
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
ループアンテナのインピーダンス特性を解析した事例を示します。
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
項目 |
条件 |
解析空間 |
3次元 |
モデル単位 |
m |
項目 |
条件 |
ソルバ |
電磁波解析[Hertz] |
解析の種類 |
調和解析 |
解析オプション |
面(辺)電極の厚みの影響を無視するをチェック※ |
※本オプションは初期設定条件ですでにチェックが入っています。本例題では面電極は
ありませんので、チェックがなくても結果には影響しません。
調和解析および開放境界の設定を以下のように行っています。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
メッシュ |
周波数依存メッシュの設定 |
参照周波数:13.56×106[Hz] 表皮厚みより厚い導体ボディを境界条件とするをチェック
本設定によってMetalの厚みが表皮厚みより厚いため、 Metalの表面は銅材料の損失を有する境界条件が適用されます。 |
メッシュのコントロール |
周期曲面の切断 最小切断数 : 12 ループアンテナの丸い形状を多角形で近似します。デフォルトでは最小切断 数6が入力されている為、6角形となりますが、近似の精度を上げるため、 ここでは12を入力し、12角形になるようにしました。 |
|
調和解析 |
周波数 |
最小 12×106[Hz] 最大 14×106[Hz] |
間隔 |
等間隔をチェック 分割数: 50 |
|
スイープの設定 |
逐次スイープを選択 |
|
入力 |
1.0[W] |
|
開放境界 |
種類 |
吸収境界 |
吸収境界の次元 |
1次 |
高速スイープを利用すると、結果として得られるインピーダンス特性が若干不自然で
あったため、高速スイープの機能は利用していません。
SolidBodyでループアンテナを作成し、ループの途中に、ポートと集中定数のCを挿入しています。ポートと
集中定数のCは、それらを挿入したい位置にSheetBodyを作成し、ポートあるいは集中定数の境界条件
の指定をしました。
ループアンテナを覆うように球状の空気部(air)半径6mを定義しています。6mは13MHzで、ほぼ波長の
1/4になります。空気部の表面には外部境界条件で指定した、開放境界が適用されます。
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ名 |
材料名 |
3/Solid |
coil |
008_銅Cu※ |
5/Solid |
coil |
008_銅Cu※ |
14/SheetBody |
転写用ボディ |
|
15/SheetBody |
転写用ボディ |
|
16/Solid |
air |
000_空気※ |
※材料データベースを利用
境界条件名/トポロジー |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
ポート_001/Face |
電気 |
入出力ポート |
基準インピーダンス: 指定する をチェックし、50Ωを入力。 モード数: 導波路の計算で求めるモード数: 5 実際に3次元解析で使用するモード数: 1 モードの選択:チェックしない |
C/Face |
電気 |
集中定数 |
容量:20.65×10-12[F] |
外部境界条件 |
電気 |
開放境界 |
解析条件の開放境界タブにて設定 |
解析の結果、以下のようなインピーダンス特性がえられました。スミスチャートの中心は50Ωです。右側の図がS11[dB](反射特性)を示したのが、次の図です。
上のS11[dB]の図において、反射する電力が大きいことが分かります。そこで、ポートの基準インピーダンスを変えて、反射を減らす事を考えました。上のスミスチャートより、13GHzでのインピーダンスが1.873-j50.502[Ω]である事がわかります。反射を少なくするには、共役な値(1.873+j50.502[Ω])を基準インピーダンスに指定します。その状態で解析した結果が、下の図です。基準インピーダンスを13GHzのインピーダンスから決めたので、13GHzで整合のとれていることが分かります。
ここで示したのと同様の計算結果を得るには、注意する点があります。基準インピーダンスを変更する前後で、同じメッシュを使う事です。例えば基準インピーダンスが変わるとアダプティブメッシュの作るメッシュも変わってしまう事に注意が必要です。基準インピーダンスを変更前後で別のプロジェクトにし、既存メッシュで解析するコマンドを使うのがよいと思います。基準インピーダンスを変更する前のプロジェクトのpdtファイルを指定して解析します。
。
電磁波解析 例題ダイポールアンテナでは、放射パターンと具体的な設定例を示しています。
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