例題40

弾塑性マルチリニア材料の変形解析

本例題について

  • 弾塑性マルチリニア材料が強制変位によって塑性変形した状態をシミュレーションした例を示します。

  • 変形の状態や変位分布、応力分布を解析結果として見ることができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

  • 弾塑性解析は特別オプション機能です。

 

解析空間

項目

条件

解析空間

軸対称

モデル単位

m

 

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

応力解析[Galileo]

解析の種類

静解析

 

ステップ/熱荷重タブにて非線形解析の設定を以下のように設定しています。結果を全て出力しています。

タブ設定

設定項目

条件

ステップ/熱荷重

ステップ/到達温度設定

ステップ1の分割ステップ:10

非線形解析オプション

分割ステップの結果を出力する:チェック

分割ステップ数は初期値の20から10の半分に設定しています。変位を10%ずつ段階的に加えていきます。

分割ステップの結果の出力をオン(初期条件)にしているため、最大変位に至るまでの10ステップの結果を全て確認することができます。

モデル図

径の大きい部位と小さい部位を有する軸対称性のあるアルミニウム(A1100)の棒に対して

に対して軸方向に強制変位を印加します。 

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

2/SheetBody

ボディ属性_001

A1100(ML)

 

材料定数は以下のように設定しています。

材料名

タブ

定数

A1100(ML)

弾性定数

材料の種類:弾塑性マルチリニア

ヤング率: 69×109[Pa]

ポアソン比: 0.3

 

塑性ひずみ-応力多直線:

グラフのみ示します(数値は多直線テーブル参照)

出典記載のアルミニウム(A1100)の応力ひずみ曲線

近似曲線式σ=175(εp)^0.29の関係 を基に設定

 

降伏応力は上の式でεp=0.002の場合のσ(=28.9MPa)と設定

多直線テーブル上では(εp,σ)=(0, 28.9)と定義

 

出典:塑性加工便覧 日本塑性加工学会編 1105p コロナ社

境界条件

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

Sym_z/Edge

対称/不連続

対称

対称面のチェックボックスをオン

Pull_z/Edge

機械

変位

Z成分のチェックボックスをオン

UZ=0.2×10-3

解析結果

ステップ1における変形図を示します。

コンター図は変位の累積相当塑性ひずみを示してます。

描画設定の変形図タブにおいて等倍をチェックしています。

また、対称モデルの全体モデル表示をオンにしています。

 

 

径の小さい部位において塑性ひずみが集中して発生していることが分かります。

 

原点(0,0,0)における累積相当塑性ひずみおよびミーゼスの相当応力を横軸をモードとして出力した結果を以下に示します。

 

・累積相当塑性ひずみ

・ミーゼスの相当応力

変位が増大するにつれて塑性ひずみはほぼ線形に増大し、応力は非線形に増大していることが分かります。

 

次に上の2つのグラフのデータをCSV出力(右クリックメニュー)し、表計算ソフト上においてデータ編集し、

横軸を累積相当塑性ひずみ、縦軸をミーゼスの相当応力としたプロット(赤プロット)を示します。

比較のため、A1100(ML)の塑性ひずみ-応力多直線データ(青プロット)も合わせてプロットしました。

両者のプロットは良く一致しており、弾塑性マルチリニア材料特有の塑性ひずみと応力の非線形性

解析結果にも反映されていることが分かります。

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