例題41

周波数選択板

本例題について

  • 特定の周波数帯で電磁波を透過するフィルタモデル(周波数選択板)の解析例を示します。
     

  • 波長に対してポートサイズが大きい(波長の10倍程度のポートサイズ)解析例題となります。
     

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

電磁波解析[Hertz]

解析の種類

調和解析

 

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

周波数依存メッシュの設定

参照周波数:77[GHz]

表皮厚みより厚い導体ボディを境界条件とするをチェック

調和解析

スイープタイプ

等間隔 分割数をチェック

スイープ値

最小 40[GHz]

最大 90[GHz]

分割数: 200

スイープの設定

高速スイープを選択

Sパラ変化量: 1×10-3

 

モデル図

モデルは周波数選択板と空気領域(Air)で構成されています。

周波数選択板はスリットをもつ導体板(Metal)とそのスリット内の誘電体(Sub)からできています。

 

ボディ属性および材料定数の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ名

材料名

5, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37/Solid

Sub

006_ガラスエポキシ※

38/Solid

Air

000_空気※

39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48/Solid

Metal

008_銅Cu※

※材料データベースを利用

 

境界条件

境界条件名/トポロジー

タブ

境界条件の種類

条件

ポート_001/Face

電気

入出力ポート

基準インピーダンス:
 ポート構造から算出される特性インピーダンスを使う

 をチェック

 

積分路

 Path1を設定

ポート_002/Face

電気

入出力ポート

基準インピーダンス:
 ポート構造から算出される特性インピーダンスを使う

 をチェック

 

積分路

 Path1を設定

EW/Face

電気

電気壁

 

外部境界条件

電気

磁気壁

 

 

メッシュ/解析の設定

設定項目

条件

周波数依存メッシュの設定

参照周波数:77[GHz]

表皮厚みより厚い導体ボディを境界条件とするをチェック

 

解析結果

解析結果のSパラメータを示します。77GHz付近において透過特性があることを確認できます。

 

 

透過特性を示さない40GHzと透過特性を示す77GHzにおける周波数選択板上の電流密度を示します。

 

 

 

透過特性を示さない周波数帯(40GHz)では導体全体に電流が流れている結果に対し、透過特性を示す周波数ではスリット付近に電流が集中しており、

その値も大きいことが確認できます。

このスリット付近に集中する電流を引き起こす電磁界が周波数選択板の共振モードであり、この共振モードにより特定の周波数で透過特性を示します。

 

次の図は40GHzと77GHzにおける電界を示しています。40GHzでは入射された電磁波が周波数選択板により遮断され、透過していないことがわかります。

一方、77GHzにおいては電磁波が周波数選択板を透過している様子が確認できます。

この図では比較を明確にするために描画設定においてベクトル図のベクトル形状の倍率を10倍にし、最大値を3k[V/m]に調整しています。

 

 

 

 

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