例題19

張力と共振周波数

本例題について

  • 例題13 張力と共振周波数 は、張力の影響を共振解析で調べましたが、ここでは調和解析を使います。

  • 「初期応力を考慮した解析」の機能を使用します。詳細は「初期応力を考慮した解析」を参照してください。

  • 変位量の周波数特性を解析結果として示します。

  • 解析①:張力の元となる静荷重を加え、左右に引っ張ります。
    解析②:梁の左右を固定し、電圧を掛けて振動させます。張力により硬くなる効果を考慮するため、解析①で得られた変位を使います。
     

解析空間(解析①、解析②共通)

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件(解析①)

項目

条件

ソルバ

圧電解析[Rayleigh]

解析の種類

静解析

解析オプション

選択なし

 

 

モデル図(解析①)

分極方向の異なる圧電体板を2枚重ね、両端には圧力の境界条件、上下面には電位指定の境界条件
を設定しています。

 

 

ボディ属性および材料定数の設定(解析①、解析②共通)

ボディ No./ボディ タイプ

ボディ属性名

材料名

0/Solid

upper

000_P-4※

1/Solid

lower

000_P-4※

※材料データベースを利用

 

圧電体P-4の分極方向を逆にするためボディ属性の方向を以下のように定義します。

ボディ属性名

タブ

設定

upper

方向

指定方法:ベクトル

ベクトル:X=Y=0.0、Z=1.0

lower

方向

指定方法:ベクトル

ベクトル:X=Y=0.0、Z=-1.0

境界条件(解析①)

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

earth/Face

電気

電気壁

電位指定:電位 0[V]

hot/Face

電気

電気壁

電位指定:電位 10[V]

f_left/Face

機械

圧力

-1×109[Pa]

f_right/Face

機械

圧力

-1×109[Pa]

解析結果(解析①)

両端を左右に引っ張った解析です。下の図は変位をベクトル図で示しています。

 

 

解析条件(解析②)

項目

条件

ソルバ

圧電解析[Rayleigh]

解析の種類

調和解析

解析オプション

初期応力を考慮した解析

考慮するをチェック

解析結果を使用するを選択

 

調和解析タブにおいて周波数、間隔、スイープの設定を以下のように設定しています。

タブ設定

設定項目

条件

調和解析

周波数

最小:35[KHz]

最大:50[KHz]

間隔

等間隔 分割数をチェック

分割数:50

高速スイープ

逐次スイープ

 

結果インポートタブを以下のように行います。

タブ設定

設定項目

条件

結果インポート

結果の指定方法

解析モデル指定で
「解析①_静荷重」を選択

モデル図(解析②)

解析①(静解析)のモデルとほぼ同じですが、解析①で与えた圧力の境界条件を固定する境界条件FIXに変更しています。

 

 

 

 

 

ボディ属性および材料定数の設定(解析②)

解析①と同じ

境界条件(解析②)

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

FIX/Face

機械

変位

XYZのチェックボックスをオン

X=Y=Z=0.0[mm]

 

earth/Face

電気

電気壁

電位指定:電位 0[V]

hot/Face

電気

電気壁

電位指定・電位10[V]

 

解析結果(解析②)

 

静荷重をかけた解析とかけない解析を実行し、変位の大きさの周波数特性を調べました。

 

静荷重有り/44.9kHz 変位Z成分/Absolute

 

 

 

上のコンター図は、静荷重をかけた状態の解析で、共振状態に近い周波数の座標(5,1,0)の変位Z成分Absoluteをコンター図で示しています。

 

 

張力によって、ピークの位置が周波数の高い方向にずれました。これは例題13でも確認したのと同じ効果です。

例題13では4070[Hz]が4481[Hz]にシフトしましたが、おなじような結果が得られました。

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