
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
”開放境界に起因する電磁界の誤差を補正する”機能を利用して、微小ダイポールアンテナの電磁界を補正します。
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
項目 |
条件 |
ソルバ |
電磁波解析[Hertz] |
解析空間 |
3次元 |
解析の種類 |
調和解析 |
単位 |
mm |
解析オプション |
開放境界に起因する電磁界の誤差を補正するをチェック※ |
調和解析および開放境界の設定を以下のように行っています。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
調和解析 |
スイープタイプ |
一つの周波数 |
周波数 |
3×106[Hz] |
|
スイープの設定 |
逐次スイープ |
|
入力 |
1.0[W] |
|
開放境界 |
種類 |
吸収境界 |
吸収境界の次元 |
1次 |
PECとポートで構成される微小ダイポールアンテナの周囲に空気領域を作っています。”補正”というボディは、電磁界補正する領域です。計算時間の短縮のため、補正領域を限定しました。
AIR領域を囲むように、もう一つ立方体のAIR領域があります。解析領域の最も外側に開放境界条件を設定しますが、開放境界条件近くの電磁界は、精度が落ちます。そこで、開放境界のついた、精度の良くない領域を非表示にして、見た目をよくできるように、外側のAIR領域を作っています。
モデル全体図 アンテナ部分の拡大図
X軸方向から見たモデル全体図
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ名 |
材料名 |
45,46,69,71,75,76/Solid |
PEC |
PEC |
78,79,81/Sheet |
AIR |
AIR |
80/Solid |
補正 |
AIR |
47,70,77/Sheet |
転写ボディ |
|
※材料データベースを利用
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ名 |
材料名 |
メッシュサイズ |
45,46,69,71,75,76/Solid |
PEC |
PEC |
0.5 |
47,70,77/Sheet |
転写ボディ |
0.5 |
ボディ属性名 |
解析領域 |
補正 |
”開放境界に起因する電磁界の誤差を補正する”にチェック |
”開放境界に起因する電磁界の誤差を補正する”にチェックされたボディのみ、電磁界の補正計算を行います。
境界条件名/トポロジー |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
PORT/Face |
電気 |
入出力ポート |
電流ポート |
外部境界条件 |
電気 |
開放境界 |
解析条件の開放境界タブにて設定 |
設定項目 |
条件 |
周波数依存メッシュの設定 |
参照周波数:300×106[Hz] 表皮厚みより厚い導体ボディを境界条件とするをチェック |
結果フィールドを表示します。(例えば、解析結果タブ、フィールド)。
[解析結果タブ]-[表示内容]-[解析タイプ]を”電磁波補正フィールド”に変更します。
フィールドタイプには以下の選択肢があります。
電界[V/m]オリジナル | 補正前の電界です。解析タイプを電磁波解析とした時に表示される電界と同じ状態を表しますが、完全に一致するわけではありません。それは表示の方法が異なるためです。 |
電界[V/m]補正用データ | 補正のための電界です。この値が大きいほど、開放境界での反射が大きい事を意味します。 |
電界[V/m]補正後 | “上記電界オリジナル”と”電界補正用データ”の和になります。 |
磁界[A/m]オリジナル | 補正前の磁界です。解析タイプを電磁波解析とした時に表示される磁界と同じ状態を表しますが、完全に一致するわけではありません。それは表示の方法が異なるためです。 |
磁界[A/m]補正用データ | 補正のための磁界です。この値が大きいほど、開放境界での反射が大きい事を意味します。 |
磁界[A/m]補正後 | “上記電界オリジナル”と”電界補正用データ”の和になります。 |
左下の図は、以下の表に示した条件で出力したものです。ただし、この例題において、電磁界が補正されるボディは、ボディ”補正”のみですので、ボディ”AIR”とボディ”PEC”を非表示にして、グラデーションコンター図をかいています。
電磁波補正フィールド | 0.300000GHz |
電界[V/m]オリジナル | 大きさ |
270° | Log |
右下の図は、上記”電界[V/m]オリジナル”を、”電界[V/m]補正後”、に変更して得た図です。
カラーバーは3x105[V/m]から3×104[V/m]に設定しています。全体の分布が分かりやすいような図にするため、必要な作業になります。
左下の図が、ダイポールの上下において、不自然に境界に引っ張られたような図になっているのに対し、右下の補正後は、自然な形になっていて、境界の影響を感じさせません。
うまく補正できていることが確認できました。
ちなみに、このページの最上部の図は、断面図とラインコンターで書いた図です。
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