例題30

温度依存性のある異方性線膨張係数材料

本例題について

  • 温度依存性のある異方性線膨張係数を有する材料が熱荷重によって変形する状態をシミュレーションした例を示します。

  • 多段階熱荷重解析で複数の到達温度を設定し、応力分布が到達温度によって変化する様子を示します。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

一様な(局所的な分布のない)温度変化による熱応力解析をしますので、

解析オプションとして熱荷重を設定して、基準温度と到達温度を設定します。

熱伝導解析[Watt]との連成解析をする必要はありません。

項目

条件

ソルバ

応力解析[Galileo]

解析の種類

静解析

解析オプション

熱荷重をチェック

 

ステップ/熱荷重タブの設定を以下のように行っています。

この設定により、3つの温度を到達温度とする熱荷重解析が順番に行われます。

タブ設定

設定項目

条件

ステップ/熱荷重

ステップ設定

多段階熱荷重解析

基準温度

25[deg]

ステップ/到達温度設定

解析ステップ

分割ステップ

到達温度[deg]

1

1

50

2

1

75

3

1

100

 

モデル図

正六面体のボディに温度依存性のある異方性線膨張係数をもつ材料を設定し、さらに外部境界条件には変位の

完全固定を設定しています。

ボディ属性および材料の設定

材料定数は以下のように設定しています。線膨張係数の温度依存性は25-50,50-75,75-100各温度範囲において

成分1,2,3が個別に10[ppm/degree]となるように設定しています。

材料名

タブ

定数

材料定数_001

弾性定数

材料の種類:弾性-等方性

温度依存性:なし

ヤング率: 1×109[Pa]

ポアソン比: 0.3

線膨張係数

温度依存性: あり

異方性: 異方

 

線膨張係数の温度依存性は以下のように設定しています。

ボディ属性の方向は初期設定のままですので線膨張係数の成分1,2,3はそれぞれ

直交座標系のx,y,z成分に対応します。

 

 

※本特性は架空の材料特性であり実在する材料の特性ではありません。

境界条件

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

外部境界条件

機械

変位

XYZ全成分のチェックボックスをオン

UX=0, UY=0, UZ=0

解析結果

到達温度50度における主応力を示します。

25度から50度にかけてはX成分のみ膨張が発生しますが、外部境界が固定されていますので結果的に主に

X成分の大きな圧縮応力が発生していることが分かります。

 

到達温度75度における主応力を示します。

50度から75度にかけてはX成分の膨張は発生しませんが、Y成分の膨張が追加発生しますので、50度の

結果に対してさらにY成分の圧縮応力が加わった結果となっています。

 

到達温度100度における主応力を示します。

75度から100度にかけてはX成分、Y成分の膨張は発生しませんが、Z成分の膨張が追加発生しますので

75度の結果に対してさらにZ成分の圧縮応力が加わった結果となっています。

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