
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
本例題について
IPMモータ(Interior Permanent Magnet Motor)の着磁解析例を示します。
以下の2段階の解析となります。
着磁解析
未着磁の磁石に着磁電流による着磁磁界を与えることで着磁
着磁結果引用解析
1.の着磁結果を磁石に設定し、モータのトルクを解析
着磁率、磁化分布、トルク、磁束密度分布などを計算します。
コア部分は電磁鋼板の積層構造を模擬するため、均質化法を利用します。
表に記載されていない条件はデフォルトの条件を使用します。
本例題は計算の高速化のため、1/4周期対称モデルを採用しています。
項目 |
条件 |
解析空間 |
2次元 |
奥行き方向の厚み |
60[mm] |
単位 |
mm |
ソルバ |
磁場解析[Luvens] |
解析の種類 |
過渡解析 |
解析オプション |
[部分モデル(対称モデル)の設定] 部分モデルをチェック 分割数:4 結果をフルモデルに換算して出力をチェック |
メッシュタブを以下のように設定しています。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
メッシュ |
メッシュ設定 |
標準メッシュサイズを自動的に決定する:OFF 標準メッシュサイズ:1[mm] |
空気領域自動作成 |
空気領域を自動作成するにチェック 空気領域のスケール:1.2 |
過渡解析タブの設定を以下のように行っています。
着磁解析では、時刻ステップ毎の磁界強度を取得し、磁界強度が下がった段階で、その直前のステップでの磁界強度を着磁磁界とします。
本例題では定電流としているため、時間ステップ設定は結果に影響しません。
下記時間ステップ設定を[定常解析]に切り替えても同結果となります。
誘導電流を考慮したい場合は、定電流ではなく着磁電流の波形を入力し、時間ステップを設定して下さい。
タブ設定 |
設定項目 |
条件 |
|||||||
過渡解析 |
時間ステップ |
指定 |
|||||||
表 |
|
中央にロータであるロータコアと磁石があり、周囲にステータコアとコイルを配置した構成となっています。
4極24スロットのモータの着磁解析です。
I1,I2,I3,I4のコイルに着磁電流を設定しています。
2次元モデルでの解析です。
対称性を利用し、1/4の周期対称モデルとしています。
回転周期境界(Symmetric)を設定しています。
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
12/Sheet |
Mag |
Magnetize_Mat |
11/Sheet |
Rotor |
35JN270_JFEスチール※ |
28/Sheet |
Stator |
35JN270_JFEスチール※ |
30/Sheet |
U1+ |
008_銅(Cu)※ |
31/Sheet |
U1+ |
008_銅(Cu)※ |
32/Sheet |
W1- |
008_銅(Cu)※ |
33/Sheet |
W1- |
008_銅(Cu)※ |
34/Sheet |
V1+ |
008_銅(Cu)※ |
35/Sheet |
V1+ |
008_銅(Cu)※ |
※材料データベースを利用
ボディ属性は以下のように設定しています。
I1,I2,I3,I4のコイルに着磁電流を設定しています。
変数「current」を利用し、変更しやすいようにしています。
コア部分は積層鋼板を模擬するため、均質化法を利用する設定(積層タブ)としています。
ボディ属性名 |
タブ |
設定 |
Mag |
方向 |
ベクトル:X=1, Y=0, Z=1 |
電流 |
誘導電流ありにチェック |
|
Rotor |
積層 |
積層を考慮するにチェック 占積率:97[%] 積層方向ベクトル:X=0, Y=1, Z=0 |
Stator |
積層 |
積層を考慮するにチェック 占積率:97[%] 積層方向ベクトル:X=0, Y=1, Z=0 |
I1, I2 |
電流 |
波形:一定 電流値:current(変数利用) 巻数:35[Turn] 方向:奥向き |
I3, I4 |
電流 |
波形:一定 電流値:current(変数利用) 巻数:35[Turn] 方向:手前向き |
I0 |
電流 |
波形:一定 電流値:0[A] |
材料定数は以下のように設定しています。
着磁特性を定義しています。着磁特性パラメータの詳細は「透磁率」タブを参照してください。
材料名 |
タブ |
定数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Magnetize_Mat |
透磁率 |
材料タイプ:着磁材料 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
初磁化特性 B-Hカーブテーブル
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
着磁率の定義タイプ:保磁力で正規化
着磁率曲線テーブル
着磁率1.0での保磁力:980000[A/m] |
半周期の周期対称境界を設定しています。
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
Symmetric |
対称/不連続 |
周期的 |
回転周期(半周期) |
本例題は下記の2段階の解析からなります。
着磁解析
未着磁の磁石に着磁電流による着磁磁界を与えることで着磁
着磁結果引用解析
1.の着磁結果を磁石に設定し、モータのトルクを解析
はじめに1.の解析結果を示します。(添付プロジェクトの解析モデル「着磁解析」の結果)
着磁電流(変数”current”)を100~1300[A]まで振った時の着磁率分布を示します。
1300[A]でほぼ完全に着磁できていることが分かります。
100[A] |
500[A] |
900[A] |
1300[A] |
同じく、磁化分布を示します。
100[A] |
500[A] |
900[A] |
1300[A] |
次に2.の解析結果を示します。(添付プロジェクトの解析モデル「トルク解析(着磁結果引用)」の結果)
この解析モデルは、1.の着磁結果を磁石に設定しています。
(「透磁率」タブで材料タイプを[着磁結果引用]に設定)
着磁電流が900[A]の時のモータのトルク波形を示します。
同じく、着磁電流が900[A]の時のモータの磁束密度分布を示します。
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