例題34

受信コイルの起電力(NFC)

本例題について

  • 外部の交流磁界でNFC受信コイル(13.56MHz)に誘導電流が流れることにより発生する
    起電力の解析例を示します。

  • 起電力が発生する電気的経路には積分路を定義する必要があります。

  • 起電力、磁界ベクトルや磁束密度ベクトルを解析結果として見ることができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

 

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

磁場解析[Gauss]

解析の種類

調和解析

解析オプション

なし

 

調和解析の周波数を13.56[[MHz]とします。

またZ方向の外部磁界を設定しています。

これにより外部磁界が13.56[Hz]の周波数をもつ交流磁界として考慮されます。

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

周波数依存メッシュの設定

参照周波数:13.56×106[Hz]

調和解析

スイープタイプ

ひとつの周波数

周波数

13.56×106[Hz]

外部磁界

外部磁界

入力タイプ: 磁界

X=0、Y=0、Z=1[A/m]

モデル図

NFC受信コイル(Coil)を定義しています。

受信コイルのサイズは72[mm]*42[mm]です。

 

 

コイル(Coil)には、起電力計測用に抵抗値が十分大きいボディ(R)を挟んでいます。

起電力の算出は、電流の経路に沿って積分路の境界条件を設定しておけば、積分路上の電界(電流密度*抵抗値)を積分して算出されます。

本来、Rのボディは不要で、ループコイルの電流経路に沿って積分路を設定すれば良いのですが、コイルの電流密度は断面で一定ではないため、正確に計算できません。

コイルに対して十分大きい抵抗値を持つRのボディを挿入し、その電流経路に積分路を設定することで、

電位差がほとんどこのRのボディで発生し、且つRのボディの電流密度は断面でほぼ一定となるため、正確に計算できます。

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

6/Solid

Coil

008_銅Cu※

5/Solid

R

R

※材料データベースを利用

本例題のコイル(Coil)は交流磁界を受けて誘導電流 が流れることを想定しているため、
積極的に電流を流す設定(ボディ属性の電流タブ設定や入出力ポートの境界条件設定)は行っていません。

 

以下のようにボディ(R)の導電率をコイルに対して十分低い値としています。

材料名

タブ

条件

R

導電率

導体の種類:導体

導電率:1[S/m]

境界条件

起電力を計算するためのボディ(R)の電流経路を積分路として定義します。

また、外部境界は磁気壁に変更しています。

外部磁界を使用した場合、磁気壁でないと正しく外部磁界がかからないためです。

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

Integral/Edge

電気

積分路

 

外部境界条件

電気

磁気壁

 

解析結果

起電力の解析結果は、[解析結果]タブの、

 

 

 [テーブル] で表示できます。

 

 

出力された複素数値の絶対値が発生する起電力の振幅にあたります。

0.335「V]程度の起電力が発生することがわかります。

 

理論値はV=jωSB=j*2*π*13.56*10^6*0.072*0.042*1*μ0=j0.324[V]ですので、

近い値が得られていることがわかります。

 

 

電流密度の解析結果を示します。

 

 

磁界ベクトル分布をYZ面の断面図で示します。

外部磁界タブで設定した磁界が発生していることが分かります。

 

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