例題5

ヴァイオリン

本例題について

  • このモデルは圧電体を含みませんが、圧電ー音波連成で解析しています。応力ー音波連成解析でも同様の解析が可能です。
     

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

m

 

解析条件

ソルバは圧電解析と音波解析を同時に選択します。

項目

条件

ソルバ

圧電解析[Rayleigh]

音波解析[Mach]

解析の種類

調和解析

拘束する変数

電位:チェックあり

X方向変位:チェック無し

Y方向変位:チェック無し

Z方向変位:チェック無し

 

調和解析タブにおいて周波数、間隔、スイープの設定を以下のように設定しています。

また解析領域の外部にも音波が放射していきますので開放境界の条件として以下のデフォルト条件を使用します。

タブ設定

設定項目

条件

調和解析

周波数

一つの周波数

196*g+294.7*d+440*a+659.26*e

開放境界タブ

種類

吸収境界

吸収境界の次元

1次

原点座標

x = y = z = 0

変数a、d、e、gは、解析周波数の切り替えに利用しています。このページに添付されたプロジェクトファイルでは e=1,a=d=g=0 になっていますので、659.26[Hz] の解析をする状態にあります。

 

[参考]

ヴァイオリンの4本の弦は、細い方からE線、A線、D線、G線と呼ばれます。

E線の固有振動周波数:659.26[Hz]

A線の固有振動周波数:440[Hz]

D線の固有振動周波数:294.7[Hz]

G線の固有振動周波数:196[Hz]

 

モデル図

全体のモデルは、下図のように、圧電解析領域のヴァイオリンと音波解析領域の空気からなります。

 

 

このモデルでは弦を作成していません。弦を省略し、直接駒(下図)に駆動の境界条件を設定する方法を取っています。

駆動の境界条件であるE_Stringは、本来あるはずのE線と、駒(ボディ名:Bridge)の当たる接触面に設定しています。

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

28,29/Solid

AIR

000_空気(乾燥)※

0/Solid

Back

Wood

23/Solid

Bridge

Wood

3/Solid

Busbar

Wood

12/Solid

FingerBoard

Wood

1/Solid

Front

Wood

13/Solid

Neck

Wood

14/Solid

Scroll

Wood

11/Solid

Side

Wood

24/Solid

SoundPost

Wood

5,6,7,8,9,10/Solid

Support

Wood

※材料データベースを利用

 

BODY属性

ボディ属性名

解析領域(ソルバ)

AIR

音波/Mach

Back

圧電/Rayleigh

Bridge

圧電/Rayleigh

Busbar

圧電/Rayleigh

FingerBoard

圧電/Rayleigh

Front

圧電/Rayleigh

Neck

圧電/Rayleigh

Scroll

圧電/Rayleigh

Side

圧電/Rayleigh

SoundPost

圧電/Rayleigh

Support

圧電/Rayleigh

 

材料定数

材料名

タブ

条件

WOOD

密度

700[kg/m3]

圧電定数タブ

圧電性:なし

異方性:等方

ヤング率:9[GN/m2]

ポアソン比:0.3

1/Qm:0.0

材料”WOOD”が指定されたボディは、すべて圧電解析領域になります。その為、音波解析に必要な音速の入力は不要となります。

境界条件

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

A_string/Face

機械

変位

UX: vib_a

D_string/Face

機械

変位

UX: vib_d

E_string/Face

機械

変位

UX: vib_e

Fix/Face

機械

変位

UX=0

UY=0

UZ=0

G_string/Face

機械

変位

UX: vib_g

Outer

音波

開放

開放

 

境界条件で使った変数は以下の通りです。

vib_a=0.1*a

vib_b=0.1*b

vib_e=0.1*e

vib_g=0.1*g

 

ここでa,b,e,gの変数は、周波数の指定で使った変数です。このページに添付されたプロジェクトでは、e=1、a=b=g=0、と設定されていますので、E線に対応する境界条件、E_Stringのみが振動を与えます。

 

解析結果

659.26[Hz]での計算結果を示します。

まず、圧電解析の結果フィールドで、変位図を確認します。

カラーコンター図は変位のZ成分絶対値(位相でAbsoluteを選択)を示しています。単位は[um]です。

次に、結果フィールドで音波解析に切り替え、音圧分布を確認します。

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