例題2

非可逆素子

本例題について

  • 3つの入出力ポートを有する方形導波管と円柱形状のフェライトを用いて構成された非可逆素子の解析事例を示します。

  • 非可逆素子の入出力特性(Sパラメータ)を解析結果として確認することができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

  • 「計算時間の短縮方法」

 

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

電磁波解析[Hertz]

解析の種類

調和解析

解析オプション

面(辺)電極の厚みの影響を無視するをチェック※

出力するフィールドデータの指定:出力しない

※本オプションは初期設定条件ですでにチェックが入っています。本例題では面電極は

 ありませんので、チェックがなくても結果には影響しません。

 

調和解析の設定を以下のように行っています。

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

要素の種類

2次要素

マルチグリッド/アダプティブ法

アダプティブメッシュを使用するをチェック

周波数依存メッシュの設定

参照周波数:10×109[Hz]

表皮厚みより厚い導体ボディ境界条件とするをチェック

 

本例題のモデルでは導体ボディは用いられていませんので

上記設定としています。

調和解析

周波数

最小 0.8×1010[Hz]

最大 1.2×1010[Hz]

間隔

等間隔をチェック

分割数: 20

入力

1.0[W]

 

モデル図

Y字型の方形導波管のソリッドボディはボディの回転複製とブーリアン演算の和を利用して作成しています。

3つの入出力ポート面には境界条件として入出力ポートを設定しています。

入出力ポート以外の方形導波管の壁面には外部境界条件の電気壁を設定することで導波管としています。

ボディ属性および材料定数の設定

フェライトのみメッシュサイズとして1を設定しています。

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

メッシュサイズ

3/Solid

Air

000_空気※

1

4/Solid

Ferrite

Ferrite

 

※材料データベースを利用

 

フェライト(Ferrite)に印加する静磁界をボディ属性で設定しています。

ボディ属性名

タブ

材料名

Ferrite

静磁界

1.00×104[A/m]

 

材料Ferriteの材料定数は以下のように設定しています。

材料名

タブ

定数

Ferrite

誘電率

比誘電率: 1.1×101

透磁率

テンソル透磁率を使うをチェック

磁石

磁化の強さ: 1.3×10-1

 

フェライトの物性:

  ΔH: 7.958×103 [A/m]

  g係数: 2.0×100

(※)磁石の特性は参考文献の値を使わせていただきました。多結晶フェライト(Mg・Mn・Al系)の飽和磁化1300[Gauss]、磁気共鳴半値幅 100[Oe]、

   比誘電率11、tanδ=0.0015。      1300[Gauss] = 0.13[T].     100[Oe] = 7958[A/m]。

参考文献:マイクロ波回路の基礎とその応用 第6章フェライトを用いた回路  小西良弘著 総合電子出版社

境界条件

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

PORT1/Face

電気

入出力ポート

基準インピーダンス:
 ポート構造から算出される特性インピーダンスを使う

 をチェック

モード数:

 導波路の計算で求めるモード数: 5

 実際に3次元解析で使用するモード数: 1

  モードの選択:チェックしない

PORT2/Face

電気

入出力ポート

PORT1と同じ

PORT3/Face

電気

入出力ポート

PORT1と同じ

外部境界条件

電気

電気壁

 

 

 

導体面の処理について補足:

Airの外部境界(境界条件が未設定で外部と接している境界)には外部境界条件として電気壁が設定され、完全導体面として

扱われます。

解析結果

非可逆素子のPORT1とPORT2間の入出力特性(Sパラメータ)の解析結果を示します。

10GHz前後においてPORT1とPORT2の間でアイソレーション特性が見られることが分かります。

 

 

 

 

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