時間[s]

T2:トルク平均化時間幅[s]

 

0[sec]からT1+T2[s]までの時間ステップを計算します。

T1[s]からT1+T2[s]までのトルクを参照し、平均化して結果値とします。

 

回転機の計算においては、電源が電圧源の場合、コイル電流は最初過渡状態となり、
定常状態になるには時間がかかりますので、T1以降の定常状態とみなす時間後の結果を参照します。
電源が電流源の場合は、コイル電流は最初から定常状態ですので、T1=0[s]となります。

 

自動決定

ON:

時間ステップ数および定常場高速解析の利用を以下のように自動的に決定します。

 

  • 定常場高速解析の利用
    ON

  • 定常状態とみなす時間
    電源周波数の1周期分(=電気角360[deg]分)の時間

  • トルク平均化時間幅
    トルクリップル2周期分の時間

OFF:

以下の設定値を手動で入力します。

 

定常場高速解析を利用する

計算時に、定常場高速解析(周期的な定常場を解析する際に、計算時間を短縮するための補正機能)を利用するかどうかを設定します。
これをONにすると、電圧源での計算時に定常場高速解析を下記パラメータで実施します。

 

  • 補正方法
    3相交流簡易TP-EEC法

  • 補正回数
    6回

  • 補正する変数
    ステータおよびコイル電流変数

  • 外部回路上のコイル名
    U,V,Wのコイルを手動で設定


電流源での計算時には使用しません。(電流源の場合は、最初から定常状態であるため)

定常場高速解析についての詳細は「定常場高速解析タブ」および「定常場高速解析」を参照してください。

  • N-T特性の算出時は、外部回路の回路図エディタ上での電源のタイプが電流源か電圧源かに関わらず、
    自動的に電流源/電圧源を判定していずれでも計算が実行されます。
    具体的には、電流源は最大線間電圧の設定値に対して、直流抵抗分の電圧+逆起電圧が小さい場合(回転数が小さい場合)に使用します。
    電圧源は、そうでない場合(回転数が大きい場合)に、弱め界磁制御(電源位相を変化させることで逆起電圧を抑える)をするために使用します。

  • I-T特性の算出時は、外部回路の回路図エディタ上での電源のタイプが電流源か電圧源かに関わらず、
    電流源固定で計算が実行されます。

 

定常状態とみなす時間

電源周波数と基準として何週期分の時間とするかを入力します。

電流源での計算時には使用しません。(電流源の場合は、最初から定常状態であるため)

 

トルク平均化時間幅

トルクリップル周期と基準として何週期分の時間とするかを入力します。

(トルクリップル周期は、極数/2とスロット数の最小公倍数*1秒当たりの回転数)

 

1ステップ当りの回転量

 

時間ステップ1ステップ当りの回転量を設定します。

1ステップ当りの回転量を小さくすると、計算精度が向上しますが、計算時間が長くなります。

 

自動決定

ON:

1ステップ当りの回転量を以下のように自動的に決定します。

 

  • 0[s]から定常状態とみなす時間までの区間
    トルクリップル周期*2/3

  • トルク平均化区間
    トルクリップル周期/5

  • 例えば4極24スロットであれば、トルクリップル1周期=機械角15[deg]なので、1ステップ当りの回転量は
    0[s]から定常状態までの区間:機械角10[deg]
    トルク平均化区間:機械角3[deg]
    となります。

 

OFF:

「回転機タブ」の1ステップ当りの回転量を参照します。