例題36

直流重畳特性(高周波)

本例題について

  • 直流重畳時の高周波インダクタンスの解析例を示します。

  • マイナーループ透磁率を使用して解析します。

  • 本例題は調和解析での解析例です。高周波特有の現象(表皮効果など)が考慮されます。
    考慮の必要がない場合は、静解析の例題を参照してください。

  • 磁界ベクトルや磁束密度ベクトルを解析結果として見ることができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

 

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

磁場解析[Gauss]

解析の種類

調和解析

解析オプション

なし

 

交流電流の周波数を1[MHz]とします。

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

周波数依存メッシュの設定

参照周波数:1×106[Hz]

調和解析

スイープタイプ

ひとつの周波数

周波数

1×106[Hz]

 

メッシュタブを以下のように設定しています。

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

メッシュ設定

標準メッシュサイズを自動的に決定する:OFF

標準メッシュサイズ:2[mm]

モデル図

ヘリカルコイル(Coil)をらせんソリッドボディで定義しています。

Coilの流入出面は空気領域の外部となるよう引き伸ばし、外部境界条件電気壁と接するように作ってあります。

磁場調和解析では流入出面を空気領域の外部に引き出す必要があります。(有限要素法の計算上の問題)

本例題では、空気領域は自動作成する設定であるため、流入出面をコイルの外部に引き出すことで空気領域の外部となるようにしています。

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/Solid

Coil

008_銅Cu※

4/Solid

Coil

008_銅Cu※

5/Solid

Coil

008_銅Cu※

6/Solid

Core

Core_Nonl_Minor

※材料データベースを利用

 

非線形テーブルを用いて非線形材料定数を設定します。

直流重畳特性を解析する場合、直流重畳時の磁性体のBHカーブはメジャーループを通ります。
一方交流印加時のBHカーブはマイナーループを通る事になります。
Femtet内部では、まずメジャーループ用のBHカーブを利用して静解析により磁界分布を求め、
磁界分布とマイナーループ用のBHカーブから透磁率を再設定し、インダクタンスの計算を調和解析で行います。

材料名

タブ

条件

Core_Nonl_Minor

透磁率

磁化特性タイプ:B-Hカーブをチェック

[マイナーループ透磁率を使用する]をチェック

  

B-Hカーブテーブル

磁界[A/m]

磁束密度[T]

0

0

58

0.42

90

0.8

180

1.19

380

1.37

1100

1.48

2000

1.55

3000

1.608

11000

1.81

20000

1.91

80000

2.15

 

こちらのBHカーブは直流印加時を想定しています。
(メジャーループと表現されます。)

透磁率

(マイナーループ用)

磁化特性タイプ:B-Hカーブをチェック

 

B-Hカーブテーブル

磁界[A/m]

磁束密度[T]

0

0

58

0.21

90

0.4

180

0.595

380

0.685

1100

0.74

2000

0.775

3000

0.84

11000

0.905

20000

0.955

80000

1.075

 

こちらのBHカーブは交流印加時を想定しています。
(マイナーループと表現されます。)

 

コイルに電流を流すため、ボディ属性は以下のように設定しています。

ここで指定した電流値が、重畳する直流の電流値となります。

交流の電流値は指定できません。直流の電流値と比べて十分小さいという前提で計算されます。

ボディ属性名

タブ

設定

Coil

電流

直流重畳解析における交流電流値を指定するにチェック

波形:交流

重畳する直流電流値:1000[A]

交流電流値:10[A]

巻数: 1[Turn]

方向:流入出面指定

流入面、流出面を選択

境界条件

設定なし

解析結果

インダクタンスの解析結果は、[解析結果]タブの、

 

 

 [テーブル] で表示できます。

この時、下図赤枠のように、交流電流の結果に切り替えが必要です。

 

コイルに流れる直流電流による磁束密度コンター図を示します。

 

結果分布表示の直流電流、交流電流の切り替えは下図のコンボボックスで可能です。

まずはFemtetを試してみたい

試用版はこちら

もっとFemtetについて詳しく知りたい

イベント・セミナー情報はこちら