
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
回転変位を用いて板を90°の角度で曲げた後に離す解析の例を示します。
境界条件の「ON/OFF」設定を用いて、90°曲げた後に離す動作を設定します。
ここでは境界条件の「ON/OFF」設定を用いましたが、単一ステップの「徐荷ステップを追加する」オプションを使用して
同様の結果を得ることが出来ます。(プロジェクトファイルには、徐荷設定を行った解析モデルも入っています)
弾塑性材料を使用しているので、曲げ時に塑性変形が起こり、離した後には弾性により少しだけ戻ります。
(この性質をスプリングバックと呼びます)
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
弾塑性解析は特別オプション機能です。
項目 |
条件 |
解析空間 |
2次元 |
モデル単位 |
mm |
90°の曲げは、変形が大きいため、大変形の「大変位」オプションをチェックして解析します。
項目 |
条件 |
ソルバ |
応力解析[Galileo] |
解析の種類 |
静解析 |
大変形 |
大変位をチェック |
ステップ/熱荷重タブで以下の設定を行います。
それぞれのステップは、1ステップ目:90°曲げる、2ステップ目:離す(回転変位の拘束をオフにする)に対応しています。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
|||||
ステップ/熱荷重 |
ステップ設定 |
複数ステップ |
|||||
ステップ/到達温度設定 |
|
||||||
複数ステップ解析オプション |
分割ステップの結果を出力するをチェック |
高度な設定タブで以下の設定を行います。
今回のモデルでは、「加速/減速係数を自動で補正する」のチェックをはずした方が計算が速いため、チェックを外しています。
タブ設定 |
設定内容 |
高度な設定 |
非線形解析の設定 加速/減速係数を自動で補正するのチェックを外す |
長さ200mmの直方体のソリッドボディを定義し、弾塑性材料を設定します。
左端をx方向に固定し、左側底面90mmの領域をz方向に固定し、
板中央を中心として、90°の曲げを発生させるため、右側上面の90mmの領域を回転変位に設定します。
標準メッシュサイズは、1を設定します。
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
0/Solid |
PLATE |
PlasticMat |
1,2/Face |
設定しない※1 |
設定しない※1 |
※1 境界条件を付与するための転写用ボディ
材料名 |
タブ |
定数 |
PlasticMat |
弾性定数 |
材料の種類: 弾塑性バイリニア 材料定数: ヤング率:200 x 109 [Pa] ポアソン比:0.3 ひずみ硬化率:20 x 109 [Pa] 初期降伏応力:200 x 106 [Pa] |
回転変位と、ON/OFF設定を行います。
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
||||
xFix/Face |
機械 |
変位 |
X成分のチェックボックスをオン |
||||
zFix/Face |
機械 |
変位 |
Z成分のチェックボックスをオン |
||||
Rot/Face |
機械 |
回転変位 |
軸上の座標 軸のベクトル 回転角度 |
||||
ON/OFF設定 |
チェックボックスをオン |
||||||
ON/OFFリスト |
境界条件ON/OFFタブ
※1 |
※1 ON/OFFリスト設定用の時刻/ステップテーブルで「重み関数」タブに切り替えると、分割ステップで印加される荷重を確認できます。
以下に、「実際に印加する荷重で表示する」にチェックを入れて表示したものを示します。
設定した回転変位は、1ステップかけて徐々に設定した角度(90[deg])に到達します。
分割ステップを10としているため、1分割ステップあたり、4.5[deg]ずつ上昇させていきます。
2ステップ目をオフ(×)に設定したため、ステップ2の最初の分割ステップ以降では、回転変位による拘束が解除されます。
重み関数の確認・表示方法については、重み関数の設定を参照してください。
テーブルの結果表示でトルクを全結果まとめ表示したものを以下に示します。
このデータを、グラフ出力した結果を示します。
1ステップ目までは、Rot境界に加えるトルクが上昇していきますが、
2ステップ目の最初の分割ステップ(1.2[Step])で加えるトルクがほぼゼロになります。
拘束を外した直後は、収束判定時の精度が少し悪くなっているため、微小な値が発生していますが、
次の分割ステップ以降ではトルクがほぼゼロになります。
次に、1ステップ目の変形図を示します。コンター図はそれぞれ変位の大きさを示してます。
90°の角度で曲げられている様子が確認できます。
2ステップ目の変形図を示します。
回転変位による拘束が解除されたことによって、1ステップ目とくらべて曲げ角度が小さくなり、
スプリングバックが起こっていることが確認できます。
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