例題2

IHクッキングヒーター

本例題について

  • 磁場解析と熱伝導解析の連成解析(誘導加熱)の事例を示します。

  • 磁場解析でコイルの交流電流によりフライパンに発生する誘導電流によるジュール損失を計算し、
    熱伝導解析で、ジュール熱による発熱を計算します。

  • 磁界ベクトルや発熱後の温度分布を解析結果として見ることができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

磁場解析[Gauss]

熱伝導解析[Watt]

解析の種類

磁場解析:  調和解析

熱伝導解析: 定常解析

解析オプション

なし

 

交流電流の周波数を10kHzとします。

タブ設定

設定項目

条件

調和解析

周波数

最小:10×103[Hz]

最大:10×103[Hz]

間隔

等間隔: 分割数0

 

メッシュタブを以下のように設定しています。

導体表面処理タイプを表面インピーダンス境界とすることで、短時間で精度良く解析できます。

表面インピーダンス境界は電流を印加した導体の誘導電流をなしに設定した場合(無視して良い場合)に使用可能です。

導体表面処理タイプについての詳細は「メッシュの設定」の[周波数依存メッシュの設定]を参照。

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

メッシュ設定

標準メッシュサイズを自動的に決定する:OFF

標準メッシュサイズ:20[mm]

周波数依存メッシュの設定

参照周波数: 10×103[Hz]

導体表面処理タイプ: 表面インピーダンス境界を適用する

モデル図

フライパン(Metal)とコイル(Coil)をソリッドボディで定義しています。

自動作成される空気は磁場解析でのみ有効で、熱伝導解析では解析対称外となります。

ボディ属性および材料の設定

コイル(Coil1,Coil2)とフライパン(Metal)は磁界が集中しますのでメッシュサイズを小さめに設定しています。

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

1/Solid

Coil1

008_銅Cu※

3/Solid

Coil2

008_銅Cu※

11/Solid

METAL

METAL

10/Solid

※材料データベースを利用

 

材料定数は以下のように設定しています。

材料名

タブ

定数

熱伝導率

熱伝導率:0.5[W/m/deg]

METAL

透磁率

比透磁率:5×103

導電率

導体の種類:導体

導電率:1×107

熱伝導率

熱伝導率:80

 

ループコイルに電流を流すため、ボディ属性は以下のように設定しています。

Coilは熱伝導解析では使用しませんので、磁場解析でのみ解析領域に設定します。

ボディ属性名

タブ

設定

Coil

電流

波形:交流

電流値: 10[A]

巻数: 20[Turn]

誘導電流: なし

方向:ループコイル/磁場方向指定

磁場方向ベクトル:X=0、Y=0、Z=1

解析領域

磁場/Gaussで使用

境界条件

外部境界条件(熱解析ではフライパンの周囲に付与される)に自然対流(係数自動計算)を設定しています。

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

外部境界条件※

放熱・環境輻射

自然対流(係数自動計算)

室温: 25 [deg]

 

※外部境界条件は[モデル]タブの
 


 

[外部境界条件] をクリックして設定できます。

解析結果

ループコイルによって発生する磁界ベクトルの解析結果を示します。

 

電流密度ベクトルの解析結果を示します。

フライパン(Metal)に誘導電流が発生していることが分かります。

 

熱伝導解析の結果として、温度のコンター図を示します。

フライパン(Metal)の温度が約110度まで上昇していることが分かります。

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