
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
本例題について
円柱周りに生じる流れの過渡解析例を示します。
流速分布、流速ベクトル、流線、渦度、壁面力を解析結果として見ることができます。
表に記載されていない条件はデフォルトの条件を使用します。
項目 |
条件 |
解析空間 |
2次元 |
モデル単位 |
mm |
項目 |
タブ |
条件 |
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ソルバ |
ソルバの選択 |
流体解析[Bernoulli] |
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解析の種類 |
流体解析 |
過渡解析 |
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層流/乱流 |
流体解析 |
層流をチェック |
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壁表面の積層メッシュ設定(全体設定) |
流体解析 |
指定方法:第1層メッシュ高さ指定 第1層メッシュ高さ:0.5[mm] |
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時間ステップ |
過渡解析 |
時間ステップ:指定
|
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メッシュ設定 |
メッシュ |
標準メッシュサイズ:3[mm] |
長方形のシートボディを定義し、空気(000_空気)の材料を設定します。また、左側の辺に流入、右側の辺に流出の境界条件を設定しています。
境界条件を設定していない上下の辺には、外部境界条件を使用して、スリップ壁を設定します。
円のシートボディを定義し、鉄(007_鉄Fe)の材料を設定します。
固体と流体の境界である円の周囲の辺には、固体壁が自動的に設定されます。
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
0/Solid |
Air |
000_空気※ |
1/Solid |
Column |
007_鉄Fe※ |
※材料データベースを利用
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
Inlet/Edge |
流体 |
流入 |
強制流入 |
Outlet/Face |
流体 |
流出 |
自然流出 |
外部境界条件 |
流体 |
スリップ壁 |
– |
レイノルズ数が100を超えると、乱れの時間依存性が生じるため、定常解析で計算することが難しくなります。
このモデル形状、材料定数、流速でレイノルズ数を計算すると、126.0程度となるため、過渡解析で計算します。
粘度μ=1.816e-5[Pa s]
密度ρ=1.144[kg/m3]
動粘度ν=μ/ρ=1.816e-5/1.144=1.587e-5[m2/s]
流速V=0.05[m/s]
円柱直径D=0.04[m]
レイノルズ数Re = V*L/ν=0.05*0.04/1.587e-5 = 126.0
時刻48[s]、50[s]での円柱周囲の流速分布のベクトル図を示します。
描画設定で、ベクトル長一定とし、大きさを調整しています。
レイノルズ数126の場合、円柱の後ろにはカルマン渦と呼ばれる渦が後方上下に交互に放出されることが知られており、
48[s]では円柱後方下側に、50[s]では円柱後方上側に渦ができているのが確認できます。
48[s] | |
50[s] |
次に50[s]渦度のY成分のコンタ図を示します。スケールは最小値:-2[/s]、最大値:2[/s]としています。
Y方向周りの渦の強さを表します。右回りの渦は正、左周りの渦は負で表示されます。
円柱の後方に放出された渦が下流側へ移動していることが確認できます。
次に、テーブルで壁面力を表示します。
「Column」が円柱が流体から受ける力を表します。
以下にColumn/x成分(抗力F:流れ方向の力) のみを表示した結果を示します。
(グラフをダブルクリックして開かれる系列情報で Column/x成分以外の系列の「Y軸(第1軸)で表示」の項目のチェックを外す。色を赤に変更する。)
縦軸の範囲(0.9 x 10^-7 ~1.0 x 10^-7)も変更しています。
50[s]付近では、抗力は9.8 x 10^-8[N] を中心として、2[s]程度の周期で振動しています。
次にColumn/z成分(揚力:流れと垂直な方向の力) のみを表示した結果を示します。
(グラフをダブルクリックして開かれる系列情報で Column/x成分以外の系列の「Y軸(第1軸)で表示」の項目のチェックを外す。色を青に変更する。)
揚力は一定の周期(4[s]程度)で振動している様子が確認できます。
抗力Fから抗力係数CDを計算することもできます。
奥行方向厚み t = 1[mm]
断面積 S = D * t = 0.04 * 0.001 = 4e-5 [m2]
動圧Pk = 0.5 * ρ*V^2 = 0.5 * 1.144 * 0.05 * 0.05 = 1.430e-3 [Pa]
抗力係数CD = F / Pk / S = 9.8e-8 / 1.430e-5 /4e-5 = 1.71
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