
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
本例題では繰り返し変位を与えた弾塑性材料の解析事例を示します。
複数ステップの設定を行い、片持ち梁の先端の変位境界に時間依存性
を与えて繰り返し変位を設定しています。
また複数ステップ解析ではボディの消滅(デス)を設定することができます。本例題では
最終ステップで変位を与えた梁の先端部のボディを消滅させ、変位境界ごと、除去しています。
ここではボディのデスを使用しましたが、境界条件のON/OFF設定でも同様の結果が得られます。
(プロジェクトファイルには、境界条件ON/OFFを設定した解析モデルも入っています)
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
弾塑性解析は特別オプション機能です。
項目 |
条件 |
解析空間 |
3次元 |
モデル単位 |
mm |
項目 |
条件 |
ソルバ |
応力解析[Galileo] |
解析の種類 |
静解析 |
大変形 |
大変位をチェック |
ステップ/熱荷重解析タブの設定を以下のように行っています。
タブ設定 |
設定項目 |
設定内容 |
|||||||||||||
ステップ/熱荷重 |
ステップ設定 |
複数ステップ |
|||||||||||||
ステップ/到達温度設定 |
|
||||||||||||||
複数ステップ解析オプション |
分割ステップの結果を出力する:チェック |
全部で6ステップ構成とし、後述する変位の時間依存の重みの変化量に応じて、分割ステップ
数を変化させています。(変位の変化が大きいステップを10)
分割ステップの結果の出力するをオン(初期条件)にしているため、各ステップの分割ステップでの解析結果をすべて出力することができます。
根元を完全固定した片持ち梁の先端に強制変位を与えています。
根元付近は応力集中がありますのでローカルメッシュサイズを小さめに設定しています。
最後のステップで先端のボディを消去するためにボディを先端と根元で二つに分割しています。
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
2/SolidBody |
ボディ2 |
材料定数_001 |
3/SolidBody |
ボディ1 |
材料定数_001 |
材料定数_001の材料定数は以下のように設定しています。
材料名 |
タブ |
定数 |
材料定数_001 |
弾性定数 |
材料の種類: 弾塑性バイリニア 塑性硬化則: 等方硬化
材料定数: ヤング率 1×109[Pa] ポアソン比 0.3 ひずみ硬化率 0.05×109[Pa] 初期降伏応力 4×106[Pa]
|
ボディ2をステップ6で消滅させるため解析領域タブにて以下のように設定しています。
ボディ属性名 |
タブ |
設定 |
ボディ2 |
解析領域 |
デスステップ: 6ステップ |
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件 の種類 |
条件 |
Fix/Face |
機械 |
変位 |
XYZ成分のチェックボックスをオン UX=0, UY=0, UZ=0 |
Move/Face |
機械 |
変位 |
Z成分のチェックボックスをオン UZ=0.25×10-3[m]
時間依存をチェックし、重み関数を以下のように設定
上のような重みを設定することで先端の強制変位を2サイクル 印加しています。
|
最終状態(ステップ6)における累積相当塑性ひずみを示します。
梁の根元部分の上下面で塑性ひずみが集中して発生していることが分かります。
この根元付近の累積相当塑性ひずみのグラフを示します。横軸は時刻です。
累積相当塑性ひずみが段階的に増加している様子が分かります。
ステップ5およびステップ6における主応力分布を以下に比較します。
ステップ5における主応力
ステップ5では先端のZ変位がマイナス方向からゼロに戻した状態であるため、根元上面には圧縮応力、根元下面には
引っ張り応力が集中しています。
ステップ6における主応力
ステップ6では先端のボディが消滅しているため、先端部の変位境界が消滅した状態での根元部分における残留応力
分布を確認することができます。
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