
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
本例題でははんだを温度依存性を有する弾塑性バイリニア材料として熱荷重解析した事例を示します。
到達温度における塑性ひずみや累積相当塑性ひずみを解析結果として見ることができます。
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
弾塑性解析は特別オプション機能です。
項目 |
条件 |
解析空間 |
2次元 |
モデル単位 |
mm |
本例題では簡易的な2次元解析モデルを扱います。
熱荷重の解析オプションを選択します。
項目 |
条件 |
ソルバ |
応力解析[Galileo] |
解析の種類 |
静解析 |
解析オプション |
熱荷重をチェック |
ステップ/熱荷重タブの設定を以下のように行っています。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
|||||
ステップ/熱荷重 |
基準温度 |
125[deg] |
|||||
ステップ/到達温度設定 |
|
||||||
非線形解析オプション |
分割ステップの結果を出力する:チェック 徐荷ステップを追加する:チェック |
125度を基準温度(無応力温度)と設定し、-45度(室温)に降温し、再び125℃に戻した場合の塑性変形を評価します。
計算時間の短縮のため分割ステップ数を初期値20より少なめにしています。
また除荷解析をオンにすることで一旦温度を基準温度(125度)から到達温度(-45度)に降下させてから
基準温度(125度)に戻すプロセスまで含めて解析しています。
さらに分割ステップの結果の出力をオン(初期条件)にしているため、途中の温度における結果も出力されます。
線膨張係数などが異なる材料(シリコンとガラエポ)をはんだで接合した構造の熱荷重解析をします。
対称モデルとしていますので、「対称/不連続タブ」で「対称面」を設定します。
またはんだ(ボディ属性SB)にメッシュサイズ0.1を設定しています。
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
0/Sheet |
PCB |
006_ガラスエポキシ |
1/Sheet |
CHIP |
301_シリコン(結晶) |
3/Sheet |
SB |
SOLDER |
はんだ(SOLDER)の材料定数は以下のように設定しています。
材料名 |
タブ |
定数 |
SOLDER |
弾性定数 |
材料の種類: 弾塑性バイリニア 塑性硬化則: 移動硬化※ 材料定数: 下表参照
ひずみ-応力グラフ: |
線膨張係数 |
21.7×10-6[1/deg] |
※プロジェクトファイルには、等方硬化のモデルも入っています。
参考:
獅子原祐樹,松浪弘貴,松嶋道也,福本信次,藤本公三(大阪大学)
「温度サイクル負荷における材料特性変化がはんだ接合部の疲労特性に及ぼす影響」Mate2010-13
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
Fix/Edge |
機械 |
変位 |
XZ成分のチェックボックスをオン UX=0, UZ=0 |
Sym_x/Edge |
対称/不連続 |
対称 |
対称面 |
ステップ1(到達温度-40度)での塑性ひずみの主ひずみ表示結果を以下に示します。
対称面を設定しているので、全体モデルが表示されます。
はんだとCHIP界面において塑性ひずみが集中して発生していることが分かります。
ステップ1での累積相当塑性ひずみのコンター表示を示します。
右側のはんだボディの右上の点で特に塑性ひずみが集中していることが分かります。
次にステップを横軸にして塑性ひずみの集中点付近での累積相当塑性ひずみを縦軸プロットしたグラフを示します。
参考までにはんだの塑性硬化則が等方硬化の場合との比較をしています。
今回の結果では0から1までが125→-40度への温度降下を10分割で段階的に行った結果、
1~2までが-40→125度へ温度を10分割で段階的に戻した(除荷した)結果を示しています。
この結果より、除荷ステップにおいても累積相当塑性ひずみは増加しており、その増加度合いは等方硬化
よりも移動硬化の方が顕著であることが分かります。
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