例題16

開放境界(PML)

本例題について

  • 圧電基板上を伝わる横波を解析しました。

  • 十分広い領域の一部を取り出して解析した、という意味で、モデルの周囲に開放境界条件(PML)を設定しています。

  • 対称性を利用した1/4モデルを解析しました。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解放空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

圧電解析[Rayleigh]

解析の種類

調和解析

 

 

調和解析および開放境界の設定を以下のように行っています。

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

標準メッシュサイズ

1.0

調和解析

周波数

 50×103[Hz]

スイープタイプ

一つの周波数

スイープの設定

高速スイープを使うのチェックは無し

入力

1.0[W]

開放境界

種類

PML

PML厚み

0.3[波長]

PML減衰係数

1.0

波長

0.012[m]

与えた波長はPMLの厚みを決める事だけに使われます。この波長に、PML厚み[波長]をかけてPML厚み[m]がきまります。

ここで与えた0.012[m]という値は、解析結果から読み取った値です。最初の解析では波長が分からないので、

波長0.0[m]として解析しました。そうすると、Femtetは、材料から算出した縦波の波長を利用してPML

厚みを決めます。こうして決めたPML厚みは厚くなりがちなので、実際の波長を入力する事にで、計算量

を減らせます。

 

  • 参考情報:解析条件の開放境界タブ、テクニカルノートのPML。

モデル図

十分広い板の中央に強制振動をあたえる解析を1/4モデルで実施しました。

対称面の境界条件は、X方向変位固定と、Y方向変位固定になります。

 

 

ボディ属性および材料定数の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ名

材料名

0/Solid

piezo

000_P-4

※材料データベースを利用

境界条件

境界条件名/トポロジー

タブ

境界条件の種類

条件

OPEN/Face

機械

開放境界

 

UZ/Vertex

機械

変位

Z方向に変位1.0X10^-3 [m]

SYM_UX0/Face

対称/不連続

対称面

 

SYM_UY0/Face

対称/不連続

対称面

 

外部境界条件

機械

拘束なし

 

電気

磁気壁

解析条件の開放境界タブにて設定

SYM_UX0は対称面の境界条件を付けていますが、その動作はx方向変位を0に固定したのと同じです。

 同様に SYM_UY0は対称面の境界条件を付けていますが、その動作はY方向変位を0に固定したのと同じです。

 ただし「対称境界」を選択いただくことで、全体モデルでの結果表示が可能となります。

解析結果

変位のZ方向成分をコンター図で示しました。同心円状に弾性波が広がっている事が確認できます。結果図1

ではPMLを非表示、結果図2ではPMLを表示にしています。変位はPML層で減衰している為、弾性波は進行波

になっています。この事を確認するにはアニメーションにするのが分かりやすいですので、是非ご覧ください。

なお、拡大して図を表示するため、”対称モデルの全体モデル表示”をOFFにして、解析モデルと同じ、1/4の

サイズで表示しています。

 

  • アニメーションファイルを取得(保存してから開いてください。)

         アニメーションでは、 同心円を分かりやすく表示する為、解析結果ウィンドウの[描画設定]、[コンタータブ]で、[グラデー

    ションコンターの色分割]にチェックを入れています。

 

 

結果図1  Z変位コンター図

 

 

 

結果図2 Z変位コンター図 PML付き

 

 

          結果図3(a) 変位Z成分の表示      結果図3(b) 変位Z成分absolute

                      phase 0 とabsolute     厚みと減衰係数の効果

 

結果図2のX軸に沿う辺上(オレンジ色で示した直線状)で、変位Z成分を調べました。phase0とAbsoluteの図を重ねてみたのが

結果図3(a)になります。absoluteは振幅で、PML領域内において、急速に減衰している事が確認できます。

結果図3(b)はPMLのパラメータを修正した時の効果を調べた結果です。減衰係数を1⇒2に修正したの結果を赤実線、厚みを

0.3⇒0.5に修正した結果を黒点線で表しています。PMLを除く解析領域において、赤実線と黒点線は一致していて、カーブはな

だらかに減衰しています。赤実線は減衰係数を大きくしたので、PML内での減衰が急になっていることが確認できます。修正前の

結果である青線は、他の2本と少しずれていて、すこしだけ波の乗っている事が分かります。このことから、厚みを厚くしたり、減衰

係数を大きくすることが特性の改善につながったと考えられます。

 

  • 参考情報:解析条件の開放境界タブ、テクニカルノートのPML。

 

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