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流体解析詳細設定

 

 

 

設定項目

解説

移流項計算手法

流体解析では移流の計算において、計算を安定化するために、風上側の節点の物理量を使用して計算します。

風上側の節点の物理量を使用することを風上差分と呼びます。

風上差分では、数値粘性により計算結果が、粘性が高い側に見積もられることが知られています。

Femtetでは以下の2つの風上差分が使用できます。

 

1次精度風上差分:

数値粘性が大きく精度は悪いが、計算の安定性は良い。

 

2次精度風上差分:

数値粘性が小さく精度は良いが、計算の安定性が悪い場合がある。

局所的な異常値(オーバーシュート/アンダーシュート)が発生することがある。

 

2次精度風上差分(異常値抑制大):

数値粘性が小さく精度は良いが、計算の安定性が悪い場合がある。

局所的な異常値(オーバーシュート/アンダーシュート)が発生することがある。

上記の2次精度風上差分よりも局所的な異常値は発生しにくい反面、
解析の終盤で残差が減少せず収束しにくい場合があります。

 

速度計算(運動量の移流計算)、温度計算(熱エネルギーの移流計算)について、
2つの計算方法を選択できます。

 

K_乱流エネルギー、ε_エネルギー散逸率は1次風上差分で計算が行われます。

収束判定設定

 

流体解析、熱流体解析では、正しい解が得られるまで反復計算を行います。
正しい解が得られているかどうか判定するために、収束判定を行います。
計算毎に得られる残差が[収束判定]よりも小さくなった時点で正しい解が得られたと見なします。

流体解析の場合と熱伝導解析の場合で異なる収束判定値を設定することができます。

途中の計算で反復回数が[最大反復回数]を超えてしまった場合は計算を打ち切ります。

過渡解析で計算が打ち切られた場合、次の時刻の計算を行います。

 

[最大反復回数] に入力できる値は0より大きい整数です。(0は含まない)

定常解析と過渡解析で異なる値を入力することができます。


[収束判定(熱)] の仮数部に入力できる値は0より大きい実数です。(0は含まない)

[収束判定(流体)] の仮数部に入力できる値は0より大きい実数です。(0は含まない)

 

うまく収束しなかった場合は
  1.最大反復回数を増やす
  2.収束判定(許容残差)を大きくする
  3.緩和係数を小さくする

 
などして対応してください。詳しくはテクニカルノート「流体解析/熱流体解析が収束しない場合」を参照してください。

 

モニタリングタブ」でモニタリングの設定を行っている場合、モニター値の収束しているかどうかで収束判定することができます。

[モニター値による収束判定を行う] をチェックしている場合、以下の両方を満たす場合に収束判定とします。

 

・すべての温度の直近の反復(定常解析では30回/過渡解析では5回)の標準偏差の3倍が[許容温度差]以下であること

・温度以外のモニター値の直近の反復(定常解析では30回/過渡解析では5回)のばらつき(CV値)が[許容ばらつき]以下であること

・すべての残差が収束判定の10倍以下であること

 

[モニタリング自動設定]をクリックすると、

流体解析の場合、すべての境界条件の圧力(全圧)と体積流量がモニタリング登録されます。

熱流体解析の場合、すべてのボディ属性の温度最大値もモニタリング登録されます。

 

例題14 内部ファンによる放熱の解析」ではモニター値による収束判定を行っています。

 

 

緩和係数

流体解析では計算を反復させて徐々に正しい値に近づけていきます。
層流の解析では、1回の反復で、流速、圧力を計算する処理を行います。

乱流の解析では、1回の反復で、流速、圧力、K_乱流エネルギー、ε_エネルギー散逸率またはω_比散逸率を計算する処理を行います。

熱流体解析の双方向連成解析(浮力を考慮する場合、粘度に温度依存性がある場合)には、さらに温度を計算する処理が加わります。

拡散解析で拡散物質の重さを考慮する場合、拡散量を計算する処理が加わります。

 

それぞれの計算で、各物理量の増分が計算されます。増分に緩和係数をかけて、各物理量を更新します。

これにより、計算の発散を防ぐことができます。

緩和係数は小さいほど発散しにくくなりますが、反復回数が増え、計算に時間がかかります。

定常解析と過渡解析で異なる値を設定することができます。
定常解析の方が発散しやすいため、初期設定値は小さい値が設定されています。

 

