
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
p型(又はn型)の半導体に対して垂直に磁場をかけ、電流を流します。
この時試料を流れている荷電粒子は磁場によるローレンツ力を受けて電流と磁場に対して垂直に移動します。
これによって電流と磁場の両方に直交する方向に電場(ホール電場)が現れます。これがホール効果です。
本例題では、ホール効果を考慮した印加磁界に対するホール電圧、抵抗値を計算します。
本例題では、ホール素子の厚みの効果を見るために2次元モデルと3次元モデルを解析します。
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
項目 |
条件 |
解析空間 |
2次元、3次元 |
モデル単位 |
mm |
項目 |
条件 |
ソルバ |
電場解析[Coulomb] |
解析の種類 |
静解析 (抵抗値) |
解析オプション |
ホール素子解析を行うをチェック |
ホール効果を得るための外部磁界を定義します。
3次元モデルでは2次元モデルとホール電場の方向を揃えるために-Z方向に磁場をかけます。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
外部磁界(2次元) |
外部磁界 |
Y成分:79577[A/m] |
外部磁界(3次元) |
外部磁界 |
Z成分:-79577[A/m] |
2次元のモデルではシートボディでホールデバイスを設定し、周囲に電流印加用の電極と、ホール電圧取り出し用の浮き電極を設定します。
3次元のモデルではソリッドボディでホールデバイスを設定し、同様に電流印加用のの電極と、ホール電圧取り出し用の浮き電極を設定します。
ボディ No./ボディ タイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
0/Sheet (2次元モデル) |
HallDevice |
HallDevice |
4/Solid (3次元モデル) |
HallDevice |
HallDevice |
厚みの影響を見るために、3次元モデルではホールデバイスの厚み(高さ)は0.01mmとします。
ボディ属性名 |
厚み/高さ |
HallDevice (2次元モデル) |
Sheet厚み:3×10-3[mm] |
HallDevice (3次元モデル) |
0.01 [mm] |
材料名 |
導電率 |
HallDevice |
導体の種類:半導体 ホール係数:3.5×10-4[m3/C] ホール移動度:7.4[m2/V/sec] |
Current_Inには印加電流を設定し、Current_Outを電流の流出面とし、F1,F2は浮き電極とします。
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
Current_Out/EdgeとFace |
電気 |
電気壁 |
電流指定(流入面) 0.01[A] |
Current_In/EdgeとFace |
電気 |
電気壁 |
電流指定(流出面) |
F1/EdgeとFace |
電気 |
電気壁 |
浮き電極 |
F2/EdgeとFace |
電気 |
電気壁 |
浮き電極 |
浮き電極F1,F2の電位の解析結果は、[解析結果]タブの、
[テーブル] で表示できます。
2次元モデルでは浮き電極電位は下図のようになります。
これらの電位の差がホール電圧となります。
3次元モデルではホール電圧は下図のようになり、厚みの効果で2次元モデルと差異が生じています。
電位のラインコンター図を示します。
描画設定ダイアログのコンタータブにおいて分割設定の等分割の分割数を20に設定しています。
さらに電流密度のベクトル図を示します。
ホール効果によって電位分布、電流分布双方にひずみが発生していることが分かります。
まずはFemtetを試してみたい
試用版・無償版はこちらもっとFemtetについて詳しく知りたい
イベント・セミナー情報はこちら