例題47

剥離を考慮した接触解析

本例題について

  • 剥離を考慮した簡易接触を用いた解析事例を示します。

  • 剥離を考慮しない場合と考慮した場合で結果を比較しています。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解析空間

 

項目

条件

解析空間

2次元解析

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

応力解析[Galileo]

解析の種類

静解析

解析オプション

熱荷重をオン

 

ステップ/熱荷重解析タブの設定を以下のように行っています。

タブ設定

設定項目

設定内容

ステップ/熱荷重

ステップ設定

多段階熱荷重解析

基準温度

25[deg]

ステップ/到達温度設定

ステップ

分割ステップ数

到達温度[deg]

1

1

50

2

1

0

3

1

-25

 

 

モデル図

上下面を固定した板の間に二つのボディ(Cube)を挟み込んだモデルです。

Cubeの下側の界面に簡易接触境界を設定し、左側と右側で以下のようにその扱いを変えています。 

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/SheetBody

Fixed_Plate

Plate

1/SheetBody

Fixed_Plate

Plate

2/SheetBody

Bond_Cube

Cube

3/SheetBody

Bond_Cube

Cube

 

材料定数は以下のように設定しています。Cubeにのみ線膨張係数を設定しています。

材料名

タブ

定数

Plate

弾性定数

材料の種類:弾性-等方性

ヤング率:1.0×109[Pa]

ポアソン比: 0.3

線膨張係数

0.0 [1/deg]

Cube

弾性定数

材料の種類:弾性-等方性

ヤング率:1.0×109[Pa]

ポアソン比: 0.3

線膨張係数

10.0 [1/deg]

境界条件

右側の簡易接触境界には剥離強度5kPaを設定しています。

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

Fix/Edge

機械

変位

X,Z成分のチェックボックスをオン

UX=0、UZ=0

Auto_Free/Edge

機械

簡易接触

簡易接触の扱い:

 自動判定

自動判定の扱い:

 摩擦係数=0.0

 剥離を考慮する=オフ

 

Auto_w_Tear/Edge

 

機械

簡易接触

簡易接触の扱い:

 自動判定

自動判定の扱い:

 剥離を考慮する=オン

 剥離強度 5×103[Pa]

解析結果

それぞれのステップの結果について主応力、変形図(変形倍率は200倍に強調)を示します。

 

ステップ1(到達温度50度)における結果を示します。

 

                          すべり                  固着

 

 

温度が上昇してCubeがそれぞれ膨張し、内部で圧縮応力が発生していることが分かります。

簡易接触を設定した界面は、設定の違いによって左側は「すべり」、右側は「固着」となるため

圧縮の主応力の向きと変形形状が異なっていることが分かります。

 

ステップ2(到達温度0度)における結果を示します。

 

                       開放                 固着   

 

 

温度が下降してCubeがそれぞれ収縮し、内部で引張り応力が発生していることが分かります。

簡易接触を設定した界面は、左側は引張り応力が発生したため「開放」、右側は引張り応力が

剥離強度5kPaよりも低いため「固着」となっています。

 

ステップ3(到達温度-25度)における結果を示します。

 

             開放                 開放

 

 

温度がさらに下降したため、簡易接触を設定した右側の界面においても、剥離強度を超える引張り応力が

発生し、「開放」状態となったことが分かります。

 

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