例題10

解析領域のサイズに関する調査

本例題について

  • 解析領域のサイズを変えて、結果に及ぼす影響を調べました。

  • 音波例題8を参考にしてモデル作成しましたので、音波例題も参考にしてください。

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

 

解析条件

 

項目

条件

ソルバー

音波解析[Mach]

解析の種類

調和解析

解析オプション

選択なし

 

 

タブ設定

設定項目

条件

調和解析

周波数

最小:5[KHz]

最大:5[KHz]

開放境界

種類

吸収境界

吸収境界の次元

2次(モデル1,2)

1次(モデル3)

 

 

 

モデル図

空気中にあるスピーカーの音が伝わっていく様子を観察し、モデル作成方法による結果の違いを調べます。。

 

球状(もしくは直方体)の空気領域の内部に、スピーカの領域を作成し、空気をくり抜いてつくりました。したがって、スピーカのボディは存在しません。駆動部分は圧力1[Pa]で指定しています。球状の空気領域の周囲には開放境界条件を設定していますが、図では内部を見やすくするため、境界条件を外した図を示しています。指向性領域は、2枚のシートボディで作っています。

 

スピーカを含む形状を変えた、3つのモデルについて解析を行いました。(このページの一番上の図をご覧ください)

モデル1.半径1波長(60cm)の球の中にスピーカを配置したモデル。標準メッシュサイズ1/6波長。

モデル2.半径0.5波長(30cm)の球の中にスピーカを配置したモデル。標準メッシュサイズ1/6波長。

モデル3.直方体の中にスピーカを配置したモデル。(スピーカから5cm離した位置まで空気領域にしました。)標準メッシュサイズ1/12波長。

ただしいずれのモデルもスピーカ周辺の面に対し、メッシュサイズ4を設定しています。これは細かなスピーカ形状による特性を正しく計算するためです。

 

 

 

 

 

ボディ属性および材料定数の設定

モデル1、2

ボディ No./ボディ タイプ

ボディ属性名

材料名

2/Solid

空気

000_空気※

15/Solid

空気

000_空気※

18/Solid

空気

000_空気※

21/Sheet

OUTSIDE

000_空気※

22/Sheet

OUTSIDE

000_空気※

 

モデル3

ボディ No./ボディ タイプ

ボディ属性名

材料名

2/Solid

空気

000_空気※

14/Solid

空気

000_空気※

15/Solid

空気

000_空気※

18/Sheet

OUTSIDE

000_空気※

19/Sheet

OUTSIDE

000_空気※

 

※材料データベースを利用

 

ボディ属性名

OUTSIDE

 

  • ”指向性の計算方法を使う”にチェックされたボディは、指向性計算をする領域として認識されます。このボディに材料”000_空気”を指定していますが、この材料は計算に使われません。開放境界を設定したボディの材料が、その外側に広がっているという条件で解析が行われます。

 

境界条件

境界条件名/Topology

タブ

境界条件の種類

条件

F/Face

音波

圧力

1[Pa]

Open/Face

音波

開放境界

 

 

解析結果

ボディ属性名”空気”の領域、”OUTSIDE”の領域をコンター図とグラフを使って、3つのモデルの差を観察しました。

”OUTSIDE”領域については、3つのモデルについて差がないことがわかりました。

”空気”領域のコンター図は、空気領域の半分を非表示にして、内部を表示しています。”空気”領域のコンター図とグラフを観察してわかるように、3つのモデルでほぼ同じ結果の得られることがわかった。ただしモデル3の裏側付近だけ、モデル1、2とは異なる解が得られました。

 

 

    ボディ属性名”空気”領域の音圧分布。                               ボディ属性名”OUTSIDE”の音圧分布

 

 

       ボディ属性名”空気”領域の音圧分布(A-B間                         ボディ属性名”OUTSIDE”領域の音圧分布(C-D間)

 

まとめ

モデル3では、スピーカと開放境界の距離を1/12波長と短くしましたが、放射特性に変化の無いことがわかりました。ただし、メッシュサイズはモデル1,2の約半分に小さくしています。モデル1,2と同じメッシュサイズで、モデル3を解析すると、結果がずれてしまったからです。このあたりを注意して解析を行ってください。

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