層流解析では速度、圧力について設定します。

乱流解析では速度、圧力に加えて、K_乱流エネルギー、ε_エネルギー散逸率またはω_比散逸率について設定します。

熱流体解析の双方向連成解析(浮力を考慮する場合、粘度に温度依存性がある場合)には、温度についても設定します。

拡散解析で拡散物質の重さを考慮する場合、拡散量についても設定します。(拡散量の緩和係数設定は「拡散解析の設定」、でも設定可能です)

 

[初期設定値に戻す] をクリックすると、初期設定値に戻すことができます。

 

 

過渡解析で定常解析と同じ圧力計算手法を使用する

過渡解析では反復回数を削減するために、定常解析とは異なる計算方法を行っていますが、
計算が発散するなどの問題が生じる場合があります。

そういった場合には、こちらのオプションを使用してください。

反復回数が多くなりますが、発散しにくくなり、安定して計算を収束させることができる場合があります。

 

このオプションを使用する場合、流速と圧力の緩和係数は、定常解析用のものを使用します。

未収束時に準定常状態を計算する

未収束で解析が終了した場合に、有限の時間ステップを使用した解析に切り替えます。
非定常な振動により定常解が存在せず、収束しない解析の場合に有効です。
振動中のある瞬間の状態を結果として出力します。

浮力と釣り合うように圧力条件を補正する

 

以下のケースで、高さによる傾斜を考慮して圧力を設定する場合があります。

 

・熱流体解析で浮力を考慮する場合で、環境温度以外の温度の流入がある場合

・拡散解析で拡散物質の重さを考慮する場合で、環境値以外の拡散値の流入がある場合

・自由表面解析(VOF法)で重力を考慮する場合で、最も軽い相以外の相の流入がある場合

 

高さZ=0を基準として圧力に傾斜をつけて解析します。詳細は、「流体解析の圧力」を参照してください。

 

 

結果出力の設定

反復途中の結果出力方法を指定することができます。

出力設定を行うことで、途中で中断した場合や、解析が発散や未収束で終わった場合、反復途中の結果を確認することができます。

 

[出力しない]にチェックを入れると、反復途中の結果を出力しません。結果ファイルサイズが大きくなってしまう場合、こちらを指定することを推奨します。

[収束しなかった場合のみ出力する]にチェックを入れると、途中で中断した場合や、解析が発散や未収束で終わった場合に、反復途中の結果を確認することができますが、解析が収束した場合、削除されます。

 

[常に出力する]にチェックを入れると、解析が成功した場合にも反復途中の結果を出力することができます。

 

[主要なフィールドのみ出力する]にチェックを入れると、流速や圧力などの主要なフィールドのみを出力します。結果ファイルを軽量化することができます。

出力されるフィールドについては、各解析で表示できる結果「流体解析」を参照してください。

コントロールボリュームタイプ

自由表面解析の場合のみ選択可能です。

 

[要素中心型]

 

四角形メッシュや、スイープメッシュを使用した規則正しいメッシュを使用する場合こちらを推奨します。

 

[要素中心型(多面体メッシュ)]

 

メッシュを多面体メッシュに変換して計算します。

複雑な形状で四面体メッシュを選択している場合、こちらの方が精度、解析速度、収束性が向上する場合があります。

 

※自由表面解析以外は、節点中心型のコントロールボリュームタイプとなります。

 

乱流モデル

計算に使用する乱流モデルを選択します。

 

[k-εモデル]

 

壁面から離れた領域の流れの再現性の良いモデルです。境界条件に固体壁が存在しない場合、乱流モデルはこちらに設定ください。

壁面近傍領域では、「Wolfshteinの1方程式モデル」、完全乱流領域では「Realizable K-εモデル」で計算しています。

詳細は流体解析/熱流体解析で求解している微分方程式をご覧ください。

 

[SST k-ωモデル]

 

壁面近傍の流れの再現精度の良いモデルです。

低レイノルズ数型の乱流モデルであり、壁面近傍層の粘性底層~対数領域にかけても精度のよい2方程式モデルで計算することができます。

自然対流などの自由流れの定常解析は収束性が悪いことがあるので、その場合はk-εモデルの使用を推奨します。