
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
リングの内側に、リング内径より外径が少し大きい軸をはめ込んだときの、リングおよび軸に発生する応力を解析した例を示します。
リング外径 d2 = 50mm、はめ込み後のリング内径(軸外径) d1 = 40mm、
軸外径とリング内径の差(しめ代) 2δ = 0.2mmとします。
リングおよび軸の変位分布や応力分布を解析結果として見ることができます。
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
項目 |
条件 |
解析空間 |
3次元 |
モデル単位 |
mm |
項目 |
条件 |
ソルバ |
応力解析[Galileo] |
解析の種類 |
静解析 |
解析オプション |
なし |
異なる径を持つ2つの円柱のソリッドボディを作成し、差のブーリアン演算(引くボディを残すにチェック)を行うことで、
軸とリングのモデルを作成することができます。
リングの内側の面トポロジに簡易接触の境界条件を設定しています。
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
0/Solid |
AXIS |
001_アルミニウムAl※ |
0/Solid |
RING |
001_アルミニウムAl※ |
※材料データベースを利用
しめ代0.2mm分の変形を考慮するため、AXISボディに、0.2mm / 40mm = 0.005 の初期ひずみを設定します。
BODY属性名 |
初期ひずみ |
AXIS |
軸ひずみ/等方/0.005 |
リングと軸は固着していないので、境界面に簡易接触を設定します。
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
CONTACT/Face |
機械 |
簡易接触 |
自動判定 |
応力ベクトル図を示します。
リングの周方向には引張応力、軸には面内方向に圧縮応力が発生しています。
軸とリングの界面に発生する接触面圧力の理論式は、
P = Eδ(d2^2 – d1^2 ) / (d1 * d2^2)
P:接触面圧力[Pa]、E:ヤング率[Pa]、δ[m]:しめ代、d2[m]:リング外径、d1[m]:リング内径
で表わされます。今回の条件について計算を行うと、
P = 6.85 x 10^10 * 0.1 * ( 50^2 – 40^2 ) / ( 40 * 50^2)
= 6.165 x 10^7
という結果が得られます。
以下に、接触面圧の大きさをコンター図で表示したものを示します。
理論式から得られる応力6.165 x 10^7Paと同等の応力が発生していることが確認できます。
参考文献:
沖島喜八 著 「材料力学演習500題」 日刊工業新聞社
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