例題5

空洞共振器

本例題について

  • 空洞共振器(λ/4同軸共振器)で構成したフィルタの特性を解析した事例を示します。

  • フィルタの帯域通過特性を解析結果として確認することができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

  • 「計算時間の短縮方法」

 

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

電磁波解析[Hertz]

解析の種類

調和解析

解析オプション

面(辺)電極の厚みの影響を無視するをチェック※

※本オプションは初期設定条件ですでにチェックが入っています。本例題では面電極は

 ありませんので、チェックがなくても結果には影響しません。

 

調和解析の設定を以下のように行っています。

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

要素の種類

2次要素

マルチグリッド/アダプティブ法

アダプティブメッシュを使用するをチェック

周波数依存メッシュの設定

参照周波数:1×109[Hz]

表皮厚みより厚い導体ボディ境界条件とするをチェック

 

周波数依存メッシュの設定によってMetalの厚みが表皮厚みより厚いため、

Metalの表面は銅材料の損失を有する境界条件が適用されます。

調和解析

周波数

最小 0.95×109[Hz]

最大 1.05×109[Hz]

間隔

等間隔をチェック

分割数: 40

スイープの設定

高速スイープを選択 

入力

1.0[W]

 

モデル図

片面が開放端である空洞共振器を結合窓で結合させ、入出力部では磁気ループにて外部結合を

行っている形態の2段フィルタのモデルを作成しています。

全体図
入出力ポート部の拡大

 

ボディ属性および材料定数の設定

同軸共振器や入出力ポートから伸びる同軸ケーブルを構成するCAV、METALはブーリアン演算して

おりませんので、空間的に重複していますが、メッシュ作成の際には自動的にブーリアン演算されます。
共振器間の結合窓は転写用ボディ(ボディNo.4)を配置し、それに電気壁の境界条件を設定することで

モデル化しています。また、後述する積分路の境界条件を設定するために入出力ポートにはワイヤボディ
を作成しています。

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/Solid

CAV

000_空気※

1/Solid

METAL

008_銅Cu※

2/Solid

METAL

008_銅Cu※

3/Solid

CAV

000_空気※

4/Sheet

転写用ボディ

 

5/Solid

METAL

008_銅Cu※

6/Solid

METAL

008_銅Cu※

8/Solid

CAV

000_空気※

9/Solid

METAL

008_銅Cu※

10/Solid

METAL

008_銅Cu※

11/Solid

METAL

008_銅Cu※

14/Solid

METAL

008_銅Cu※

15/Solid

CAV

000_空気※

※材料データベースを利用

境界条件

フィルタの入出力部に入出力ポート境界条件(PORT1,PORT2)を設定しています。
また、2導体系のポートにはグランド-ホット間に積分路を設定する必要があります。

この積分路はポートの特性インピーダンスを算出するために使用され、その算出値は

Sパラメータを基準インピーダンスに応じて変換する際に使用されます。

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

PORT1/Face

電気

入出力ポート

基準インピーダンス:
 指定するをチェックし、50[Ω]

モード数:

 導波路の計算で求めるモード数: 5

 実際に3次元解析で使用するモード数: 1

  モードの選択:チェックしない

PORT2/Face

電気

入出力ポート

PORT1と同じ設定

EW/Face

電気

電気壁

 

MW/Face

電気

磁気壁

 

外部境界条件

電気

電気壁

 

 

導体面の処理について補足:

airとMetalの境界面はMetalの材料による損失導体面として扱われますが、airの外部境界
(境界条件が未設定で外部と接している境界)には外部境界条件として電気壁が設定され、
完全導体面として扱われます

解析結果

空洞共振器フィルタの通過特性および反射特性(S12とS11)の解析結果を示します。

 

1.01GHz前後において通過特性が得られていることが分かります。

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