例題10

発熱と自然対流の複合事例

本例題について

  • 基板上に発熱体が2つ配置されており、その熱が主にビアホールを介して基板の底面の銅シートに伝わり、
    銅シート底面や基板の上面から自然対流により空気中に放熱している状態を定常解析した例を示します。

  • 温度分布や熱流束ベクトルを解析結果として見ることができます。

  • 表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

解析条件

項目

条件

ソルバ

熱伝導解析[Watt]

解析の種類

定常解析

解析オプション

なし

モデル図

ボディ属性および材料の設定

ビアホール(HOLE)周辺では熱流束が大きく変化することが予想されますのでメッシュサイズ

個別設定しています。

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

メッシュサイズ

0/Solid

SUB

006_ガラスエポキシ※

 

1/Solid

GND

008_銅Cu※

 

2/Solid

MAINCHIP

001_アルミナ※

 

3/Solid

SUBSHIP

001_アルミナ※

 

4/Solid

HOLE

008_銅Cu※

0.5

5/Solid

HOLE

008_銅Cu※

0.5

6/Solid

HOLE

008_銅Cu※

0.5

7/Solid

HOLE

008_銅Cu※

0.5

8/Solid

HOLE

008_銅Cu※

0.5

9/Solid

HOLE

008_銅Cu※

0.5

10/Solid

HOLE

008_銅Cu※

0.5

11/Solid

HOLE

008_銅Cu※

0.5

※材料データベースを利用

 

MAINCHIPおよびSUBCHIPでの発熱量を以下のように設定しています。

ボディ属性名

タブ

設定

MAINCHIP

発熱量

0.2[W]

SUBCHIP

発熱量

0.1[W]

境界条件

基板の裏面のグランド面(GND)の底面、基板の上面(TOP)、および発熱体ICの上面(MAINCHIP,SUBCHIP)

に自然対流による係数を以下のように設定しています。

現実的には側面からも対流による放熱が考えられますが、面積もすくなく影響は微小であるため、

本例題では省略しています。

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

BOTTOM/Face

放熱・環境輻射

自然対流※1:  1.39[W/m2/deg5/4]

室温:       25[deg]

TOP/Face

放熱・環境輻射

自然対流※2:  2.78[W/m2/deg5/4]

室温:       25[deg]

MAINCHIPUPPER/Face

放熱・環境輻射

自然対流※3:  6.41[W/m2/deg5/4]

室温:       25[deg]

SUBCHIPUPPER/Face

放熱・環境輻射

自然対流※4:  7.62[W/m2/deg5/4]

室温:       25[deg]

 

※自然対流の係数は以下の式にて算出しています。詳細は「放熱・環境輻射」を参照してください。

 

※1 BOTTOM

2.51×C×(1/L)^(1/4) = 1.39 [W/m2/deg5/4]

ただし、

係数 C = 0.26

基板寸法 0.06×0.04

代表長 L = (0.06×0.04×2)/(0.06+0.04) = 0.048

 

※2 TOP

2.51×C×(1/L)^(1/4) = 2.78 [W/m2/deg5/4]

ただし、

係数 C = 0.52

基板寸法 0.06×0.04

代表長 L = (0.06×0.04×2)/(0.06+0.04) = 0.048

 

※3 MAINCHIPUPPER

2.51×C×(1/L)^(1/4) = 6.41[W/m2/deg5/4]

ただし、

係数 C = 0.96

基板寸法 0.02×0.02

代表長 L = (0.02×0.02×2)/(0.02+0.02) = 0.02

 

※4 SUBCHIPUPPER

2.51×C×(1/L)^(1/4) = 7.62 [W/m2/deg5/4]

ただし

係数 C = 0.96

基板寸法 0.01×0.01

代表長 L = (0.01×0.01×2)/(0.01+0.01) = 0.01

 

解析結果

温度分布の解析結果を示します。


温度差の絶対値は1.5度程度と微小ですが、MAINCHIPが最も高温になっていることが分かります。

 

熱流束ベクトル図を示します。

大小それぞれの発熱体から主にビアホール(HOLE)を介して熱伝導している様子が分かります。

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