例題10

ホール素子解析

本例題について

  • p型(又はn型)の半導体に対して垂直に磁場をかけ、電流を流します。
    この時試料を流れている荷電粒子は磁場によるローレンツ力を受けて電流と磁場に対して垂直に移動します。
    これによって電流と磁場の両方に直交する方向に電場(ホール電場)が現れます。これがホール効果です。 

  • 本例題では、ホール効果を考慮した印加磁界に対するホール電圧、抵抗値を計算します。

  • 本例題では、ホール素子の厚みの効果を見るために2次元モデルと3次元モデルを解析します。 

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

 

解析空間

項目

条件

解析空間

2次元、3次元

モデル単位

mm

解析条件

項目

条件

ソルバ

電場解析[Coulomb]

解析の種類

静解析 (抵抗値)

解析オプション

ホール素子解析を行うをチェック

 

ホール効果を得るための外部磁界を定義します。

3次元モデルでは2次元モデルとホール電場の方向を揃えるために-Z方向に磁場をかけます。

タブ設定

設定項目

条件

外部磁界(2次元)

外部磁界

Y成分:79577[A/m]
( = 1[kgauss]  )

外部磁界(3次元)

外部磁界

Z成分:-79577[A/m]
( = -1[kgauss]  )

モデル図

2次元のモデルではシートボディでホールデバイスを設定し、周囲に電流印加用の電極と、ホール電圧取り出し用の浮き電極を設定します。

3次元のモデルではソリッドボディでホールデバイスを設定し、同様に電流印加用のの電極と、ホール電圧取り出し用の浮き電極を設定します。

 

ボディ属性および材料定数の設定

ボディ No./ボディ タイプ

ボディ属性名

材料名

0/Sheet (2次元モデル)

HallDevice

HallDevice

4/Solid (3次元モデル)

HallDevice

HallDevice

 

 

厚みの影響を見るために、3次元モデルではホールデバイスの厚み(高さ)は0.01mmとします。

ボディ属性名

厚み/高さ

HallDevice (2次元モデル)

Sheet厚み:3×10-3[mm]

HallDevice (3次元モデル)

0.01 [mm]

 

材料名

導電率

HallDevice

導体の種類:半導体

ホール係数:3.5×10-4[m3/C]

ホール移動度:7.4[m2/V/sec]

境界条件

Current_Inには印加電流を設定し、Current_Outを電流の流出面とし、F1,F2は浮き電極とします。

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

Current_Out/EdgeとFace

電気

電気壁

電流指定(流入面) 0.01[A]

Current_In/EdgeとFace

電気

電気壁

電流指定(流出面)

F1/EdgeとFace

電気

電気壁

浮き電極

F2/EdgeとFace

電気

電気壁

浮き電極

 

解析結果

浮き電極F1,F2の電位の解析結果は、[解析結果]タブの、

 

 

 [テーブル] で表示できます。

 

2次元モデルでは浮き電極電位は下図のようになります。

 

 

これらの電位の差がホール電圧となります。

3次元モデルではホール電圧は下図のようになり、厚みの効果で2次元モデルと差異が生じています。

 

 

電位のラインコンター図を示します。

描画設定ダイアログのコンタータブにおいて分割設定の等分割の分割数を20に設定しています。

 

 

さらに電流密度のベクトル図を示します。

 

ホール効果によって電位分布、電流分布双方にひずみが発生していることが分かります。

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