例題44

摩擦を考慮した接触解析2

本例題について

  • 摩擦を考慮した接触表面境界を用いた接触解析例を示します。

  • 摩擦力による変形を解析結果から確認することができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

  • 応力過渡解析は特別オプション機能です。

解析空間

項目

条件

解析空間

2次元

モデル単位

mm

 

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

応力解析[Galileo]

解析の種類

過渡解析

大変形

大変位をチェック

 

過渡解析タブにて以下のように時間ステップを設定しています。

タブ設定

設定項目

条件

過渡解析

No.

ステップ数

出力間隔

時間ステップ[s]

1

60

1

0.25×10-5

モデル図

底面を固定した銅製の板にPE製のボールが衝突する前後の解析を行っています。

ボールにはボディ属性で下向きの初速度を設定しています。

2つのボディの接触面は離れた位置関係にあるので、接触表面境界(接触面と被接触面)

を設定し、ペア設定において摩擦係数を設定しています。 

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/SheetBody

Plate

008_銅(Cu)

1/SheetBody

Block

000_ポリエチレン(PE)

材料定数は材料DBの値を使用しています。

境界条件

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

Fix/Edge

機械

変位

XZ成分のチェックボックスをオン

UX=0,UZ=0

Contactor/Edge

機械

接触表面

接触面の扱い: 接触面

Target/Edge

機械

接触表面

接触面の扱い: 被接触面

 

ContactorとTargetは接触境界ペア設定し、摩擦係数を以下のように設定しています。

境界条件ペア

摩擦係数

Contactor-Target

0.4

解析結果

時刻t=5.0e-5[s]における主応力分布を示します。

摩擦力の影響によって接触面における圧縮応力(青矢印)が接触面の法線方向(1,0,1)に対してZ軸方向に傾いて

分布していることが分かります。

 

比較のために、摩擦係数をゼロとした場合の、同時刻における主応力分布を示します。

摩擦力がないため接触面における圧縮応力(緑矢印)が接触面の法線方向(1,0,1)に対して対称的に

分布していることが分かります。

 

変位データを表計算ソフトで編集してボールボディの中心の軌跡を比較したグラフを次に示します。

初期状態の変位はゼロのためグラフの左上が出発点となっています。

Z変位が-0.005[m]に差し掛かる付近まではボールは同じ軌跡をたどっていますが、プレートに衝突

してからの軌跡は摩擦係数によって異なっています。

 

摩擦係数がゼロの場合はボールはプレートに衝突後ほぼ水平方向に反射しているのに対し、

摩擦係数が0.4の場合は摩擦力の影響により、Z方向プラス方向に反射していることが分かります。

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