例題21

測定端子境界を用いた熱抵抗と熱流量測定

本例題について

  • ボディの発熱と境界からの放熱を与えたモデルについて、熱流量と熱抵抗を取得する例を示します

  • 2つ目のモデルでは、境界条件「測定端子」を用いて、任意の領域に関する熱流量と熱抵抗を取得します。

解析条件

項目

条件

ソルバー

熱伝導解析[Watt]

解析空間

3次元

解析の種類

定常解析

モデル単位

mm

解析オプション

なし

モデル図

二つの直方体のソリッドボディを定義し、片方のボディにボディ属性「発熱量」を与え、もう片方の端面に境界条件「放熱・環境輻射」を与えます。

二つ目のモデルとして、ソリッドボディを切断して、両面に境界条件「測定端子」を与えます。

標準メッシュサイズは、1.0とします。

 

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/Solid

BODY

MAT

1/Solid

SOURCE

MAT_SOURCE

 

ボディ属性「SOURCE」での発熱量を以下のように設定しています。

ボディ属性名

タブ

設定

SOURCE

発熱量

0.0011[W]

 

材料「MAT」,「MAT_SOURCE」の熱伝導率を以下のように設定しています。

材料名

タブ

設定

MAT

熱伝導率

0.01[W]

MAT_SOURCE

熱伝導率

100[W]

境界条件

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

AMBIENT/Face

放熱・環境輻射

環境温度:25 [deg]
自然対流(係数自動計算)にチェック

環境輻射(表面の輻射率指定)にチェック
環境輻射:0.8

TERMINAL1/Face(モデル2のみ)

測定端子

TERMINAL2/Face(モデル2のみ)

測定端子

 

解析結果

モデル1とモデル2の熱流束ベクトル図を示します。カラーバーの単位は[W/m2]です。

モデル1に対して、モデル2は、「測定端子」を追加していますが結果は変わりません。

BODY部には10[W/m2]の熱流束が発生していることが確認できます。

断面積 100 [mm]より、BODY部に流れる熱流量は、0.001[W]となり、

発熱量として与えた熱量0.001[W]がすべて、上面へ流れていることが分かります。

 

テーブルでモデル1の熱流量を表示した結果を示します。

 

 

Q1-2では、発熱ボディSOURCE(端子1)から上面の境界AMBIENT(端子2)の向かって、0.001[W]の熱流量が流れていることが確認できます。

Q2-環境では、上面の境界AMBIENT(端子2)から、環境に向かって、0.001[W]の熱流量が放出されていることが確認できます。

境界条件として、自然対流と環境輻射を同時に設定しているため、その内訳も確認することができます。

 

次に、テーブルでモデル2の熱流量を表示した結果を示します。

Q1-2では、発熱ボディSOURCE(端子1)から測定端子TERMINAL1(端子2)の向かって、0.001[W]の熱流量が流れていることが確認できます。

Q2-3では、測定端子TERMINAL1(端子2)から測定端子TERMINAL2(端子3)の向かって、0.001[W]の熱流量が流れていることが確認できます。

Q3-4では、測定端子TERMINAL2(端子3)から上面の境界AMBIENT(端子4)の向かって、0.001[W]の熱流量が流れていることが確認できます。

 

次に、テーブルでモデル1の熱抵抗を表示した結果を示します。

R1-2では、発熱ボディSOURCE(端子1)と上面の境界AMBIENT(端子2)の間の熱抵抗が11000[deg/W]であることが確認できます。

熱伝導率 0.01 [W/m/deg]、厚み 11 [mm]、断面積 100 [mm]より、

11 x 1e-3 / ( 0.01 * 100 x 1e-6 ) = 11000 [deg/W]

となりますので、理論式とも一致します。

R2-環境では、上面の境界AMBIENT(端子2)と環境との間の熱抵抗が、1102[deg/W]であることが確認できます。

境界条件として、自然対流と環境輻射を同時に設定しているため、その内訳も確認することができます。

 

次に、テーブルでモデル2の熱抵抗を表示した結果を示します。

モデル1の発熱ボディSOURCE(端子1)と上面の境界AMBIENT(端子2)の間の熱抵抗を、
測定端子の箇所で分割した場合の熱抵抗の内訳が表示されます。

R1-2では、発熱ボディSOURCE(端子1)と測定端子TERMINAL1(端子2)との間の熱抵抗5000[deg/W]が確認できます。

R2-3では、測定端子TERMINAL1(端子2)と測定端子TERMINAL2(端子3)との間の熱抵抗1000[deg/W]が確認できます。

R3-4では、測定端子TERMINAL2(端子3)と上面の境界AMBIENT(端子4)との間の熱抵抗5000[deg/W]が確認できます。

それぞれの厚みが、5[mm]、1[mm]、5[mm]であることから、妥当な結果であることが分かります。

 

以上の結果を、等価回路として表示したものを以下に示します。

 

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