例題4

過渡解析

本例題について

  • 圧電、音波連成の過渡解析の例題です。 

  • 圧電体を電圧で駆動して発生する音波の伝搬を見ることができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解析条件

項目

条件

ソルバ

圧電解析[Rayleigh]

音波解析[Mach]

解析空間

2次元

解析の種類

圧電解析:共振解析を利用した過渡解析
音波解析:過渡解析

単位

mm

 

タブ設定

設定項目

条件

メッシュ

メッシュ設定

☑メッシャG2を使用する

要素の種類:四角形

☑直交格子を使用する

共振解析

共振解析

モード数:3

周波数の近似値0

過渡解析

時間ステップ

指定

 

No

ステップ数

出力間隔

時間ステップ[s]

1

250

1

2.0e-6

 

求解法(音波解析)

陰解法

 

  • 時間ステップの目安は、共振周波数と印加周波数から決めます。あらかじめ行った共振解析で41kHzに共振のある事を確認しました。そこで印加周波数を共振より少し低い、40kHzにきめました。
    40kHzの時の周期T0はT0=1/40e3=2.5e-5 となります。 時間ステップ(dT)は周期の1/10以下が求められます。1/10より少し小さな値、dT=2.0e-6[s]、とすることに決めました。
    解析終了時刻は 250x2.0e-6=5e-4[s]=500[us] となります。駆動周波数は、電位指定の境界条件を入力する際に必要となります。

モデル図

2次元の1/2モデルを想定して作成しました。

圧電解析領域は、圧電体とステンレスから構成されます。圧電体に電位指定の境界条件hotとearthを設定します。earthは0[V]、hotには正弦波で振動する電位を指定います。

1/2モデルということで、X=0の辺上には変位X成分を0とする境界条件を設定しました。

音波解析領域は、空気です。音波解析領域には、開放境界条件を設定しました。

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/Sheet

STEEL

104_ステンレス鋼※

1/Sheet

PIEZO

000_P4※

2/Sheet

STEEL

104_ステンレス鋼※

13/Sheet

AIR

000_空気※

※材料データベースを利用。ただし000_P4は1/Qmの値を変更し、0.4を使っています。これは、電圧で駆動したのちに、振動を抑える目的です。

 

 

ボディ属性名

解析領域(ソルバ)

PIEZO

圧電/Rayleigh

STEEL

圧電/Rayleigh

AIR

音波/Mach

 

  • 圧電音波連成解析の注意: この解析では、解析するBodyを圧電解析するのか、音波解析するのか、指定しなければなりません。つまり解析領域タブでは、圧電か音波のどちらか一方にチェックが必要です。

 

境界条件

境界条件名/Topology

タブ

境界条件の種類

条件

OPEN/Edge

音波

開放境界

 

US0/Edge

機械

変位

UX=0,UY=0

hot/Edge

電気

電位

指定、電位=1[V]

☑時間依存

重みは以下のグラフのとおり

earth/Edge

電気

電位

指定、電位=0[V]

 

解析条件のところで述べたように、駆動周波数を40KHzとします。表計算ソフトを用いて40KHzの正弦波を作成し、その一部分だけ取り出して、下の図のような[時刻ー重み]曲線を作成しました。

表計算ソフトで作成した、[時刻ー重み]の数値データを、[時刻_重み]曲線テーブルにコピー&ペーストで入力可能です。

 

解析結果

1.圧電解析
圧電解析 1:4.107499e+04Hz
変位[m] z成分
Linear

 

結果フィールド を表示します。(例えば、解析結果タブ、フィールド)。

[解析結果タブ]-[表示内容]-[解析タイプ]を”圧電解析”にすると、圧電共振解析の結果を見ることができます。

3つの振動モードを求めましたが、そのうち結合係数のもっとも大きかったのが、このモードです。結合係数は、結果テーブルで確認できます。

下の図は、変位z成分のコンター図です。

                        図1.

 

2.圧電/時間応答
圧電/時間応答 24:4.800000e-05[s]
変位[m] z成分
  Linear

 

[解析結果タブ]-[表示内容]-[解析タイプ]を”圧電/時間応答”にすると、[共振解析を利用した過渡解析] の結果を見ることができます。

ここでは境界条件”hot”で指定した、[時刻ー重み]曲線を印加した時の圧電解析領域の振動を確認できます。図2(b)は、点A(図2(b))で観測した、変位Z成分のグラフです。

図2(a)は、図2(b)にマーカ―で示した時刻における、コンター図です。図1のモードで振動していることがわかります。

 

 

 図2(a)                                                                 図2(b)

 

3.音波解析
音波解析 82:1.640000e-04[s]
音圧[Pa]
  Linear

 

[解析結果タブ]-[表示内容]-[解析タイプ]を”音波解析”にすると、音波解析の結果を確認できます。

図3は、音圧分布を示した図です。圧電部分で駆動された音圧が中央付近におかれた障害物に到達しました。

図 3

 

 

図4はパワーのグラフです。結果グラフのパワータブを選択し、グラフのボタンを押すと図を書くことができます。

300us付近でパワーが負になっています。障害物に反射された音波がもどってきていることを感じさせます。

 

図 4

 

 

時刻300[us]の音圧分布になります。予想どおり、障害物で反射された波が圧電体領域に戻ってきたことが確認できました。

 

音波解析 150:3.0000e-04[s]
音圧[Pa]
  Linear

 

 

図5

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