例題12

任意波形電流入力での鉄損解析(三角波)

本例題について

  • コア付きコイルに任意波形電流(ここでは三角波)を入力した時の鉄損を計算する解析例を示します。
    矩形波などでも本例題と同様の方法で解析可能です。

  • 任意波形で鉄損を計算するために、鉄損計算手法として[周波数分析(FFT)]を利用しています。
     

  • コア部分の損失や、磁界ベクトルや磁束密度ベクトルを解析結果として見ることができます。
     

  • 表に記載されていない条件はデフォルトの条件を使用します。
     

 

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

磁場解析[Luvens]

解析の種類

過渡解析

解析オプション

なし

  

過渡解析タブを以下のように設定しています。

入力が周波数50[kHz]の三角波ですので、その波形を十分再現するためと、鉄損をFFTで計算する際に十分高い周波数成分を考慮するため、
50[kHz]の1周期分を24分割した時間ステップとしています。

タブ設定

設定項目

条件

過渡解析

時間ステップ

自動

No.

ステップ数

出力間隔

時間ステップ[s]

1

24

1

1.0/(24*50e3)

 

 

モデル図

コアにコイルが巻かれているモデルを用います。

コア(Core)と、ループコイル(Coil)で定義しています。

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

5/Solid

Coil

008_銅(Cu)※

6/Solid

Core

MB3_23deg_JFEフェライト※

※材料データベースを利用

 

材料定数は以下のように設定しています。

コア部分は材料データベースの[MB3_23deg_JFEフェライト]を利用しています。

B-Hカーブと鉄損テーブルはデータベースの値をそのまま利用していますが、鉄損計算手法を[振幅値]から[周波数分析(FFT)]に手動で変更しています。
鉄損テーブルによる鉄損計算では、周波数と磁束密度の振幅をテーブルに照らし合わせて鉄損密度を計算しますが、
正弦波以外の入力時には周波数分析(FFT)を実施しないと、鉄損の高調波成分を考慮できないためです。

計算手法の詳細は「透磁率」タブを参照してください。

 

材料名

タブ

条件

MB3_23deg_JFEフェライト

鉄損

計算手法:周波数分析(FFT)

基本周波数:周波数を指定/50[kHz]

 

ループコイルに電流を流すため、ボディ属性は以下のように設定しています。

電流は周波数50kHz、振幅1Aの三角波です。

 

ボディ属性名

タブ

設定

Coil

電流

波形:任意波形

 

[時刻-電流]テーブル

時刻[s]

電流[A]

0

0

1/4/50e3

1.0

2/4/50e3

0

3/4/50e3

-1.0

4/4/50e3

0

 

電流値: 0.1[A]

周波数:50×103[Hz]

巻数: 100[Turn]

方向:ループコイル/磁場方向指定

磁場方向ベクトル:X=0、Y=0、Z=1

[時刻-電流]テーブルには1周期分を入力すれば、自動的に繰り返します。

[時刻-電流]テーブルのグラフボタンをクリックすることで、下図のように繰り返しの様子が確認できます。

境界条件

設定なし

解析結果

鉄損の解析結果は、[解析結果]タブの、

 

 

 [テーブル] で表示できます。

 

「損失[W](最終1周期参照値)」タブに、以下のように出力されます。

 

また、「鉄損の周波数成分(FFT)[W]」タブに、各周波数成分が出力されます。

グラフ表示すると、以下のように表示されます。

入力電流が三角波ですので、高調波成分が存在することが分かります。

 

  • 損失についての詳細は「磁場解析における損失計算」を参照してください。

  • 鉄損の計算手法ついての詳細は「鉄損の計算手法」を参照下さい。

 

時刻ステップ1での磁界ベクトルの解析結果を示します。

 

時刻ステップ1での磁束密度ベクトルの解析結果を示します。

 

 

鉄損密度の解析結果を示します。

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