
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
自重によりたわんだ状態の梁を初期状態とした共振解析を行った例を示します。
梁には張力が発生しており、たわみにより共振周波数が変化します。
「初期応力を考慮した解析」の機能を使用します。詳細は「初期応力を考慮した解析」を参照してください。
解析①として、自重によるたわみを静解析で行います。たわみを正確に計算するため、大変位解析を行っています。
解析②として、解析①を初期状態として共振解析を行います。
変形の状態や変位分布、応力分布を解析結果として見ることができます。
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
項目 |
条件 |
解析空間 |
3次元 |
モデル単位 |
mm |
解析モデルを二つ用意します。
境界条件、材料定数、ボディ属性の設定はほとんどが二つの解析モデルで共通のため、
条件設定後に解析モデルをプロジェクト内に複製して使用します。
二つの解析モデル名を解析モデル①:「Weight_Static」、解析モデル②:「Resonant」とします。
解析①は以下のように設定します。
自重を考慮するため、加速度オプションを使用します。
たわみを正確に計算するために、大変位を使用します。
項目 |
条件 |
ソルバ |
応力解析[Galileo] |
解析の種類 |
静解析 |
解析オプション |
加速度をチェック |
大変形 |
大変位をチェック |
ステップ/熱荷重タブの設定を以下のように行っています。解析時間短縮のため、分割ステップをデフォルトより小さく設定しています。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
ステップ/熱荷重 |
ステップ/到達温度設定 |
ステップ1の分割ステップ:5 |
加速度タブの設定を以下のように行っています。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
加速度 |
加速度 |
X=Y=0.0、Z=-9.8[m/s2] |
解析②は以下のように設定します。
解析①の結果を用いて解析するため、初期応力オプションを使用します。
項目 |
条件 |
ソルバ |
応力解析[Galileo] |
解析空間 |
3次元 |
解析の種類 |
共振解析 |
単位 |
mm |
解析オプション |
初期応力(結果インポート)をチェック |
結果インポートタブを以下のように行います。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
結果インポート |
結果の指定方法 |
解析モデル指定で |
直方体のソリッドボディを定義し、材料を設定します。
両端に固定の境界条件を設定します。
標準メッシュサイズは、0.5を設定します。
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
0/Solid |
Beam |
Beam |
材料定数は文献の理論値と比較するため、以下の材料定数を使用します。
材料名 |
タブ |
定数 |
Beam |
弾性定数 |
ヤング率: 210×109[Pa] ポアソン比: 0.3 |
密度 |
7.8 × 103[lg/m3] |
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
fix/Face |
機械 |
変位 |
XYZ全成分のチェックボックスをオン UX=0, UY=0, UZ=0 |
解析①の変形図を示します。補正倍率を50倍に変更しています。
コンター図は変位の大きさを示してます。
中央の点(53,5,0.1)の変位の変化を示します。変位量がステップに比例しておらず、
ステップが進むにつれて変位が抑制されていることがわかります。
これは、たわみにより、梁に張力が発生していることを意味します。
このような計算を行うためには、大変位の計算が必須になります。
解析②では、振動成分と初期応力成分を表示することができます。
振動成分の1つ目のモードの変形図を示します。補正倍率は自動で表示しています。
解析①と同様の振動成分になっていることが確認できます。
テーブルで共振周波数の結果を表示した結果を示します。
参考として、初期応力(結果インポート)のチェックを外し、たわみを考慮しないで計算した共振周波数を以下に示します。
二つのデータを比較することにより、自重により共振周波数が上昇していることが確認できます。
これらの結果は、以下の論文に示されている理論値と一致します。
日本機械学会論文集(C編) 70巻 696号 (2004-8) p2211-2218
山口誉夫、堺本和也、永井健一、丸山真一「自重で形状が変化する二次元柔軟はり構造の固有振動数」
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