例題55

回転変位による板の曲げ解析

本例題について

  • 回転変位を用いて板を90°の角度で曲げる解析の例を示します。

  • 回転変位のオプション「半径を一定に保ちながら回転させる」をチェックした場合と、チェックしなかった場合での解析結果を比較します。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

解析条件

90°の曲げは、変形が大きいため、大変形の「大変位」オプションをチェックして解析します。

 

項目

条件

ソルバ

応力解析[Galileo]

解析の種類

静解析

大変形

大変位をチェック

 

ステップ/熱荷重タブの設定を以下のように行っています。

タブ設定

設定項目

条件

ステップ/熱荷重

複数ステップ解析オプション

分割ステップの結果を出力する:オフ

 

モデル図

長さ200mmの直方体のソリッドボディを定義し、鉄の材料を設定します。

左端をx方向に固定し、左側底面50mmの領域をz方向に固定し、
板中央を中心として、90°の曲げを発生させるため、右側上面の50mmの領域を回転変位に設定します。

標準メッシュサイズは、2を設定します。

 

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/Solid

PLATE

007鉄Fe※1

1,2/Face

設定しない※2

設定しない※2

※1 データベースを利用

※2 境界条件を付与するための転写用ボディ

境界条件

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

xFix/Face

機械

変位

X成分のチェックボックスをオン
UX=0

zFix/Face

機械

変位

Z成分のチェックボックスをオン
UZ=0

Rot/Face

機械

回転変位

軸上の座標
(100, 0.0, 2)

軸のベクトル
(0.0, 1, 0.0)

回転角度
90 [deg]

半径を一定に保ちながら回転させる
モデル1:チェックししない、モデル2:チェックする

 

解析結果

モデル1の変形図を示します。コンター図はそれぞれX方向の変位、Z方向の変位を示してます。

 

板の先端と中間の点二カ所の点の変位を取得すると、
X方向の変位は、-50と-100となり、与えた回転変位通りとなっています。

一方、Z方向の変位は、-75.856、-125.857となっています。

これは、半径が一定で回転した場合の変位-50、-100よりも大きくなっており、回転中に半径の変化が発生しています。

 

また、テーブルで境界条件「Rot」に働く反力を確認すると、

y方向、z方向はほぼゼロになっており、X方向のみに-798 [N] の反力が働いています。

「半径を一定に保ちながら回転させる」にチェックを入れない場合、回転方向にまっすぐ力を与えながら回転させていることになります。

 

次に、モデル2の変形図を示します。コンター図はそれぞれX方向の変位、Z方向の変位を示してます。

モデル1とは異なり、複雑に屈曲していることが確認できます。

 

板の先端と中間の点二カ所の点の変位を取得すると、
X方向の変位は、-50と-100となり、与えた回転変位通りとなっています。

また、Z方向の変位も、-50、-100となっています。

これは、半径が一定で回転していることを示します。

 

また、テーブルで境界条件「Rot」に働く反力を確認すると、

y方向はほぼゼロになっており、X方向に-4759 [N]、Z方向に4727[N] の反力が働いています。

モデル1とは異なり、Z方向にも大きな力が発生しています。

「半径を一定に保ちながら回転させる」にチェックを入れる場合、半径を一定に保つために押し上げる力が必要になるため、
Z方向に強い反力が発生します。

 

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